かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

舞鶴に見る日本最後の日。

2005-06-06 23:03:51 | Weblog
 今日は全国的に真夏日! 実際大変暑い一日でした。台風4号も何やら不気味に北へ北へと蠢いておりますし、ひょっとして6月からもう台風? でも、この間発表された気象庁の長期予報では、東北関東を中心に冷夏になる可能性ありとか。涼しい夏は有明での過ごしやすさに直結するのでありがたいのですが、いつぞやのごとくじゃじゃ降りの雨になったり、そのせいで東海道線が止まったりするのだけは勘弁してもらいたいです。

 さて、京都府舞鶴市と言えばかの東郷平八郎が初代長官となった「舞鎮」でおなじみ(?)の町で、美味しい魚やきれいな海が印象的な関西の代表的観光地の一つですが、どうもその地で一体今は何世紀? と問いただしたくなるような事件がありました。廃バッテリー処理工場の排煙に高濃度の二酸化硫黄が混入し、周辺に健康被害や山林が枯れたりする被害があったそうです。しかも被害者が再三に渡って市や府に改善を要望したにもかかわらず、府は「大気汚染防止法」に基づく行政指導を怠り、結果として今もまだ二酸化硫黄の垂れ流し状態が改まっていないんだとか。府の言い訳は、会社の協力を得て行う煙突調査にこだわり、被害の放置状態を続けていたそうです。
 なんせマスコミの言うことなので話を全て鵜呑みにするわけにはいかない、とへそ曲がりな私などは考えてしまうのですが、それはともかく、行政組織がこのような怠慢をするのは、やはりちょっと許せない様に思えます。要するに、誰のために、なんのために仕事をしているのか、ちゃんと理解していない公務員が多いんじゃないでしょうか? まあJR西日本の事故を見ても、これは単に公務員だけの問題ではなく、日本人全体に、目的を明確にしないまま何となく仕事っぽいことを忙しげに演じて、頑張って仕事した気になるという病気が蔓延しているように思うのです。この舞鶴の問題にしても、担当の職員が、住民の安全安心な暮らしを守るという大目的をちゃんと理解していたならば、あらゆる手を講じて問題解決のため動いたことでしょう。それを煙突調査という小手先の戦術レベルに問題を矮小化し、そこではっきりしないから手を出せなかったと言い訳する様子は、見事に目的の本質を見失っているとしか言えません。100年前、あらゆる知恵と力を見事戦争勝利に収斂して邁進したことがあるこの日本人が、どうして「勝つためにはどうしたらいいのか」という至極当たり前な考え方が出来なくなってしまったのでしょうか? 目的意識を持って勝利条件を明確にし、その条件を満たしうる戦略を立て、その戦略をかなえる戦術を考え、その戦術を成功させるための各種条件を整える。たったそれだけのことが、どうして出来なくなってしまったのか。歴史を学ぶ重要性はまさにここにあるとかっこうなどは思うのですが、誰もそんな歴史教育はしてくれないのでしょうね。
 そう言えば、今日、海上保安庁の巡視船が一隻、海賊跳梁跋扈するマラッカ海峡向けて出港しました。海上保安庁と海上自衛隊という区分も今や無意味な馬鹿げたものだと思いますし、どう見ても五千トン級の護衛艦にしか見えないものを、護衛艦という言葉でさえ本質を偽る愚かな物言いだというのに、それを更に巡視「船」と偽る二重の愚かしさには、正直、いい加減にしなさい、と申し上げたいのですが、それはまた別の問題ですので今は置いておくとして、本当に大事なのはマラッカ海峡における日本の商船の安全を確保することであり、その防衛に我が国が海軍を活用するのは当然だと言う考え方が出てこない現代日本のあり方が不気味です。その目的をはっきり意識しないのか、周りに変な気兼ねをして目的をねじ曲げているのか、どちらにしても、本来達成すべき目的を無視して行動しても、大した効果は上げられないでしょう。何が一番大事で何をしなければならないのか、私たちは本気でそう言う考え方が出来るようにしないと、本当に滅びてしまうのではないか、というえも言われぬ不安を抱かせる、今日この頃です。
コメント (4)
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