小児アレルギー科医の視線

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エボラ出血熱の感染防止に「安全な埋葬」法が有効

2017年09月09日 06時51分15秒 | 医療問題
 アフリカで一旦エボラ出血熱がアウトブレイクすると、なかなか流行が終息しません。
 某ドキュメンタリーを見ていて「遺体を触る習慣がある」ためにそのタイミングで感染してしまうことを知りました。

 紹介する記事は、そこに焦点を当てて対策を立てたところ、非常に有効であったという報告です。

■ 安全な埋葬、感染防止に エボラ熱、赤十字が実証
共同通信社:2017年9月6日
【ジュネーブ共同】2013~16年に1万1千人以上の死者を出した西アフリカのエボラ出血熱流行で、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)主導で行った遺体の安全な埋葬が感染の拡大防止につながったことが5日までに、IFRCの研究で分かった。最大で約1万人の二次感染を防いだという。
 エボラ熱は致死率が25~90%と高く、確立した治療法はないことから二次感染防止が大きな課題になっている。
 埋葬方法も重要で、IFRCの担当者は「日本でも将来エボラ熱患者が発生する可能性があり、遺体を清める習慣も残っているだけに参考になると思う」と話している。
 エボラ熱は感染者の血液や体液などに接触して感染するが、西アフリカでは遺族が遺体を洗う風習があり、感染拡大の大きな原因となっていた
 このためIFRCは現地で埋葬のための特別チームを編成。防護服を着用し遺体袋を使う方法で、リベリア、ギニア、シエラレオネの3カ国で感染が疑われた人なども含め4万7千以上の遺体を埋葬した。
 こうした埋葬が行われなければ、1件につき平均2・58件の二次感染を引き起こしていたと推計。
また一次感染者のケア従事者は感染者の死後のみ接触した人に比べ2・63~5・92倍も感染リスクが高かった。
 こうしたデータから安全な埋葬によって、最大1万452人の二次感染を防げたとしている。
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