『潔く柔く』

 

□作品オフィシャルサイト　「潔く柔く きよくやわく」
□監督　新城毅彦
□原作　いくえみ綾
□脚本　田中幸子、大島里美
□キャスト　長澤まさみ、岡田将生、波瑠、中村蒼、平田薫、田山涼成、
　　　　　　MEGUMI、高良健吾、古川雄輝、和田聰宏、MEGUMI、池脇千鶴

■鑑賞日　１０月２７日（日）
■劇場　ＴＯＨＯシネマズ川崎
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５） 

＜感想＞

　　大切な人を失った悲しみを引きずりながら大人になり、
　　同じ悲しみを持つ人に出会うまで、本当の恋は出来ないのだろうか・・・。

　高校１年生の花火大会の夜に、カンナ（長澤まさみ）はいつも一緒に居たクラスメイトから
　告白される。　そんなとき、幼馴染みのハルタ（高良健吾）は、チャリンコに乗りながら、
　カンナにメールを打っていて交通事故に遭って他界してしまう。
　それがトラウマとなり、カンナは社会人になっっても心開けず恋が出来ない。
　しかしながら、そんなカンナは、仕事先の出版社で赤沢禄（岡田将生）と知り合う。
　無神経で悩みなどないように見える禄だが、カンナと同様、心に大きな傷を持っていた。
　カンナは次第に禄にひかれていく。

　長澤まさみの演技はあんまり進歩していないのだが、それでもこういう青春ものでは、
　その天性の明るさがハマるのが不思議だ。　岡田将生も同様に。
　互いに仕舞い込んだ心の傷は、同じ痛みを持つもの同士だから、分かち合うことも
　出来るかもしれないし、癒されるのかもしれない。
　ただ、そこから一歩を踏み出すことは、自分たちだけでは出来ることではなく、
　周りの家族や友人たちが居てくれることも必要なこと。
　そんなカンナと禄の出会いはたまたまプラスにはたらいてくれたけど、
　苦しみからの解放はそんなに簡単なことではなかっただろう。

　何かを与えることと、何かを与えられること。
　そこに難しい相関関係はだいだろうが、一歩を踏み出す勇気は、恋愛だけには留まらない。
　誰しもが、形や大きさは違えども、心に傷を持っているものだ。
　大切な人の死を経験するかどうかは（できれば経験しない方がいいが）わからないが、
　やはり、最後の一歩は自身が踏み出すしかないだろう。
　そんなことを考えつつ、あの子が言葉を発した瞬間、涙が頬を伝わり落ちた。　
　久しぶりにチャラくない恋愛模様を感じることが出来た
　
　　新城監督の作品では、宮崎あおいちゃんと玉木宏クン共演の、
　　『ただ、君を愛してる』が好きだなぁ。