裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

伊藤新道・・・

2012年02月12日 | 若き日の思い出

山用のGPSアプリを調べていたら、偶然カシミール3Dというfreeソフトの存在を知る。試しにPCにダウンロード、早速試してみた。そしてこんなfreeソフトが存在することに愕く。

カシミール3D地図上で若い頃歩いた北アルプスを詳細に辿る。稜線、谷、渓谷、峰峰、拡大、縮小しながら。あぁ、荒れ谷高瀬川に今では高瀬ダム、七倉ダム、2つもダムができている。

東京オリンピックの年、昭和39年の初夏、信濃大町より高瀬川を遡り、濁り沢出会いで幕営、梅雨末期の豪雨、あっという間に沢に架かるトロッコの橋は濁流に流され、本流では濁流に押し流される巨岩がぶつかり合う音がまるで落雷のように谷間に轟く。

巨岩が水中でぶつかり合い火花を散らす、濁流があちこちで光りを発する、物理的にありえることだろうか?だが自身信じられないと思いつつも、まぶたにその光景がありありと浮かぶのである。

その後も悪天候続き、雲の平までが精一杯。槍、上高地の時間はない。

伊藤新道・・・夢中で降った、だが実に不思議な、現実離れした夢の世界を彷徨ってのような、それでいて半世紀前に通った道とは思えないほど部分的ではあるが鮮烈な記憶として残っている。

辿るカシミール3D、三俣蓮華岳から湯股川に降るその伊藤新道のルートを辿る。地図上道は存在している。

だが、実際調べれば昭和58年に廃道になってしまた。

湯股川に架かっていた5本の吊橋もすべて落ちてしまったのだろう。実に惜しい、単に三俣蓮華への最短距離というだけではない、夢のような山深い魅力ある山道であった。

できれば伊藤新道を遡り、天上の楽園、雲の平に行ってみたい・・・と激しく思う。

DIY GPSにカシミール3Dを入れたiphoneを持って伊藤新道から雲の平に行ってみようか、だがこれは体力的にまったく無理、空想するだけにしよう。(写真 1964年7月14日の伊藤新道)

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