キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

先端の返しの役割

2011年04月20日 | Weblog
昨夜は関内でイチエを利休庵と鳥伊勢に連れて行って会食をいたしましたが、結構遅くなり家にたどり着いたのが23時前でした。ベッドの横になって新聞を読んでいたらいつの間にか眠ってしまい、4時前に気がついて起きました。この頃は日に日に夜明けが早くなり、四時半には空が明るみ始め五時にはすっかり明るくなったところでお寺の鐘を聴きます。

昨夜の新聞の続きを読んでおりましたら、動物行動学の竹内久美子さんが“最後のオスのマナー 交尾は遅いもの勝ち”というのをみかけ、えっ、早い者勝ちじゃないのかと思いながら目を通しておりましたら、人類のオスの生殖器の先に返しが付いているのは、前に交尾したオスの精液を掻い出す役割があり、射精の前にスラストを何十回何百回繰り返すのは射精のためではなくこの目的のためだとありました。なるほど、鰓の張った雁首が珍重されるのはこのためであったのかと大いに納得した次第であります。

しかし、前のオスの精液を掻き出す必要がないと分かっている場合は、スラストを繰り返す必要も無く、この役立たずなどと謗られるいわれもない訳で、世の中原理原則通りにいかない事も多いようです。

今日はこれからイチエと名古屋でお客様周りをいたします。今、日本に来ているフランスのワインメーカーはイチエだけでしょうから、唯我独尊こんな効果的な販促活動はありません。白ワインが美味しくなるこれからの季節にタリケが爆発してくれるといいのですが。









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MOXと鯰

2011年04月19日 | Weblog
昨日はフランスからイチエがやってきて、予定通り千葉に本部を置くスーパーへと商談に向かいました。実際に顔を見るまでは逃亡するんじゃないかと思わせる緊張振りで、毎日の電話に悩まされたものですが、昼を食べて客先へ出かけるころには原発事故の恐怖にも馴れ、我々と同じ感覚で事故を眺めていたのかもしれません。しかしこういったことに馴れるのは危険です。昨夜の地震は体感できましたから、またもや今朝びびって無ければ良いと思います。原発のMOX燃料はフランス製ですが、鯰は純国産ですからね、あまり驚かしてはいけません。

せっかくやってきたので近所にあるミシュラン☆の店ででも今夜踊ってやろうかと昨日予約の電話を入れたら、瑞木、菅井ともに満席で予約が取れませんでした。業務店不況の中ミシュランの威光は輝いているようです。席が取れなかったのは残念ですが、景気のいい話が聴けて嬉しいじゃないですか、この調子で関内の街にお客が戻ってきてにぎやかになって欲しいですね。

昨夜はイチエの帰りが遅いので、一足先に失礼して茅ヶ崎の渚亭で独活と若布のぬた、鰹の刺身、豆ご飯をいただきました。いよいよ旬で実に美味かったですね。いまだ肝臓が癒えずサントリーオールゼロでいただきましたが、陽気が暖かくなってきたせいか、ノンアルコールビールの味わいになれたせいなのか、かなり満足いたしました。一夜明けた今朝の爽やかさも千金です。
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東日本大震災支援チャリティーワインセール

2011年04月18日 | Weblog
今日はフランスからタリケのイチエがやってきます。原発事故に大分びびっており、うるさい事をやいのやいのといってきましたが、それでもほとんどのフランス人が日本を見捨てて海外逃避した事を考えれば、この時期に来日するだけでも立派な事です。フランス政府は3号機のMOX燃料を日本に売りつけているので、その毒性を十分知っていて自国民を国外退避させるのに躊躇が無かったですね。

さて今日から来日したイチエとともに、東日本大震災支援のチャリティーワインセールを行いますので、趣旨に賛同されるかたはぜひワインをお買い求めいただき、被災地へワインを届ける手助けをお願いしたいと思います。生活必需品もさることながら、人間ただ喰うために生きるにあらず、明日への活力は無駄な事から生まれることが多いはず、特に左党にとって一月以上断った後の一杯のワインは、ただ喉を潤すだけでなく、きっと心の奥底まで染み渡るはずです。


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最近買った書籍とその他の買い物

2011年04月17日 | Weblog
先週金曜日に芳林堂で延広真治「江戸落語」、田丸久美子「シモネッタの本能三昧イタリア紀行」、芳川良三「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」を買い求めました。落語本は迷わず買いますが、田丸さんのイタリアンシモネッタも、イタリア男の精力の絶倫に呆れながらも実に面白く、見かけると必ず買い求めます。サムスンは二流電機会社と思っていましたが、ここのところ日本は電機に限らず韓国にやられっぱなしなので、世界一の電機メーカーとなった秘訣について研究してみようと思いました。

昨日、午前中は農家が野菜を持ち寄る店まで出かけ、胡瓜、大根、葱、里芋、ホウレン草、柏餅、おはぎ、煮干ラーメン、鶏からスープラーメン、黒はんぺん、小田原さつま揚げを買い求めました。

午後は久し振りに茅ヶ崎まで行き、駅ビルの魚屋で青柳、帆立、鰯を求め、階上の川上書店で帯に“貞操観念なし”と謳ってある有澤真理「江戸の女と恋愛観」を、さらにイオンまで足を延ばしワインと酒の品揃えをチェック、酒は大手メーカーがずいぶん安く作っているんだなと感心しながら、階上のユニクロで五本指靴下を3足買い求めました。ここ数年は春夏秋冬5本指しか穿きませんが、カラフルな柄が無いのが残念です。

辻堂までの道すがら、開高健も通ったプレーンで、胡桃パンとノアレゾンを買いましたが、親方が体調不良で来月からは喫茶店になってしまうとのこと、残念です。辻堂駅から南西500メートルの古本屋で、永井龍男「東京の横丁」最近この人のものに興味ありあり、獅子文六「ちんちん電車」いやらしい電車の話ではありません、戸板康二「思い出す顔」文章が凄く私好みなんですね、を買い求めようやく一日の買い物を終えました。

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桜鯛

2011年04月16日 | Weblog
今朝の湘南は何だか薄ぼんやりした天気で冴えません。それでも数日前までの雨の予報が昨日から曇りに変わったので、化粧がまばらになった桜でも観ながらの散策が、足元を気にせずに出来ので良しといたしましょう。庭を観ると月桂樹の黄色の花が盛りです。これから6月までは樹木の花が咲きますので、地味な白が多いのですが緑に映えて中々いいものです。

昨日昼は月曜日に続き駒でちらしを食べましたが、鯛が実に美味かったです。奈良、福山でも鯛をいただき、帰りがけの小田原でも鯛を買い求めて家で食し、四度食したわけですが尚飽きません。桜の季節の旬を迎える鯛はピンク掛かった身に油が乗って照りが出て、透明感も増し見た目も実に綺麗です。今年は震災の影響があって、高級料亭の需要が落ちているので、この辺りのスーパーや魚屋に三重や長崎の天然物の丁度好い50センチ程のやつが驚くべき安い価格で並んでいます。見かけたら絶対に買い求め刺身にして食し、頭と中骨で潮汁を作って楽しむべきです。

気温が低ければ純米酒をぬる燗にして、気温が高ければ生酒なんぞを一緒にいただけたら、これはもう来年の春を待たずにこのまま儚くなってもいいやと思うくらいでして、何のために生きているのかがはっきりと実感できます。こんな機会はめったにありませんから、本日も散策のついでに茅ヶ崎の魚屋で一本買い求めようと思っています。







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ビール不足

2011年04月15日 | Weblog
昨夜旧知の北新地のママからチャリティーに使うので適当なワインが欲しいから送ってくれとの電話がありました。組合で東日本大地震のチャリティーが決まったらしく、役員をやっているので率先遂行したいとのこと、お客様の足は震災以来遠のいて厳しい状況が続いているとの事ですが、店の経営は自助努力でどうにかするとして支援をするという点に頭が下がります。

ワイン輸入業者としても、来週からチャリティーセールを始め、微力ながら支援が出来たらと考えておりますが、業務店の多くの方が厳しい状況になっていて、そこに対しても何らかの支援が必要と考えておりました。ママからの電話で、このような動きに対して協力して行くことが出来るなあと思いました。お客様に対してサーヴィスビールを一杯お出しして、お気持ちのある方から寄付をいただくとのアイディアが、折からのビール不足のためグラスワインに替わったそうです。輸入ワインはふんだんにあるので、ぜひこの機会に使って欲しいですね。








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奈良、倉敷、神戸

2011年04月14日 | Weblog
奈良、倉敷、神戸と旅に出ました。仕事でなければなかなか好い感じでしょ、なにせ三都市とも人気のスポットなんですから。今年は桜が遅く、奈良、倉敷についてはちょうど満開に当たり、思わぬ楽しみにありつき、倉敷では名産の桃の開花が重なりそれは艶やかでした。

今回はご無沙汰をしていた客先への表敬訪問と会食が重要な用件で、二ヶ月ばかり断っていた酒をいただくことになりましたが、体質が変わってしまったせいか、どうも飲んだ後気分が優れません。体の節々が痛くて怠いこの感じは加齢に拠ることは間違いなく、歳を取ってみないことには分からない不具合ですが、実に嫌なものです。

今日は神戸に向かっておりますが、仕事を済ませたら家に帰って風呂に浸かり、旅の疲れを流してゆっくり眠りたいものです。若い頃は風呂に入って寝る楽しみがこれほど魅力的だとは思いませんでしたが、ジジイになったらなったで新たな楽しみが出てくるもんですね。
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芸術作品と工芸品

2011年04月13日 | Weblog
既に3まで出ているので気が引けますが「岡本太郎の世界1」を読んでおりましたら、芸術と職人仕事についての違いがはっきりと書いてありました。考えてみれば真剣にそういったことを考えた事は無く、ま、好いものであればそれを味わえば良いじゃないかという気持ちでおりましたので、その違いが何となく分かっていたような気がするだけでしたね。
芸術とは常に新しくなければならない、仮にどんなに優れた漆職人が素晴らしい見事な漆器を作ったとしても、それは芸術とは何ら関係が無く、単なる優れた工芸品である。芸術作品には人を不安にさせる要素があるのは、既存の価値観を否定した新しい価値観の提示だからである。大いに納得いたしましたね。でも、仮に優れた職人が既存の技術で今までに無いような美しい工芸品を造った場合はどうなるのか、今までに無い美しさと言う点では新しいのではないか、しかし人を不安いさせることは無く、ただうっとりさせるだけのような気がいたします。

芸術的なワインとは一体どんなものか、既存の価値観や味覚を打ち破ったものである筈で、ひとくち口にすれば不安が広がる。人は慣れ親しんだものに安心するわけですから、長くやっているソムリエやワイン業者はそのワインについて高い評価はしないでしょう。例えばアルコール、酸、タンニンのいずれか、あるいは幾つかが特出していてバランスが悪く飲めたもんじゃないようなもの。

不安にさせるという点では福島原発は大いに不安をあおりますから、原子力発電が安全だといっているうちは工業製品で、コントロール不能になった今芸術作品に昇華したのでしょうか。人を不安にさせ何かを考えさせるという点では、芸術作品のような気がいたします。ワインの芸術品といったものにはお目にかかってみたいですが、原発の方はいつまでも出来の良い工業製品であってもらいたいですね。
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家族の終わり

2011年04月12日 | Weblog
浅田次郎さんは人気作家で多くのベストセラーを生み出しておられますが、実は一度も読んだ事がありません。こういった多くの人を惹きつける作家のものは、一度読んだら後を引いて結局全ての著作を読まなければ気がすまなくなる可能性が大で、それををひじょうに怖れております。司馬遼太郎さん、池波正太郎さん、宮部みゆきさん然りで、同じ理由で読まないようにしております。しかし、なるべく後を引かないような工夫で、随筆に限って読ませて頂いております。小説はストーリーがあって途中で止める事も出来ませんからね。

何時もの如く前置きが長くなりましたが、日曜日の夜に浅田次郎原作、降旗康男監督の「鉄道員」を観たのです。前にも何処かで観たと思うのですが、暗くて閉塞感があり、独特の臭いがどうも苦手で、映画館で観た可能性は無く、きっとヨーロッパへ行く飛行機の中で観たのだと思います。何せそれさえ思い出さないくらいですからストーリーも初めてのような気がいたし、大いに感激いたしました。鉄道一筋の男が死ぬ前に、死に際にも会えずに逝った妻のことなどを走馬灯のように思い出し、赤ん坊の頃に死んだ娘が大きくなって現れ、やはり死に際にも立ち会えなかった仕事一筋の父親を許す。娘を亡くし、妻にも先立たれ、一人仕事中に雪のホームで斃れ、大切に守ろうとした家族がそこで完全消滅する。一つの家族消滅の物語です。

駅前のだるま食堂へ養子に入った孤児、、鉄道員の同僚の息子などがこの先この家族の事を時に思い出してくれるでしょう。死んだ後に誰かがときに思い出してくれなきゃ寂しくて死に切れるもんじゃありません。主人公が親友のせんちゃんと二人、ストーブのお湯で酒を燗をして飲んでいるところは極寒の北海道でしかありえない風情で、実に美味そうでした。





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いい花見が出来ました

2011年04月11日 | Weblog
昨日は花見としては絶好の日和でした。湘南の桜は満開、お天気は花曇で時々日が差しました。抱えた酒は常きげん生原酒、気温が高くこいつをひやでやりました。酒を飲むのは久しぶりでして、五臓六腑に染み渡る比較的高いアルコール、醗酵が終わったばかりの果実のような香りが実にどうも春めいて、やや紫がかった満開の染井吉野の眺めとともに、桃源郷のような時空間でございました。

昨年より花見をしているこの場所は、常の場所とは大いに異なるのも当然、夏になると相模一円の神様が揃う聖なる山アジールです。何処にあるんだって、そんな事ここで書いたら、来年からは人が押し寄せる凡庸な場所になってしまいますし、神々の怒りをかう事必定、ひそかに楽しむ場所として秘密にしておいたほうがよさそうです。







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