京の昼寝~♪

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『椿三十郎』

2007-12-08 | 邦画


□作品オフィシャルサイト 「椿三十郎
□監督 森田芳光 
□原作 山本周五郎(「日日平安」ハルキ文庫刊)
□脚本 菊島隆三・小国英雄・黒澤明
□キャスト   織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、鈴木杏、中村玉緒、佐々木蔵之介、村川絵梨

■鑑賞日 12月2日(日)
■劇場 109CINEMAS川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 黒澤オリジナル版を観ているだけに、比較してはいけないと思いながら、それでもやはりキャストの構成は気になるところだったが、ま、室戸にトヨエツをもってきたところは正解かな。

 森田監督風味付けはどのようなものか、お手並み拝見と言ったところだったが、やはり三船敏郎の計算された自由奔放さや剛健なところを引き出す術はなかったようだ。 もっとも織田クンにそれを望むのは間違いで、そこのところは吉本風味な味付けで、三船敏郎の役者としての随所で笑わせる(本人はそうは思っていなかったようだが)ナチュラルな“笑い”とは別の、『
サウスバウンド』のトヨエツ、『間宮兄弟』の佐々木蔵之介、(すでに森田組なのか、彼らは)本当にナチュラルな中村玉緒でカバーするしかなかったようだ(笑)

 織田クンは黒澤監督の作品を観て、三船敏郎の演技をきっと観たんだろうなぁ・・・。 三船の椿三十郎など意識せず、織田三十郎を創ってほしかったなぁ・・・。 一番引っかかったのは、三船敏郎のあの独特の低音で篭ったような渋い声を織田クンが無理やり出そうとしていることだ。 別に三船敏郎の声や仕草は気にすることがないのに(笑) そんなものを少なくても織田クンファンは観たいと思っていないし、黒澤監督作品ファンだって観たいとは思ってない。

 押入れ侍の木村(佐々木蔵之介)は捕われの身ながら、若侍たちでは持たない“間”を『間宮兄弟』よろしく引率していたのが面白かった。 ただラストでも触れられず彼の存在はどこに行ったのか・・・。 あのままほったらかしはないでしょ、森田監督(笑)

 玉緒さんは自分の“間”だろうけど、杏ちゃんは間延びしていたなぁ(笑) 
で、松山ケンイチくんはなかなか若手カメレオン役者として、この作品でも顕著でしたねぇ~ おトボケ風味はオリジナルもそうだったけど、特にこの特徴のない若侍の中では抜きん出ていた。 彼、2枚目半がなかなかいいんじゃないかなぁ~

 最後に登場した初代家老の睦田(藤田まこと) 、確かに途中で玉緒さんが話の中でヒントを与えていたが、「顔の長さを馬と比べると、馬の方が丸い顔」と(笑)。 森田監督、“あたり前田のクラッカー”・・・やっぱり「てなもんや三度笠」、観てたんですね~
  

 

 ≪オリジナルとのキャスト比較≫

織田裕二  椿三十郎  三船敏郎
豊川悦司  室戸半兵衛  仲代達矢
松山ケンイチ  井坂伊織  加山雄三
鈴木杏  千鳥  団令子
村川絵梨  腰元こいそ  樋口年子
佐々木蔵之介  木村 ○×△□☆        
林剛史  寺田文治  平田昭彦
一太郎  保川邦衛  田中邦衛
粕谷吉洋  河原晋  太刀川寛
富川一人  守島隼人  久保明
戸谷公人  守島広之進  波里達彦
鈴木亮平  関口信吾  江原達怡
小林裕吉  八田覚蔵  松井鍵三
中山卓也  広瀬俊平  土屋嘉男
風間杜夫  竹林(国許用人) 藤原釜足
西岡徳馬  菊井(大目付) 清水将夫
小林稔侍  黒藤(次席家老) 志村喬
中村玉緒  睦田夫人  入江たか子
藤田まこと  睦田(初代家老) 伊藤雄之助



ま、余談になりますが、オリジナルのキャストをこうやって
見てみるると、加山雄三や田中邦衛、江原達怡などが出ていて、
何か若大将シリーズの前哨戦みたいなところがあったんだなぁ・・・。
これで澄ちゃん(星由里子)がいたら、パーフェクトかな(笑)


 


コメント (18)    この記事についてブログを書く
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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
木村 (たいむ)
2007-12-08 15:19:57
こんにちは。
>あのままほったらかしはないでしょ、森田監督(笑)
木村がその後どうなったか気になりますよねー

思いのほか・・・という評価が多いようですね。私もそのひとりですけど(^^)
おひさしぶりでーす! (mmeirin)
2007-12-09 10:08:06
いつもそっとTBありがとうございま~す!
相変わらず濃厚な映画の記事が楽しいです(^^)
オリジナルキャストとの比較すごい!
面白く拝見しました。
私も目の前に映画館ができてジャンルを問わず
映画を観ています~。
ストレートに~ (cyaz)
2007-12-09 17:44:03
たいむさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>木村がその後どうなったか気になりますよねー
ホント、そうですよね(笑)?

>思いのほか・・・という評価が多いようですね。私もそのひとりですけど(^^)
小細工なしにストレート織田三十郎見たかったです^^
映画環境~ (cyaz)
2007-12-09 17:46:14
mmeirinさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>相変わらず濃厚な映画の記事が楽しいです(^^)
オリジナルキャストとの比較すごい!面白く拝見しました。私も目の前に映画館ができてジャンルを問わず
映画を観ています~。
濃厚ですか(笑)?
目の前に映画館って凄いですね~♪
映画環境が整ったんですからどんどん観て感想聞かせて下さいね~
TBとコメントありがとうございました (くまんちゅう)
2007-12-09 21:43:10
それなりに楽しめましたが、やはり織田君は意識しすぎな印象が強かったですね。
脇役が光ってただけに主役の違和感が気になってしました。
押入れ侍が出てくる度に館内爆笑でした。
自由に~ (cyaz)
2007-12-09 22:32:19
くまんちゅうさん、コメントありがとうございますm(__)m

>それなりに楽しめましたが、やはり織田君は意識しすぎな印象が強かったですね。脇役が光ってただけに主役の違和感が気になってしました。
そうですね^^ もっと彼に自由にやらせれば良かったですね。

>押入れ侍が出てくる度に館内爆笑でした。
あれは正解だったかも(笑)
こんばんは♪ (くろねこ)
2007-12-09 23:53:15
ヒント出されながらも最後まで初代家老(藤田まこと)が誰かな?ってワクワクしました(笑)
勧善懲悪な時代劇の中でこのなんとも憎めない悪者達はありえない設定だったでしょうね♪
芸達者な脇に固められた、笑顔が可愛い「織田の椿三十郎」ハクはないけど華はあったと思います(笑)
満足~ (cyaz)
2007-12-10 17:34:29
くろねこさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ヒント出されながらも最後まで初代家老(藤田まこと)が誰かな?ってワクワクしました(笑)
結構、玉緒さんのセリフがヒントになりましたよ^^

>芸達者な脇に固められた、笑顔が可愛い「織田の椿三十郎」ハクはないけど華はあったと思います(笑)
織田クン好きですか^^
うちのかみさんもそういう面では満足してたのかも(笑)
こんばんは。 (ジョー)
2007-12-10 22:33:50
森田監督って、
てなもんや三度笠の世代だったんですね。
ということは、もうベテランもいいとこ。
その割りに映画は、お茶目。
これからも期待したいですね。

トラックバック、感謝です。 (冨田弘嗣)
2007-12-10 22:43:23
 ほとんど私のプログにトラックバックしていただくことがなくなった今、cyazさんは希少です。とても感謝しています。
 オリジナルの配役の比較を見させていただくと、本当に今は「映画俳優」がいないですね。もし、七人の侍を作るとしたら、7人、集まるかどうか・・・。イケメンばかりでは作ることのできない時代劇を作ってきた黒澤監督の開眼的な本作。時代劇初監督の森田監督が少しだけかわいそうな気もします。それにしても、東宝は、昨年に続いて、お正月はリメイク?と、ちょっと忸怩たるものを感じます。  冨田弘嗣

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