私のブログは、月末はあまり更新されていない。
何故かというと、月末はパートに出ているから。
キーパンチャーという職種なので、目と指は酷使するけれど頭はけっこう暇なのだ。
常に頭は妄想に走っているんですが、その状態を、私たちの仲間同士の会話では「あっちに行っちゃってる」という。
私の場合は、最近読んだ本の内容を思い出したり、これから何を読もうとか、図書館に行ったらあれとこれを借りようとか、そんなことを考えてたりするんです。
考える時間はものすごーくあるのだ。
最近読んだ「火星の人類学者」という本のことを思い出していた際に、「アルジャーノンに花束を」と「くらやみの速さはどれくらい」のことを連想したんですね。
「アルジャーノンに花束を」は、TVドラマにもなっているから、皆さん、本は読んだことがなくてもどんな話かよくお分かりだと思います。
知的障害者のチャーリィが脳外科手術を受け、劇的に知能を高めるが、長続きはせず、後戻りを始めてしまう、という端的にはそんなストーリィ。
「火星の人類学者」は、脳外神経科医から見た脳の機能に障害を持つ人々の医療エッセイで、その人々のアイデンティティに焦点があてられていました。
健常者の考える幸福を押し付けるのは、単なるエゴではないかと。
それを踏まえて「アルジャーノンに花束を」のことをもう一度考え直してみました。
チャーリィは手術を受けたことで、それまでの生活環境は一変しましたね。
友人を失い(利用されていただけとしても)、職場も失いました。
知脳が非常に高まった時は、自分を手術してくれた教授さえも頭が悪く感じてしまいますね。
とても嫌なヤツになっているんです。
結局、自分のよき理解者はアルジャーノンだけになるけれど、アルジャーノンは死んでしまう。
その死の原因に自分の将来をみたチャーリィは愕然とします。
彼のその後の苦悩は、知能を失って後戻りしてしまうからではなくて、彼の得た新たな自分というアイデンティティを失う恐怖からだと気づいたんです。
彼の場合は、手術したことで、それまでの自分を失っているわけで、2度のアイデンティティの消失ということを経験しているんです。
アルジャーノンは賢くなった自分であり、それに花を添えてほしいという願いは、これから失う自分に対しても、花を添えてほしいということなんですね。
「くらやみの速さはどれくらい」は、もうちょっと複雑で、主人公のルゥは、アイデンティティの消失があると知りながら、手術を受けているんですね。
読者である私たちは、それを目の前に見せられて、複雑な心境になってしまう。
私も「火星の人類学者」は、勧められて読んだんですけど、「アルジャーノンに花束を」「くらやみの速さはどれくらい」を読んだ人、これから読む人は、理解を深める上でも「火星の人類学者」をぜひ読むべきだと思います。
アルジャーノンに花束を
何故かというと、月末はパートに出ているから。
キーパンチャーという職種なので、目と指は酷使するけれど頭はけっこう暇なのだ。
常に頭は妄想に走っているんですが、その状態を、私たちの仲間同士の会話では「あっちに行っちゃってる」という。
私の場合は、最近読んだ本の内容を思い出したり、これから何を読もうとか、図書館に行ったらあれとこれを借りようとか、そんなことを考えてたりするんです。
考える時間はものすごーくあるのだ。
最近読んだ「火星の人類学者」という本のことを思い出していた際に、「アルジャーノンに花束を」と「くらやみの速さはどれくらい」のことを連想したんですね。
「アルジャーノンに花束を」は、TVドラマにもなっているから、皆さん、本は読んだことがなくてもどんな話かよくお分かりだと思います。
知的障害者のチャーリィが脳外科手術を受け、劇的に知能を高めるが、長続きはせず、後戻りを始めてしまう、という端的にはそんなストーリィ。
「火星の人類学者」は、脳外神経科医から見た脳の機能に障害を持つ人々の医療エッセイで、その人々のアイデンティティに焦点があてられていました。
健常者の考える幸福を押し付けるのは、単なるエゴではないかと。
それを踏まえて「アルジャーノンに花束を」のことをもう一度考え直してみました。
チャーリィは手術を受けたことで、それまでの生活環境は一変しましたね。
友人を失い(利用されていただけとしても)、職場も失いました。
知脳が非常に高まった時は、自分を手術してくれた教授さえも頭が悪く感じてしまいますね。
とても嫌なヤツになっているんです。
結局、自分のよき理解者はアルジャーノンだけになるけれど、アルジャーノンは死んでしまう。
その死の原因に自分の将来をみたチャーリィは愕然とします。
彼のその後の苦悩は、知能を失って後戻りしてしまうからではなくて、彼の得た新たな自分というアイデンティティを失う恐怖からだと気づいたんです。
彼の場合は、手術したことで、それまでの自分を失っているわけで、2度のアイデンティティの消失ということを経験しているんです。
アルジャーノンは賢くなった自分であり、それに花を添えてほしいという願いは、これから失う自分に対しても、花を添えてほしいということなんですね。
「くらやみの速さはどれくらい」は、もうちょっと複雑で、主人公のルゥは、アイデンティティの消失があると知りながら、手術を受けているんですね。
読者である私たちは、それを目の前に見せられて、複雑な心境になってしまう。
私も「火星の人類学者」は、勧められて読んだんですけど、「アルジャーノンに花束を」「くらやみの速さはどれくらい」を読んだ人、これから読む人は、理解を深める上でも「火星の人類学者」をぜひ読むべきだと思います。
アルジャーノンに花束を
私は、長編の元になった短編を読んではいますが、何度も読んでいるわけではないです。
好きな一冊ではありますが。
「火星の人類学者」は医学エッセイということで、専門用語多いですが、理解しやすい内容だとお思います。
専門的なことは抜きにしても、一人一人の症例はとても興味深く、考えさせられるものでした。
きっと、図書館にあると思いますよ。
「くろにゃんこ」さんをクリックしたら、ここに来ました。
くろにゃんこサンは色々な本を読んでるのですね。
参考にさせて頂きます。
それでは、簡単ですみません。
特に好きなのはSFなんですが、それ以外も興味がわくものから、有名どころから無名どころまで、何でも手にとって読んでしまいます。
こだわりがあんまりないんですね。
参考になるかどうか・・・なるといいな
4年生の時に、この劇を観た息子が「障害って治さなくてもいいんだよね。そのままでいいんだよね」って言ったことが心に残っています。
母親の私にとって、一生のテーマかもしれません。お勧めの本、読んでみますね。
評判もよいようですね。
>障害って治さなくてもいいんだよね。そのままでいいんだよね
息子さん、すばらしいです。
本質を突いています。
私なんて最近気づいたことなのに・・・
ありのままを受け入れるというのは言葉では簡単ですが、葛藤もありますよね。
一生のテーマと聞いて、先日いただいたKamijoさまのコメントを思い出しました。
「くらやみの速さはどれくらい」もとてもよい本ですので、機会があったら読んでみてください。
「火星の人類学者」「くらやみの速さはどれくらい」どちらも読んだことがないのですが、面白そうですね。ノンフィクションだったかフィクションだったか忘れましたが、私は「アルジャーノンに花束を」で「レナードの朝」という映画を思い出しました。詳細はもう忘れてますけど、あれも良かったです。
これからも楽しみにしています。
図書館にはなかなか行ききれないので、普通の書店に置いてあれば買いやすいのですが…
感謝感激雨あられでございます。
「アルジャーノン」から「レナードの朝」を連想するなんて、なかなか鋭いですね。
「レナードの朝」は私も映画でしか観ていないのですが、
物語の底流にあるのは「火星」と同じスタンスだと思います。
オリバー・サックスにはサックスコレクションというのがありまして、
先日、古本屋で売られているのを見かけました。
古本屋さんでは、入手困難な本が時々うなっているので、覗いてみるのもいいかも。
私の住んでいるところは、図書館が近くてとても便利なんですが、もし、図書館が無かったらと思うと、恐怖に青ざめるのでした。
「アルジャーノン」は多重人格のお話のなかで、初めて読んだものです。手元にありまして、何回も読んでます。ただ、この写真の装丁より多分前の本で、とっても小さい文字が1ページに2段になって入ってるので・・最近読み返してなかったなあ。
「くらやみの速さはどれくらい」は知りませんでした。前提として結果を知っている状態で受ける手術。面白そうですね。読んでみたいな、と思います。