徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2019.10.6、早くもインフルエンザ流行がはじまる

2019年10月06日 19時28分19秒 | 小児科診療
 流行が始まりつつある2019年のインフルエンザ。
 当院では明日10月7日からワクチン接種をはじめる予定です。

 関連記事を2つ紹介します。
 やはり「流行開始の早さ」「始まりは沖縄」を問題視していますね。

 また、現時点での流行型は、
・A(H1N1)pdm:73%
・A(H3N2)亜型:17%
・B型:10%

 という情報も得られました。

インフルエンザワクチンを早く打つべき人は?
2019.10.6:ヤフーニュース
忽那賢志 | 感染症専門医
◇ 今年のインフルエンザは2ヶ月早い
 今年はインフルエンザが例年よりも早く流行の兆しを見せています。
特に沖縄県では定点あたりの患者報告数が34.72と警報レベルとなっており目立っていますが、東京都も第38週(9月16日から9月22日)の患者報告数が、流行開始の目安となる定点当たり1.0人を超えました。
 例年インフルエンザは12月から3月にかけて流行しますが、今年は約2ヶ月早いペースで流行が始まっており早めの対策が必要です。毎年インフルエンザワクチンは12月くらいに打っている、という方も今シーズンは早めの接種をお勧めします。

◇ インフルエンザワクチンの効果の考え方
 私は毎年患者さんにインフルエンザワクチン接種をお勧めしていますが、ときどき「インフルエンザワクチンを打ってもどうせインフルエンザには罹るから毎年打っていない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
 確かにワクチンを接種してもインフルエンザになる方はいらっしゃいますが、ワクチンを打っていないヒトよりもインフルエンザにはなりにくいことが分かっています。
 例えばですが、ワクチンを打っていない集団300人と打った集団300人とを比べた場合に、その年最終的にワクチンを打っていない集団では100人がインフルエンザに罹ったけど、ワクチンを打った集団では40人しかインフルエンザに罹らなかったという場合に、この60人の差がワクチンの効果ということになります(数字は例えです)。人によってはワクチンの効果を感じにくいことがありますが、広い目で見ればワクチンには間違いなく予防効果があるのです。
 また、インフルエンザワクチンは接種することによって、罹ったとしても重症化を防ぐことができます。
 10月からインフルエンザワクチンの接種が全国の医療機関で開始されていますが、まずは特に重症化するリスクの高い高齢者、妊婦さん、ステロイドなどの薬を飲んで免疫が弱っている方などはインフルエンザワクチンを接種することが強く推奨されます。

インフルエンザに罹ると重症化しやすいためワクチン接種が強く推奨される方

米国疾病予防管理センターの推奨(MMWR Recomm Rep 2013; 62:1.)を元に筆者作成


◇ 集団免疫とは
 またこのような重症化しやすい方と一緒に住んでいる人、接する頻度の高い人も自分の家族や大事な人にインフルエンザをうつさないためにワクチン接種が推奨されます。ワクチンには集団免疫と言って自分がワクチンを接種することによって自分だけでなく周りの人を守る効果もあります。
 持病のない若い人のワクチン接種率が高い集団では高齢者のインフルエンザ発症率が低くなるとされています。自分のためだけでなく、自分の家族や大事な人を守るためにもインフルエンザワクチン接種しましょう。

集団免疫の効果

(Wikipediaの画像を翻訳)



今年の「インフルエンザ」ちょっと気になる兆候が
2019.10.6:ヤフーニュース)より抜粋
石田雅彦 | ライター、編集者
 そろそろ秋風も冷たくなってきた。季節の変わり目で体調を崩す人も増えているが、今年のインフルエンザは例年より早めに流行するかもしれない。過去10年の患者報告数から気になる兆候が見えてきた。

◇ 2009年と同じような傾向
 厚生労働省は2019年10月4日のプレスリリースで、インフルエンザの発生状況について発表した。それによれば、2019年のインフルエンザは例年より早い定点当たり報告数(※1)の増加が見られ、インフルエンザ流行レベルマップを通した情報提供の開始を早めることにしたという。
 厚生労働省(国立感染症研究所)の調査によれば、2019年39週(9/22~9/29)の定点当たり報告数は0.92で前の38週の1.16より減少した。減少しているのになぜ情報提供の開始を早めるのだろうか。
 これは今年と例年との違いが理由だ。今年は世界的なインフルエンザのパンデミックに襲われた2009年ほどではないが、8月下旬あたりから定点当たり報告数が増えている。これは過去10年間を比較したものだが、2009年以外の年は早くても43週(10/27~11/2)あたりから増え始めているので、今年は約2ヶ月も早くインフルエンザの発生増加が始まっていることになる。
 確かに、今年は夏休み明け前後から全国の小中学校でインフルエンザによる学級閉鎖が行われた。例年にはないことで、厚生労働省もインフルエンザ・ワクチンの早めの手配にも動き出したようだ。

◇ 早めのワクチン接種が肝要
 では、なぜインフルエンザは今年、早く流行の兆しを見せているのだろうか。これは沖縄県での発生数が大きく増えたことが影響していると考えられる。
 インフルエンザの流行パターンは、沖縄のような亜熱帯・熱帯と本州のような温帯のように、気候帯によって地域的な違いがあることが知られている(※2)。また、感染者が増える冬場に例年より感染者が少なかった場合、温かくなってもインフルエンザウイルスに感染しなかった人が多くなり、流行が維持されて発生が早まることもあるようだ(※3)。
 沖縄県では、夏休みに入る頃からインフルエンザの定点当たり報告数が増え始めている。感染した旅行者がインフルエンザウイルスを持ち帰り、本土でも発生数が増えてきたのかもしれない。
 厚生労働省によれば、今年の国内のインフルエンザウイルスは、ヒトA型のAH1pdm09が73%、AH3亜型が17%、ヒトB型が10%だという。AH1pdm09は2009年に世界的なパンデミックを起こしたウイルスで、2009年は上のグラフにあるとおり、10~12月に発生のピークがある。こうした点でも今年は要注意だ。


※1:定点当たり報告数:医療機関数に応じた感染症の平均報告数のこと。感染症法に基づいて報告される感染症のうち、インフルエンザや流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などの24種類に関しては、医療機関の中から選んで報告の協力をしてもらっている定点医療機関からの報告を算定している。対象となる感染症について、1つの定点医療機関当たりの平均報告数が定点当たり報告数ということになる。例えば、東京都には419カ所(2019年10月現在)のインフルエンザ定点医療機関があるが、ある週のインフルエンザの報告数が500人だった場合、500/419=1.19というのが定点当たり報告数
※2:Satoko Sunagawa, et al., "An Epidemiological Analysis of Summer Influenza Epidemics in Okinawa." Internal Medicine, Vol.55, 3579-3584, 2016
※3:久場真由仁ら、「沖縄県における2016/17シーズンのインフルエンザ流行の特徴」、沖縄県衛生環境研究所所報、第51号、2017


 細かいことですが、インフルエンザの型の表記がちょっと・・・正確には、
 A香港型→ A(H3N2)
 2009年パンデミック型→ A(H1N1)pdm
 です。
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