徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

プリント公開「子どもの鼻血の止め方」

2014年08月04日 20時25分06秒 | 小児科診療
 プリント公開シリーズ第2弾。
 これも相談が多い「鼻血」。
 原因と止め方をまとめました。
 止め方のポイントは「下を向いて座った姿勢で10分間小鼻をつまむ」につきます。
 それ以外は、結構思い込みの勘違いが多いことに調べてみて改めて気づかされました。

<子どもの鼻血の止め方>

子どもの鼻血
 ほとんどの場合(約90%)、左右の鼻の穴を隔てている壁(鼻中隔)の入り口から1cmくらい奥(キーゼルバッハ部位)からの出血です。ちょうど指が届きやすいところであり、ここは毛細血管が多く粘膜が薄いので出血しやすいのです。
 子どもの鼻血は3歳~小学校低学年に多く、季節は夏が多いようです。
 一方。成人~高齢者は空気の乾燥する冬期が多いとされています。

子どもの鼻血の原因
局所の問題:
 急性鼻炎(鼻風邪)花粉症/アレルギー性鼻炎で鼻粘膜が炎症を起こしもろくなっているところに、鼻をいじる/ほじると傷ついて出血します。一度傷ができると治癒過程でかさぶたができて痒くなり、つい引っかいてまた出血することを繰り返します。ほとんどこれです。
 他には鼻打撲傷、異物、希に腫瘍など。
全身の問題:
 鼻もさわらない、傷もないのに頻繁に鼻血が出る場合は希ですが血液疾患の可能性があります。小児科にご相談ください。

※ 大人では高血圧や動脈硬化、抗凝固薬等が原因になり止まりにくい傾向があります。

正しい鼻血の止め方:「下を向いて座った姿勢で10分間小鼻をつまむ
 ポイントは「つまむ場所」。
 電話で「しっかり抑えているけど止まらないんです!」という場合は、よくよく聞いてみると目尻/鼻根部を押さえていることが多いのです。

1.下を向かせる:ややうつむき加減にして鼻血を飲み込まないように。

2.圧迫止血:鼻の中に何も入れず、両鼻の出口付近のふくらみ(小鼻)を親指と人差し指でつまんで圧迫しましょう。
 水に潜るときに鼻をつまむイメージです。冷たいタオルや氷のうなどで鼻を冷やすとより効果的です。
 目頭や鼻の付け根の固い部分(鼻骨)をつまんでも止まりません
 鼻血が口に流れ込んだら、飲み込むと気持ち悪くなり嘔吐の原因になるので、はき出しましょう。飲み込んでしまうと翌日以降に黒い便が出ることがありますので驚かないように。

3.鼻呼吸ができない状態のまま10~15分ずっと圧迫し続けると止まります。


間違った止め方
× ティッシュを詰める ・・・粘膜にこびり付いてしまい取り出すときに再出血の危険あり。
× 上を向いて横になる ・・・喉に鼻血が回って気持ち悪くなり嘔吐することがあります。
× 頭を後ろに反らす、首の後ろをたたく ・・・効果ありません。振動させると血が固まりにくくなります。
× 鼻を強くかんで鼻血を出し切る ・・・再出血の危険があります。

耳鼻科受診が必要なとき
・圧迫止血を15~20分しても止まらないとき、出血量が異常に多いとき。
・回数が多い(1週間に3-4回出血)とき。
※ 耳鼻科での治療:圧迫タンポン、血管収縮薬、硝酸銀塗布、高周波電気凝固メス、ラジオ波凝固治療器、レーザー処置など。
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