小児アレルギー科医の視線

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スギ花粉症舌下免疫療法の錠剤登場(5歳から使用可能!)

2017年09月28日 06時15分44秒 | 花粉症
 現在、スギ花粉症舌下免疫療法は液剤のシダトレン®のみですが、満を持して錠剤が登場します。
 従来は12歳以上しかできませんでしたが、今回「小児に対し使用可能」とのことですから、小児科医の私としては期待が膨らむニュースです。

■ 鳥居薬、スギ花粉症向け免疫療法薬の国内販売が承認
2017/9/27:日本経済新聞
 鳥居薬品(4551)は27日、スギ花粉症向けのアレルゲン免疫療法薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」の国内製造販売の承認を取得したと発表した。シダキュアは国内で初めて成人や小児に対し使用可能となった舌下錠で、14年10月から販売していた「シダトレン スギ花粉舌下液」よりも高力価の製剤という。販売時期は決まり次第発表する。


■ スギ花粉症薬、錠剤で承認取得 鳥居薬品  小児も服用可能に
2017/9/27:日本経済新聞
 鳥居薬品は27日、舌下から吸収して服用する錠剤のスギ花粉症薬について、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。アレルギー疾患の原因になるアレルゲンを低濃度で取り込み、花粉に対する過敏性を減少させる薬。対象患者の制限がなくなり、12歳以下の小児でも服用できる。液剤の従来薬に比べて剤形を工夫して保管しやすくし、利便性を高めた。
 「シダキュアスギ花粉舌下錠」の製造販売承認を取得した。服用方法は1日1回1錠、舌下に1分間錠剤を保持した後に飲み込む。3~5年にわたって服用を続ける必要がある。
 従来の液剤型の薬は冷蔵保存する必要があったが、錠剤にすることで室温保管できるようになり、持ち運びやすくした。対象年齢も従来薬は12歳以上に限っていた。


★ 追記(2017.9.29)
 5歳から使用可能だそうです。
 液体のシダトレン®は冷蔵庫保存が基本ですが、シダキュア®は錠剤なので室温保存が可能です。
 それから、シダトレン®は舌下に2分間保持でしたが、シダキュア®は1分間でOK。

■ 日本初、5歳から使える免疫療法薬 〜より幅広い適用年齢を有する舌下錠が承認
2017年09月28日:メディカル・トリビューン
 鳥居薬品は9月27日、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュアスギ花粉舌下錠(以下、シダキュア)2,000JAU、同5,000JAU」の製造販売承認を取得したと発表した。同薬は日本で初めて5歳以上の小児から使用できるスギ花粉症に対する舌下免疫療法薬で、「シダトレンスギ花粉舌下液(以下、シダトレン)」より高力価かつ利便性が高いという。
室温保存が可能、服薬も容易に
 同社では、2014年10月よりスギ花粉症に対する免疫療法薬・シダトレンを販売していたが、12歳未満は適用外とされていた。
 そのため、5歳以上から適用できるシダキュアの登場により、治療できる年齢層はより広がると見られる。
 また、シダトレンは冷蔵庫内など冷所での保存が必要で、舌下に滴下後、2分間保持してから服用しなければならなかったが、シダキュアは室温で保存ができ、服用の際、舌下に保持する時間が1分間で済むため、シダトレンより利便性が高いとされる。
 厚生労働省が2011年に報告した全国調査の結果によると、日本人のおよそ25%が花粉症に罹患しており、そのうち約70%がスギ花粉症であると考えられている。"国民病"ともいえる同疾患に対し、同社は「シダキュアが治療の選択肢を広げ、患者に貢献できることを期待している」と述べている。

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