キュヴェ タカ/cuvee taka 「椿庵酔哲湘南日記」

気儘な湘南暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

罪にならないどろぼう

2011年04月06日 | Weblog
先週の日曜日、読売新聞の書評に竹内正明さんの「名せりふどろぼう」が出ましたが、竹内さんは読売新聞の社員ですし、毎日一面の編集手帳を書かれているわけですから、出るのが当り前ともいえます。しかし、余りにもひどい内容の本を身内を理由に出せば非難は轟々となるでしょうから、書評欄の担当者によほどの度胸があるか、著書そのものに読者を納得させるだけのものがあるわけです。最近は世間の非難を浴びてまで何かを遂行しようなどと思う度胸のあるやつはいませんから、この著書は身内贔屓を感じさせない優れたものである確率が高いと考えるのが妥当です。

まあそんな推測をしなくとも前著「名文どろぼう」で楽しませていただいた私は、この著書が出た二ヶ月前に買い求めつらつら読んでおりました。何せ積読本を多量に買い求める癖があるのに加え、3・11があったもので、近頃めっきり観なくなっていたテレヴィに熱中して読書がおろそかになっておりました。しかしながら昨日目出度く卒読いたし、良いものであったなと、推測が正しかった事を確認いたしました。何が良かったかといって、出てきた名せりふが概ね古いもので、かつてのテレヴィっ子の馴染みのテレヴィドラマで使われたものばかりで懐かしい、加えてその古いせりふの現在に対する批判性が心地よかった点にあります。

震災から一ヶ月が過ぎようとしておりますが、死体から金品を盗る不埒なやつ、コンビニ・スーパーから商品を略奪するやつ、被災者へと偽って寄付金を騙し取る詐欺師など、罪になる泥棒が増えていると聞きます。日常の論理から逸脱している時ではありますが、人間としてとるべき規範は緊急事といえども変わらぬことを願いたいものです。

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