小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

「アレルギー科」を標榜しても専門医は少数派?!

2014年09月19日 06時53分39秒 | 小児医療
 診療を受ける患者さんにはちょっとショッキングなニュース。

アレルギー科標榜しても専門医は少数派~アレルギー疾患対策の大規模全国調査より
(2014.9.9:QLifePro)



 元ネタはこちら(このHP、まことに興味深い・・・);
全国のアレルギー治療実態とガイドラインとのギャップ

 まあ、専門医だからガイドラインに沿った診療をしているとは限らず、突っ込みどころはいくつもありますが、根本的な問題は「日本では標榜科は自由」ということ。
 内科の医師が「小児科」を標榜したり外科系の医師が「皮膚科」を標榜することはごくふつうに行われていますし、開業後の経営を考えて他の専門分野だった医師が「アレルギー科」を標榜するのも珍しいことではありません。
 標榜する科の数が多いほど、患者さんは「この先生はたくさん勉強してすごい!」と喜びますが、医師からは「専門外の科を並べて・・・いったい何をやりたいんだ?」と軽蔑される傾向があります(苦笑)。

 では“ずる”をするための野放しルールかというと、そういうわけでもありません。
 例えば、麻酔科や放射線科が専門の医師が開業する際、専門科しか標榜できないことになると患者さんが集まらず経営が成り立ちません。
 そのための救済措置という要素もあるわけです。

 でもでも、気になりますよね。
 ちなみに日本アレルギー学会は専門医名簿を公開していますので、自分の主治医がアレルギー専門医かどうか確認可能です。

 私自身は小児科専門医とアレルギー専門医の資格を有しており、標榜科はそのまま単純に「小児科・アレルギー科」です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「舌下免疫療法~小児への適... | トップ | 「メプチンスイングへラー」... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小児医療」カテゴリの最新記事