
□作品オフィシャルサイト 「60歳のラブレター」
□監督 深川栄洋
□脚本 古沢良太
□キャスト 中村雅俊、原田美枝子、井上順、戸田恵子、イッセー尾形、綾戸智恵、
星野真里、内田朝陽、金澤美穂、佐藤慶、原沙知絵、石黒賢
■鑑賞日 6月28日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
遅ればせながら、今頃になってやっと観ることが出来ました。 理由はかみさんのお母さんがこの映画を
観たいと言うことで、先に二人で観ていたので、かみさんが2度目になるため少し遅らせました。
その2度目にまたもかみさんは涙していました。
定年を迎えた夫婦なんて想像は出来ないけれど、いわゆる世間でいう熟年離婚の大きな引き金と
なるのがダンナの“定年”と言うことは非常に多い要因となっている。 そんな中で、一夫婦は
ダンナの浮気や子供の問題、一夫婦は子供もいなくダンナの糖尿病の改善に嫌々ながらウォーキングに
付き合うが、実は奥さんの方が大きな病気を発見することになる。
一流会社を定年退職し、浮気相手の経営する会社に再就職するも、個人ではなく対会社ありきの
現実を知り、自分の力のなさを浮き彫りにされる。 様々に、それでいて妙に細かく表現されている
この映画にはたくさんの伏線が折り重なっていて、それが最後まで効果的にストーリーに絡んでくる。
まさにしっかりした古沢良太の脚本のうえに成り立った映画だ。
特に心惹かれたのは、ウォーキング途中にショーケースにディスプレーされたギター「マーチンD-28」。
ギター青年だったら誰でも一度は憧れるギターである。 実は僕もそうだった(でも結局ギブソンのダブを
買ったのだが)。 ダンナがウォーキング途中に毎回足を止めて見ているその姿に、奥さんが黙って
プレゼントしたところ(しかもそこの店主役が鈴木慶一だったのもいい)。 その気持ちに奥さんの手術後、
徹夜で奥さんが好きだったビートルズ「ミッシェル」を引き続ける。 僕も好きな曲だし、指が弦で切れて
血が出そうになるまで弾いている様は泣けてきた。 手術を受ける直前に僅かな時間ながら二人で
手をつないで行くところも泣けたなぁ。
オチとなる60歳のラブレターは出会った頃の奥さんへのメッセージへの返事。
あのラベンダーの絵はまさに『幸せの黄色いハンカチ』を髣髴とさせた。
中村雅俊がこういう役に挑むのも等身大とは言え、ある意味青春スターだった頃の面影もなく、
むしろ悲哀さえ感じるところだったし、僕の中では長髪でベルボトムのジーンズを穿いてゲタで歩く姿が
重なった(そしてエンディングに脚本家の鎌田敏夫の短いまとめのメッセージが・・・by 「俺たちの旅」のイメージ)。
イッセー尾形の錆びた感じの演技もいいし、綾戸智恵が映画とはいえ、実際に髪の毛を剃って
10円ハゲにしたところはむしろ他の役者にはないミュージシャン魂を感じた。
そうそう久しぶりに見た佐藤慶さんはやはり“技あり”だなぁ(笑)
中村雅俊も奥さん役の原田美枝子も良くないわけではないけど、ふと脳裏を過ぎったのは、
渡辺謙&樋口可南子が夫婦役で出てた『明日の記憶』だったり、役所広司&今井美樹が夫婦役
だった『象の背中』だったりして。 井上順と戸田恵子の恋愛は特に織り込む必要もなかったような気も
したのだが(但し、恋愛ベタのオヤジに変わり彼女に宛てた娘の英語の手紙は良かったが)。
まだ定年までには時間があるが、自分に置き換えて考えることが多かったこの映画。
その時期が来たときに自分たち夫婦はどうしているのだろうか・・・。
週末に飲んで帰る電車の中で、時々計ったように会う老夫婦がいる。 いつも仲良く座って
二人とも手に決まって350ミリ缶のスーパードライを飲んでいる。 その昔、チャーミーグリーンの
CMの老夫婦が凄く可愛くチャーミングだったことを思い出したりして。
これからも、何の贅沢もさせてあげられないけれど、いつも一緒にあちこち出掛け、そして
その頃も一緒に仲良く飲んでいることは想像ができる未来だが(笑)
映画を観たあと、急に雨が降り出した。 その度に傘ばかり増える我が家なのだが、
この日は小雨だったので安い携帯用の折りたたみ傘を買った。 そして相合傘で歩き出そうとして、
濡れないようにとかみさんの肩に手を回して引き寄せたとき、少しだけドキドキした
そんな些細なドキドキ感を一杯貯めて年を取りたい・・・。 なんてね(笑)
映画感想のブログからもお返ししました。
綾戸智恵とイッセー尾形夫婦はよかったですね。
現実なら病室であれは迷惑でしょうが、
それを超えた感動シーンでした。
でも中村雅俊、原田美枝子夫婦の結末は不満でした。
cayzさんご夫婦は、素敵に年齢を重ねていかれるのでは・・と勝手に想像しますわ。
うちは、それぞれが好きなことしながら、勝手に年を重ねていくと思います。
>綾戸智恵とイッセー尾形夫婦はよかったですね。
現実なら病室であれは迷惑でしょうが、それを超えた感動シーンでした。
そうですね(笑) ツマミ出されますね(笑)
ま、そこは映画ということで^^
>でも中村雅俊、原田美枝子夫婦の結末は不満でした。
なるほど^^
>中村雅俊は、これで日本中のおばさんを敵に回したのではと推察します。
ま、そのまえに実生活で息子の事件が(汗)
>cyazさんご夫婦は、素敵に年齢を重ねていかれるのでは・・と勝手に想像しますわ。
あはは、そうでもなくて(大汗)
>うちは、それぞれが好きなことしながら、勝手に年を重ねていくと思います。
またまた、鋭く生きていかれる方だと想像します^^