かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

台風の進路をにらみつつ、今日も一日PCの前に座っておりました。

2009-10-04 21:05:35 | Weblog
 今日も日がな一日CG三昧、と言う割りに筆は進まず、まだまだしばらくかかる模様。まともなCGは2年前のタロットカード以来? なせいか、なかなか思うように行きません。しばらくは試行錯誤です。

 さて、台風が一個、南海上を不気味に西進しておりますが、予報を見ていると近日中に進路を大きく変えて、今週末には日本列島に向かってくる様子です。なんだかとんでもなく大きな台風なので、もし上陸したら相応の被害を覚悟しなければならないでしょう。それももちろん心配なのですが、何より問題なのは、週末仕事で上京しなければならないことです。昨日までの長期予報では、出発は大方台風が通り過ぎてからになる予定だったのですが、ここに来て行き足が鈍っているようで、このままですとまともに台風と当たる可能性が出て参りました。それでも仕事ですからもちろん可能な限り行くことになるわけですが、まともに関東以西に上陸してきたりしたら新幹線もさすがに止まるでしょうし、そうなると身動きそのものが取れなくなるのでなんともし様がありません。いつだったか、台風には酷い目にあっているので、何とか場所も日程も逸れて欲しい、と願っています。

 そういえば、キルタイムコミュニケーションズの公式ブログで、コミックス「ドリームハンター麗夢XX 蒼の機関騎士」の宣伝がついに出てきましたね。表紙絵の一部が公開されていましたが、なかなかにそそる絵になっているようです。また、1ページ目から描き下ろしだそうで、連載時より大幅に筆が入っている様子。手に取るのが楽しみです。コレの売れ行き次第で次の展開も検討されるそうですから、ファンの方もそうでない方も一家に1冊ご購入の上、読者カードに「続編希望」と記入して返送いただくよう、お願いしたいと思います。といっても発売は10月25日でまだまだ気が早いのですが、アマゾンでは予約が随分前から始まっていますし、東京大阪等大都市圏で書店で入手できる方はともかく、私のような田舎住まいの者は、この手の通販で確実に入手できるよう手配しておきたいところです。

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14 シェリーの夢 その2

2009-10-04 07:29:28 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 よく見ると、黒髪の少女の伸びた腕を、お姉さまは赤い靴で思い切り踏んづけていた。腕がまるで柔らかいゴムのように踏みつぶされて、手の方がはね回っている。痛そう! って私は思わず自分の腕を押さえたけれど、当の少女は別になんともないらしい。さっきの薄ら笑いは影を潜め、また無表情に戻ってお姉さまに言った。
「何故邪魔をする」
「貴女こそ、私に断りもなく何勝手なことしてるの!」
 お姉さまは左手を腰に当て、右手人差し指をびしっと音が聞こえそうなくらいまっすぐ相手に突きつけて、傲然と胸を張った。
「私の捜し物がやっと見つかったのよ! 貴女は邪魔しないで頂戴!」
 その言葉にはっと記憶が甦った。
 あの公園での出来事。
 金魚を放り投げ、死なせてしまったお姉さま。そしてその直後、突然スイッチが切り替わったように私にせまった恐ろしい顔。
 気づかれたら私は殺されてしまう! 
 私は二人に気づかれないよう祈りながら、ついさっきまで心底うれしかった事も忘れ、わなわなと震えて後ずさった。
「お前は何か勘違いしているようだ。我々の目的は完全な存在になること。そのために必要な因子がここにある。だから取り込む」
「それが勝手なことだって言うのよ! ここで取り込んだら、シェリーちゃんがいなくなるじゃない!」
「我々と同化し、我々の一部になるのだ。そうして全てを得たとき、我々は完全な存在になれる」
「それで本当に私達は完全になれるの? 一度失敗したじゃない! また同じ事を繰り返すの?」
「あれは途中で余計な邪魔が入ったからだ。今度こそその論理メカニズムを解析し、完全な存在になってみせる」
「できっこないわ! 私達は間違ったのよ!」
「いいや、方法は間違っていない。さあ、お前の役割は終わった。我らも一つに戻るときだ」
 お姉さまに踏みつけられていた少女の右手が、突然蛇のように鎌首を持ち上げると、五本の指がいきなり爆発的に伸び上がった。細いロープと化した指は、背後からお姉さまの身体に瞬きする間もなく巻き付き、縛り上げた。
「っ! 放せぇっ!」
 お姉さまはもがいたが、無表情な少女がぐいと右手を引くと、あっさりとテーブルから落ちた。
「きゃっ!」
 悲鳴に続いて、思い切り床に落ちる音が部屋中の空気を震わせる。
「さあ、お前もだ。そのデータを取り込ませてもらう」
 今までだらりと身体の横に下げていた左手がゆっくりと上がり、床に座り込んだ私の方に向けられた。
「いやっ!」
 私は頭を抱え込んでうずくまった。が、さっき私の喉を締め付けたあの腕が伸びてこない。私は恐る恐る顔を上げ、目を丸くして驚いた。
「何をする」
 黒髪の少女の前に、さっきまでお尻を打って痛い痛いと悲鳴を上げていたお姉さまが、がんじがらめに縛り上げられながらも立ちはだかっている。そして、なんとお姉さまは、少女の左手をがっちりとその口でくわえ込み、私の方に伸びてこないように押さえ付けていたのだ。
「ヘリーヒャンファヤフヒヘテ!」
 お姉さまの顔が苦痛に歪んだ。体中に巻き付いたロープがその腕や足に一段と食い込み、赤くなっているのが見える。でも、左手に噛みついた口は放さなかった。だからその声はあまりにか細く、苦しげで判りにくかったけれど、私の頭には確かにちゃんと理解できた。シェリーちゃん早く逃げて! そうお姉さまは言ったのだ。
 私は慌てて周囲を見まわした。お姉さまと化け物少女の後ろにドアが一つ。でもそちらには行かれない。両側にはドア一つない。後ろは? と振り返ったとき、お姉さまの悲鳴が後頭部を打った。え、と思う間もなく、私の視界が肌色の網で覆い尽くされた。ぎょっとしてまた見返すと、お姉さまの口から漁師さんが湖に投げるような網が広がり、私の全身をすっぽり覆いつくしているではないか。
「きゃあぁっ!」
 突然ぐいと引き込まれ、私は無力な魚同然に床を転げて、苦労して這い進んだ距離を無駄にしてしまった。その勢いでお姉さまもはじき飛ばされ、私の隣に突き転がった。
「このっ!」
 お姉さまはまだ諦めず、私の網に食らいついた。真っ白な歯がピンクの網に食い込むが、まるで強靱なゴムのように全くかみ切れない。その内にもぐいぐいと二人は化け物の少女に引き込まれていく。幾ら踏ん張っても相手の力の方がずっと強い。
 もう駄目かも知れない、と私は思った。
 いっそもう力を抜いて抵抗するのをやめた方が、ずっと楽だろう。
 私は目をつむった。瞼の裏に、おじいちゃんの優しい笑顔が見える。私はその姿に心の中で謝った。
 ごめんなさい……。
 やっとおじいちゃんの顔が見えるようになったのに、もうそれもかなわなくなる。
 私は目頭が熱くなって涙がこぼれたのを自覚した。もう、駄目だ……。
「しっかりしなさい! 最後まで諦めたら駄目!」
 突然の叱咤に私は目を開けた。初めて見る厳しい目が、網越しに私を睨み付けた。
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