キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ブーリーにてⅡ

2012年10月21日 | Weblog
先ほどマコン、モルゴンから帰ってきた。フランスも三日目になり少しは時差に慣れたが、基本的に時差には弱いので不調である。とはいえ仕事であるので5時に起き、メールをチェックして9時半にはマコンに向かってブーリーを出発した。日本は週末で皆休んでいるのにね。

今回のボージョレ地区の予定は無駄が多く、今日マコン、モルゴンまで行き、ボージョレ最南端のブーリーに戻り、明日またモルゴンへ行き、明後日の朝ブーリーに戻り、また北上することになっている。実にばかばかしい話だが、サプライヤーの都合があって変えられない。


それでも今日は、このばかばかしい予定通りマコンへ行って、思いもかけない良いメーカーと巡り会ったので、一瞬時差もぶっ飛んだ。マコンのシャルドネは、酸が立ってどうも日本人には向かない様な気がして取り扱いを避けていたが、このメーカーのものはアタックが柔らかく、酸が綺麗に通っていて、複雑さと厚みを感じるワインであった。サンヴェランを飲んだときには、軽い樽の風味が良いなと思ったが、樽は使っておらず、ミネラルがこの風味をかもし出していたようで驚いた。



ヴァンサンが紹介してくれるところは何処も素晴らしい。食い物飲み物の好みをすっかり把握している。いっそ彼をうちの契約社員として、この地区のワイン探しに専念してもらおうか。

その後、この地区のコーポラティヴで食事をして、試飲をさせてもらい、モルゴンのビオの造り手のところで試飲をし、ブーリーのコーポラティヴで試飲をして帰ってきたが、多様なワインの試飲が出来、実に有意義な一日であった。でも無駄な大移動であった。






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ブーリーにて

2012年10月20日 | Weblog
昨夜からブーリーのドメーヌ・カレに来ている。CDGから朝一のリヨン便でリヨン空港に降り立ち、待っていてくれたヴァンサンとその愛人のホイットニーに逢った。此処からだとジュラまで一時間半で行けるから、疲れてなければこのままジュラに行こうということになり、かねてより行ってみたいと思っていたジュラへ向かった。



10年ほど前に、一度ジュラのシャルドネを輸入したが、当時はあの独特な風味を理解してくれる人が少なく、ほとんど売れなかった。しかし、この地の名産であるヴァンジョーヌは一度その味わいを知った人なら必ずまた飲みたくなるワインで、売れ残ったワインを1ケース買取り、数年に渡り大切に賞味した。あのワインはシャルドネ100%であったのか、サヴァニヤンが多少入っていたのか、今となっては分からないが、ヴァンジョーヌに感じられるのと同じ風味を持っていたので、きっと少し入っていたのではないかと思っている。





さて、この疑問を解くために、そのドメーヌへ行きたかったのだが、この日ジュラで仕入れた情報を総合すると、オーナーはアルコール中毒になり、奥さんに逃げられ、家屋敷畑を売って、今ではアルコールの害について国中を説いて回る啓蒙活動をしているそうだ。最初に訪れたドメーヌは、彼から畑を買い取ったそうで、彼の家はそこの近所だったらしい。思い続けた疑問は氷解しないままになったが、それも楽しい。

ジュラでは3軒のメーカーを訪れ、試飲をさせていただいたが、ジュラのワインの基本的なことは理解できたと思う。もう少し詳しく書きたいが、今日はこれからヴィレ・クレッセに向かうことになっているので、落ち着いたところで再度書きたい。
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エールフランスにもの申す

2012年10月18日 | Weblog
今日はこれからフランスへ出張だが、一昨日エールフランスから予約した便の出発が遅れるとの連絡があった。突発事故ならともかく三日も前から遅れるなんてのは冗談じゃないぜ、人をなめるのにも程がある、パリからリヨンへの接続便が無く、予定が全部狂ってしまう。東京パリ間はエールフランスのドル箱路線のはずだ、多少無体なことをやってもアホな日本人は憧れのパリへ飛び続けるとでも思っているのだろうか。奢れるもの久しからずだ。

ワインに関しては、既にフランスの比率は大きく下がってきている。御仏蘭西に対する憧憬は、事ワインについては既に過去の話だ。アグリでも4年前までは65%あったフランスワインの比率が28%まで下がった。そのうち観光客の行き先も、ヨーロッパではスペインやイタリア、またチリ、アルゼンチンワインの活躍同様、南米にお客を取られてしまうんじゃないか。うちの娘なども、ローティーンの頃はパリ、ボルドーへと嬉々として遊んだが、二十歳になった今では東南アジア諸国やメキシコからグアテマラ、キューバへと出かけている。

話は元へ戻るが、今日はパリ時間の21:00過ぎにCDGへ到着予定、付近のホテルへ一泊して、翌日の一便でリヨンへ向かうことになる。急な予定変更で、リヨンで待っていてくれるドメーヌ・カレのヴァンサンにも迷惑をかけてしまうのが気の毒だ。今年は雹の害で畑が全滅し、ボージョレ・ヌーボーはおろかボージョレ一本も造れない悲劇的な状況になっている。それでも過去5年間ドメーヌを訪れ、試飲をしてはブレンド比率を決め、共同でアグリ仕様のボージョレ・ヌーボーを造ってきたので、ぜひとも今年も逢いたいとのこと。荒廃した彼の畑を見た後に、北部ボージョレとジュラの生産者を一緒に訪れることになっている。

誠実で善良な造り手に逢うと、そのワインの良さを日本に紹介して、どうにか売ってやらなけりゃと思うが、エールフランスの驕りには腹が立つ。大会社の横暴はフランスに限る訳ではないが、盛りのときにこそ細やかな気配りが必要だ。同じようなことを700年も前に、吉田兼好が徒然草で書いていたなあ。700年かけて改まらないことは、今後も改まる事は無いだろうね。

さて、外は雨、旅立ちには嫌な天気だ、傘を差しながらスーツケースを引っ張るのが厄介なだけなんですがね。






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鮨、天麩羅、焼鳥

2012年10月17日 | Weblog
18日からフランスで当分鮨が喰えないので、今週はせっせと鮨屋に通っている。月曜日は駒でチラシを喰った。烏賊、帆立、蛸、小肌、鮪が錦糸玉子、椎茸、干瓢、酢蓮、そぼろが乗った酢飯の脇についているスタイル。井桁のチラシとは趣が異なる。

この日も例のごとく芳林へ向かい、もう何度もチェックした文庫と新書の新刊コーナーを飽きずに眺める。そうすると見落とした本が見つかることがある。この日は岩下尚史「名妓の夜咄」文春文庫を購入、岩下さんは新橋演舞場に長く勤めておられた方で、あずま踊りの企画をなさっていて、芸者を裏側から眺めてその様子を書いた二冊目の本だ。

名妓となると男を見る目も確かで、そんな年増に睨まれたら、器の小ささを身体のでかさで誤魔化している私などは、ひとたまりもなく小物であることを見抜かれる。実に怖い。まあ、ちょっと前までの銀座のホステスにも同じような鋭い女がいたから、男は何時も目利きの女に値踏みされているわけだ。山本夏彦に拠れば、花魁が芸者に代わり、戦後はホステスにその役割が変ったとのことだから、当然そういうことになるだろう。

しかし、今は芸者の数が激減しており、このような形で記録しておかないと芸者の文化が分からなくなってしまう。一時期とはいえ隆盛を極めた文化に物事の本質が隠されている、「名妓の夜咄」からそういったことを読み解くことが出来るだろうか。

火曜日昼、ヒレブラントのボーヌから極東の担当者がお見えになった。毎年一度この時期に日本かフランスでお会いしているが、かれこれ8年くらいになる。仕事とはいえ義理堅いことだ。鮨屋へ行きたいところであったが、総勢5名で高額になるので天麩羅屋にした。この三週間ばかり夜は誰かと会食していたのでカロリー過多、揚げ物は喰いたくなかったが、美味い天麩羅もフランスでは喰えないからよしとしよう。

夕刻、イタリアからチェビコのCEOと輸出部長がやってきた。エミーリア・ロマーニャ州の産物を提供するワインバー・トティデの話も大詰めを迎え、いよいよ出店の準備が整った。近所の焼鳥人気店「鶏炎」を随分前から予約しておいたので、久し振りに団子を喰った。酒は好みの刈穂をひやでいただいた。天麩羅に焼鳥ではさすがに参った。ここの輸出部長は鮨が喰えず焼鳥が大好き、これさえ喰わしておけば機嫌がよく、それでも先回「鳥伊勢」で喰わしたら美味いので大感激した。多少は味が分かるのかもしれない。更に、違うスタイルの美味い焼鳥を喰わして喜ばせようとの作戦だが、作戦はずに当たった。しかし、果たして喜んでもらって何か有利になるのだろうか。

エリゼ宮の饗応は先ずは食い物飲み物に始まり、フォーマルだとここで終わるが、インフォーマルだと次に女となる。日本において芸者の役割も同じところのあり、洋の東西で人の欲望をつく作戦というものは同じ形を取るようだ。焼鳥だけ喰わして何か期待するほうが甘いのか。










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アンリ・ダヌレ04,05,06+

2012年10月16日 | Weblog
先週金曜日の夕刻アンリ・ダヌレ・クロ・リシュモン04,05,06の試飲をした。今日の書き出しはちょっとワイン業者らしいですね。この試飲は10月26日に仙台国際ホテルで行われるカメイグループの試飲会に、どのヴィンテージを出すかの重要な試飲であった。

ここのメーカーには2007年にお邪魔して、セラーで主要ワインのポマールなど赤ワインを試飲させていただいた。しかし赤ワインはあまりにも強く、飲めるまでに10年以上は掛かると諦め、赤ワインと共に試飲させていただいた、厚みのある印象的なムルソーを買うことにして、クロ・リシュモンの畑に連れて行ってもらった。高台にある狭い畑で、いかにも特殊なワインが出来そうな立地であった。

帰国後04,05,06をある程度購入して、セラーリングしており、二年ほど前から04が飲み頃になり、二年前、札幌の鮨たなべで開けたときは絶品であった。その状態が数年は続くと思って楽しみにしていたが、夏前に倉敷の料理屋で開けたら褐色に変色して飲めず、先月、北新地のクラブで開けた時にも飲めるには飲めたが失望した。その後社内で試飲したときも、またこの日も果実味が感じられず、落ちたのか閉じているのか分からない薄ぼんやりしたワインであった。

05はかなり強いワインで、まだまだピークは先のような感じがした。果実の濃縮もあり、樽の風味もまだバランスされていない。今、販売するのはやめて置くことにした。後数年したら、バターのような粘度と官能的な味わいがでてくるかも知れない。期待しよう。

06は軽くてチャーミングなワインで、既に飲み頃になっていると思われる。売るならこれだと試飲参加者の意見が一致した。11,000円で販売される。秋の日の午後、チーズか何か摘みながら夕方までかけて1本開けたい。良い午後になるだろうな。

この日ついでにヴュルツブュルガー・ファッフェンベルグBA1999を試飲したが、チョコレートケーキなどにはぴったりだと思った。既に色合いは褐色になっていて、香も味わいも充分発展していたが、TBAに期待される貴腐からの風味がないのがやっぱり物足りない。それでもハーフボトルで5,400円は安い。





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金木犀開花

2012年10月15日 | Weblog
週末に買った本、土曜日平塚BOで、柄谷行人「反文学論」講談社学術文庫1991年1刷1992年3刷、パラパラっとめくったところに川崎長太郎の名前があったので直ぐに買うことに決めた。近頃あまり見かけないが、やはり郷土の作家に愛着がある。

向田邦子「シナリオ集1あ・う・ん」岩波現代文庫2009年、1980年にテレビ放送され、小説は1981年に単行本として発売されたのだと記憶する。横浜の今の会社の前身に就職して、一年間のハワイ駐在から帰って来て、ガールフレンドから、あうんのようになろうねと言われたのが印象深い。当時、阿吽の呼吸という言葉は知っていたが、阿吽が狛犬の名前だとは知らなかった。そのためか、ガールフレンドとは右と左に分かれたままになった。その頃、向田邦子はオバサン臭く感じ、興味が無く読まなかった。年を取ってからその良さが分かってきたが、かろうじて同時代に読むことが出来たのに惜しいことをした。3年前にこのシリーズが出た時に買おうかと思ったが、シリーズを揃えると6,000円以上になり高いので止めた。小説で読めば600円ですむ。

日曜日、藤沢有隣堂古書コーナーで平岡正明「戦後事件ファイナル」マガジン・ファイブ2006年、この人の本は読んでみたいのが多いが、高くていけない。もっとやすくすりゃあ読む人が増えるのにと思っていたら亡くなってしまわれた。そろそろ文庫化されないものか。

また今日から仕事だ、木曜にはフランスに行き今月いっぱい帰ってこないので、この三日間は忙しい。庭の金木犀が咲いて薫りを漂わせている。湘南一体の開花が例年より10日から2週間遅れたが、秋が来るのが遅かったのだろうか、それなら帰ってくるまでゆっくりと秋が深まることを願う。いい季節になった。






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スペインのちフランス

2012年10月14日 | Weblog
金曜日に久し振りに鮨を喰ったつもりでいたが、先週二回目だった。ダニエルは良いやつなんだが、偏食があり魚と野菜を喰わない。肉ばかり喰っているので、付き合っていると嫌になってくる。

木曜の夜は、浅草で和洋食屋へ行き、メンチカツ、オムレツ、鶏のチーズ焼きを食ってご機嫌だった。もちろん付け合せの千切りキャベツ、ポテトサラダの類は喰わないから、横からいただくことになる。料理にも箸を出したが、親方が進めるだけあって実に美味かった。酒はキンミヤの炭酸割りがメインのようでそれをいただいた。他に鮪、鰹の刺身、鯛の干物があり肴にした。

吉原の近い民家の路地にあり、近所の人しか来ない隠れた名店であった。そんなところを何故知ったかというと、先回知人と浅草に来たときに、その方の旧知のバーにより、そこのオーナーからひそかに勧められた。生憎その日が定休でこの日の訪店となった。

話が横にそれたが、久し振りに感じた鮨は豪華絢爛だった。鮪赤身、中トロ、鯵、平目、煮帆立、煮穴子、蛸、海老、蟹、玉子焼、蒲鉾、絹さや、山牛蒡、生姜が入っていて、贅沢な気分を味わった。鮨は一週間で三回くらいまでなら飽きない、蕎麦も然り、ラーメンも大丈夫だが中華となるといけない。

さて鮨の後は芳林堂で本を眺めた。途中館内放送で「地震が発生しました、落下物の危険がないところへ移動してください、エレベーター、エスカレータの使用はしないでください」と二三度繰り返した。書店のぶら下げ物がゆらゆらと揺れていたが、棚から本が落ちるようなことはなかった。3.11を思い出して、一瞬嫌な感じがした。

筒井清忠「昭和戦前の政党政治」ちくま新書が出ていたので買った。筒井さんのものは見かけると買うようにしているが、2.26や近衛文麿などの著書があるが、最初に読んだ西条八十のが断然面白かった。

もう一冊、鷲田精一「人はなぜ服をきるのか」ちくま文庫を買った。この人のものは少し持っているがほとんど娘に行っている。どうせ積読本になるなら、娘にやって内容をかいつまんで話してもらうほうが良いかもしれない。積読本がこう溜まっては、どなたか興味のある人に差し上げて感想を聞いたほうが現実的だ。

湘南は今朝曇りだが、18日から二週間のフランス出張に持ってゆくものを揃えなければいけない。買い揃えなければいけないものもあり、午後は茅ヶ崎あたりに買い物に行こう。







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ダニエル国へ帰る

2012年10月13日 | Weblog
スペインの経済状況が悪いのは、今までミキハウスで子供服を買っていたダニエルが、どこで名前を知ったのか、赤ちゃん本舗に行きたいと言い出したことでも分かる。スペインはもう倒産寸前で、品質が劣っていても価格が安いものを買わなきゃいけないと、本気だか冗談だか分からないようなことまで話していた。実際、川崎の赤ちゃん本舗で大量に子供服と用品を買い込み、帰国前に宿泊する関空の日航ホテルへ送ったらしい。メンバーカードを楽しげに見せてもいた。どうも本気のようだ。

11日の午後蔵前のリバーフロントのスペインレストランで行ったセミナーと試飲会は盛況であった。ピンチョスとタパスが美味く、日本のスペインフードのレベルも高いなあと感心した。スペインで修業して帰ってきた若い料理人が昔と比べて格段に増えているのだろう。造り手ばかりではなく、食べるほうのレベルも上がって相乗的に良い方向に向かっているようだ。

ワインを売るのは難しい。ヘクラのような黒ブドウの栽培に適したところでは、完熟した濃厚な果実が得られ、濃いワインを造ることに大きな努力はいらない。となると、如何にバランスが良く味わい深いものを造るかが課題になり、その方向に対して世間の評価が高ければ、造り手はおのずからその方向に技量が上がるが、世界の評価はいまだ濃厚さによるところが多い。消費者も頭の中では濃いワインが良いワインと考え、身体は繊細で味わいのあるものを喜ぶ。

日本のスパニッシュフードのレベルが高くなっているというのは、繊細さを求めるお客の要望を満たしているわけで、それに合わせるワインがただ単にドスンと濃いだけでは合わなくなってゆく。カスターニョの良いところは、10年来繊細さと味わいが日本におけるワインの勝利者になることを説き続けた事で、この部分の理解が他のスペインワインメーカーよりあるということだ。頭でっかちの市場が身体優先の市場に変りつつある今、皆さんの身体に直接訴えることが出来れば勝利の女神は我々に振り向く、さてその方法は如何に。







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ボデガス・カスターニョ

2012年10月12日 | Weblog
横浜にダニエルがやってきて、打ち合わせをしてから鳥伊勢で焼鳥と大関樽の燗を飲み、らんぷでマンハッタンを飲んだ。ダニエルに拠れば、スペインの経済の破綻は深刻で、収穫期に農家からブドウを買うための資金融資が行われないとのこと。自社畑の500haに加えて、代々ブドウを買い入れをしている農家400ha分の買取りに齟齬が生じている。資金の問題に加えて、今年のヨーロッパの収穫量は例年の60%程度ではないかといわれており、これはスペイン、イタリア、フランス共に同じ状況で、バルクワインの価格も高騰している。値上げの影響は年が明けた2013年から顕著になるだろう。売りにくくなるし、利益も出ない悪い状況が目の前に見えている。さて、この苦境をどう乗り切るかだ。

バルクワインの価格は60%から80%程度上がっているが、現在ハードマテリアルの値下げあるいは現状維持のために、そのサプライヤーに対して交渉を重ねているところらしい。2013年度輸出価格の上昇を10%以内に納めたいのは、サプライヤーにとってもバイヤーにとっても共通の課題で、値上げ幅が大きければ販売量が減ることが目に見えているし、値上げ幅が少なすぎれば利益が逼迫してしまう。仮に2013年の収穫量が平年並になれば、2014年に価格は一気に暴落してしまう事になる。

ボデガス・カスターニョというブランドを維持してゆくためには、短期的な目先の利益のみにこだわり、販売価格を乱高下してはならない。如何なる場合でも、継続的に高品質と価格を維持してゆくことが最も重要なことだ。カスターニョもアグリも価格維持に対する損失を応分に負担して、向こう一年間やせ我慢をすることで、その後の大きな実りを得ることになるだろう。パートナーシップとはそういうものだ。



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秋たけなわ

2012年10月11日 | Weblog
昨日は午前中ボージョレ・ヌーボー・パーティーの打ち合わせをした。11月15日(木)の解禁日に横浜産貿ホールで17:00から行う。今年は500人の参加を想定しているので綿密に打ち合わせと準備が必要だ。ジャン・フィリップ・マルシャンのボージュレ・ヴィラージュ・ヌーボーを樽から飲み放題で、750mlの瓶詰めとワインにぴったりのおつまみが付いて4,000円は安い。毎年赤字になるが、18年前、近所の人たちに楽しんでもらうことを目的に始めたので仕方がない。収支がゼロになれば良しとしている。

昼に親不孝通りの「敦煌」に行って、牛肉野菜炒めと鶏肉豆腐を食べた。「敦煌」は以前中華街にあって、高菜そばと葱そばが絶品であったが、どうもそことは関係ないらしい。ネットでは人気がある店のようだが、悪くはないが大したこともなかった。

そのまま表通りの伊勢佐木町へ出てBOへ、庄野潤三「文学交遊録」新潮文庫 平成11年を買った。吉行淳之介、安岡章太郎、近藤啓太郎といった馴染みの作家の章があり、きっとそこから拾い読みするだろう。伊藤静雄、島尾敏雄、小沼丹などの名前が目次にある。人は知っていることに興味があって、それを読み、また知っているからこそ面白く理解も深まる。

秋の日輝く伊勢佐木町、吉田橋、馬車道と歩いた。10月の晴れた日の横浜は実に良い。横浜は公孫樹の印象が強いと思うが、伊勢佐木町からの通りは欅か鈴賭けだ。








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