キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

中秋の名月

2018年09月24日 | Weblog
朝5時に起きて佐高信・早野透「国権と民権」集英社新書を読了した。
一昨日酒を飲む前に大船で購入した本だが、 先週茅ヶ崎で買い損ねた本で、 昨日二日酔いで伏せていたにもかかわらず、読みたかった本なのでおおよそ読み終えていた。
早野は東大で丸山眞男の教えを受け、朝日新聞で政治記者をしていた人物だが、民権派の田中角栄についての優れた本を書いている。
同い年の佐高信は慶応大学出身だが、東大まで出かけて丸山真男の授業を受けている。

加藤紘一から始まり、田中秀征、田中角栄、山崎拓と辻元清美、小沢一郎、土井たか子など民権派の政治家について話し合っている。
小泉純一郎から始まり、安倍首相に繋がった国権派の政治についての批判は佐高信の最近の主張でもあるが、加藤の乱の失敗このかた、上からの政治の流れは先週安倍首相が総裁3選を果たしたことで止まる気配がないが、このままではこの先の日本が危うい。
小沢一郎、枝野幸男、志位和夫などにより野党勢力が纏まることで来年夏の参院選で何らかの変化があることを願いたい。
昨年秋の総選挙で小沢一郎と山口二郎が野党の結束を試みたが、佐高が嫌う松下政熟出身の前原誠司の器量のなさで失敗に終わっている。

昨日一に飲みすぎたための二日酔いと失くした携帯の対応で、昨日一日無駄に過ごしたが、夜、娘のところの庭で行われた月見の宴に参加し、昨年中之条であった女子二人と再会し近況を聴いた。
一人は伊豆高原で陶器の修業をしていて、猪口を二つ持って来てくれた。
10月半ばまでそこにいて、その後は佐賀県で陶器の学校に通うとのことだが、去年会った時には映像作家で、面白い作品を見せてもらったのだが、陶芸に興味を持ち、5年もすれば相応の陶芸家なっていることだろう。
若い人たちがキャリアを積んで育ってゆくのを観ているのは実に楽しいものだ。

一昨日は大船のBOで、渡辺修「オルテガ」清水書院 1996年、伊吹和子「われよりほかに 谷崎潤一郎最後の12年」1994年を買った。
オルテガは高校時代にも著名な思想家を何冊か買ってお世話になった「人と思想」シリーズの138で、西部邁を読みだしてから、保守主義の人達が必ず引用する思想家として、バーグ、チェスタトンなどがいるが、その内の一人だ。
それまで名前だけしか知らなかったので「大衆の反逆」を慌てて買ったが、日本では割と知られていない思想家だ。

息吹和子は谷崎の晩年手伝いをしたかたで、この本を見るまで知らなかったが、ちらっと流し読みした限り、きっちりとした文章でよかった。
調べてみるとこの本で講談社エッセイスト賞を取っており、2001年に講談社文芸文庫になっている。
講談社のお手盛りの感はあるが、著者は中央公論で編集をやっていたので、純粋に筆力を認められたのかも知れない。

一昨日は大船で十三夜、昨日は雲間に小望月を観た。
今日は朝から日が出てさわやかな秋晴れの一日になりそうだ、天気が崩れなければいよいよ中秋の満月が楽しめるだろう。

朝飯の後、娘のところへ珈琲を飲みに行く、今日は残った友達と三島の美術館へ行くとのことで出かけたが、昼過ぎに妻にメールが入り、肉が大量にあるので晩飯を食べに来ないかとの誘いがあったから、早めに帰ってくるのだろう。

プレシネは「シネマパラダイス」観たような気がするが、ストーリーは憶えていなかった。
映画好きの少年トトとシチリアの片田舎の映画館の上映技師アルフレードとの40年に渡る交友を描く物語。
トトは長じて映画監督になるが、幼いころに映画に狂い、それを観てくれていたアルフレードが居たことが幸せだった。
青年時代ヘレナと恋に落ちるが、兵役の間に音信不通になる。
青春の苦い思い出と愛する映画で成功した人生を描いているが、この映画には帰郷して老いたエレナに会うヴァージョンがあるが、きっと今回観たショートヴァージョンのほうが出来がいいと思う。
観たい展開を余韻として残しておくほうが物語に厚みが出るし、昔の女に逢って失望しないことはまず無いから、お話の中だとしても止めておくべきだと思う。


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