【2022/6/23撮影】
長野県・小布施町にある岩松院本堂天井絵「鳳凰図」。
通称は「八方睨み鳳凰図」で、北斎の生涯最大規模の作品。
「大鳳凰図転生物語」と題し、
この間口6.3m、奥行5.5mの「鳳凰図」を
最新のデジタル技術を駆使し、300億画素の実物大で再現した。
調査の様子やスキャンのプロセス等は映像で鑑賞出来た。
そのプロセスは緻密・繊細以外の何物でもない。
そのうえで、天井絵の周囲の背景部分は下塗りに近い状態で仕上り、
おそらくこの天井絵は、その部分に金箔を塗る予定であり、
実は未完成だったことが推測されるようだ。
もし完成していたら、さらに豪華な天井画として完成していただろう。
以前、そごう美術館で開催された「ゴッホと文化財」でも話したが、
経年劣化していく貴重な文化財等が、最新の技術を使って再現していくことは、
ある意味国家的プロジェクトであっていいはず。
莫大な予算をドブに捨てるような金があるなら、
文化財保護を少しは優先してもらいたいと真剣に感じた次第。