新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

自民党の党是は安倍晋三の捏造だった!?

2019年05月03日 12時12分47秒 | 憲法改悪

昨日、「『憲法を守り』から『憲法にのっとり』への違和感」の最後で、新天皇・徳仁の「おことば」について、オジサンは「改憲を目論む安倍晋三に恭順の意を示したのだろうか」と下衆の勘繰りをつぶやいた。
 
実は、既にこの「おことば」に対しては弁護士の澤藤統一郎が痛烈な批判をしていた。
 
その一部を紹介しておく。「新天皇就任の発言を逐語的に点検する。」 
 
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・・・前略・・・
 新天皇(徳仁)は、この行事で次のように発言したという(宮内庁ホームページから引用)。
「日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより,ここに皇位を継承しました。この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。
顧みれば,上皇陛下には御即位より,三十年以上の長きにわたり,世界の平和と国民の幸せを願われ,いかなる時も国民と苦楽を共にされながら,その強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ,一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としてのお姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。
ここに,皇位を継承するに当たり,上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し,また,歴代の天皇のなさりようを心にとどめ,自己の研鑽さんに励むとともに,常に国民を思い,国民に寄り添いながら,憲法にのっとり,日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い,国民の幸せと国の一層の発展,そして世界の平和を切に希望します。」
 
この方59歳だというが、この発言の文章は極めて幼い印象。社会経験ない故か、社会常識を弁えた内容になっていない。自分の父母に敬語を使い、身内の業績を褒め称えるのは見苦しい。皇室は特別という非常識は、今の世には通じないことを知らねばならない。「お姿に心からの敬意と感謝を申し上げます」などは、非公開の私的な席で親にいう言葉であって、国民に向かって公式の場で述べる言葉ではない。以下、逐語的に点検して、意見を述べる。
「日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより,ここに皇位を継承しました。この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。」
そんなに、力むことも緊張することもない。日本国憲法は、天皇個人の見識や判断を問すべき事態を想定していない。もちろん、天皇が責任を問われることもない。天皇とは、内閣の指示のとおりに動くことで勤まるので、「重責を思う」必要はさらさらにない。
「顧みれば,上皇陛下には御即位より,三十年以上の長きにわたり,世界の平和と国民の幸せを願われ,いかなる時も国民と苦楽を共にされながら,その強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ,一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としてのお姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。」
この文章には、前任者の「象徴としての行為」を肯定して、これを承継しようという含意が滲み出ている。前任天皇の「象徴としてのお姿」は、けっして国民の「総意」に適うものではない。とりわけ、内閣の助言と承認を離れた「象徴としての(公的)行為」を拡張しようとする指向は違憲の疑い濃く、危険なものと指摘せざるを得ない。
そもそも日本国憲法の天皇とは、「何かをなすべきもの」と期待されてはいない。徹底して「あれもこれも、してはならない」ことが規定されているのだ。「前任天皇の行為を踏襲をする」との発言は、国事行為の場にはふさわしからぬものとして慎むべきであろう。
「ここに,皇位を継承するに当たり,上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し,また,歴代の天皇のなさりようを心にとどめ,自己の研鑽さんに励むとともに,常に国民を思い,国民に寄り添いながら,憲法にのっとり,日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い,国民の幸せと国の一層の発展,そして世界の平和を切に希望します。」
切れ目のない長い一文だが、問題が多い。
「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し」は、既に述べたとおり。
「歴代の天皇のなさりようを心にとどめ」とは、いったい何のことだ。そもそも、国民主権下の天皇は、裕仁・明仁の2人しかいない。まさか、「侵略戦争を唱導して国民と近隣諸国の民衆を塗炭の苦しみに突き落とした天皇のなさりよう」や、「統治権・統帥権の総覧者としての天皇のなさりよう」を真似ようということではあるまい。また、神権天皇や、臣民をしろしめす天皇のなさりようを心にとどめてはならない。新天皇発言のこの部分には、日本国憲法下の天皇は、それ以前の天皇とは隔絶した存在であることの認識が欠けているといわざるを得ない。
「常に国民を思い,国民に寄り添いながら」とは、上から目線の僭越な言葉。国民から徴税した潤沢な資金の支給で衣食住に困らない立場の者が、国民の困苦を理解できるのだろうか。同じ日のメーデー会場では、「8時間働いて普通に暮らせる賃金を」という切実な要求が掲げられていた。恵まれた環境で、「常に国民を思い,国民に寄り添いながら」は不遜というべきだろう。
「憲法にのっとり」は、公務員であるからには当然だが、やや舌足らず。前任者の就任時の言葉と比較して批判されてもいるところ。端的に「憲法第99条にもとづき、日本国憲法を尊重し擁護する義務を負うことを自覚して」というべきだろう。他の公務員にもまして、厳格な憲法遵守義務擁護の宣誓があってしかるべきである。
「日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い」は、実は無内容なのだ。象徴とは存在するだけのもの、何かの積極的行為によって「何らかの具体的な責務を果たす」ことを誓ってはならない。前述のとおり、天皇の責務とは、基本的に不作為なのだ。
「国民の幸せと国の一層の発展,そして世界の平和を切に希望します。」
「祈る」を避けての「希望する」は、適切な語彙の選択と言えよう。「祈る」「祈念する」「祈願」、あるいは「御霊」「慰霊」「鎮魂」などの宗教的色彩の強い用語は、公的な場では避けなければならない。政教分離とは、かつての神権天皇制による国民意識操作の反省に基づいて、天皇の公的行為から一切の宗教性を剥奪したものなのだから。
総じて言えば、天皇とはなにごともなさないことが責務だと自覚すべきなのだ。新天皇の最初の発言が必ずしもそうなっていないことに、主権者の一人としての立場から、懸念の意を表しておきたい。
(2019年5月2日)
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戦前なら「不敬罪」で捕まるところだが、現憲法のお蔭で表現の自由を手に入れた主権者としては当然の表明であろう。
 
さて、今日の憲法記念日は10連休の中でも最高の天気で夏日になるところも多いらしい。
 
憲法記念日で忘れてはならないのは、「改憲オタク」の安倍晋三である。
 
2年前には、あたかも讀賣新聞の販売促進を国会の場で堂々と発言し、その後、立憲民主党の逢坂誠二から、「読売新聞上の『安倍首相インタビュー全文』に関する質問主意書」が出される始末となった。
 
この件に関しては、TBS「報道特集」のメインキャスターの金平茂紀は、「ついに報道の一線を越えた読売新聞の『改憲プロパガンダ』」という記事の中で、「腐った権力者には、ほら、腐った太鼓持ち、愛玩犬、御用記者、女衒、側女たちが擦り寄っているなあ」と安倍晋三と讀賣新聞の渡邉恒雄主筆を痛烈に批判していた。
 
そして今年は讀賣新聞ではなく、まさに政権擁護紙の産経新聞で、「【憲法記念日】安倍首相「改憲の旗揚げている」 与野党超え結集努力」と言っていた。
 
その記事の中で安倍晋三は「自民党は憲法改正の旗を掲げ続けている。結党以来の党是であるにもかかわらず、わが党の中にも改憲に反対する人がいたが、その余地はなくなった」とお得意の「党是」を持ち出していた。
 
ところが、昨年9月には「『自主憲法制定は自民結党以来の大方針』――安倍首相の言葉は歴史修正だった?」という記事が週刊誌にでていた。
 
記事中にはこんなことが明らかにされていた。
 
「1955年に自由党と日本民主党が"保守合同"で合併し、自由民主党(自民党)を結成した際の立党宣言や綱領には、『憲法改正』の4文字はどこにもないんです。党の最上位文書に当たる綱領ではっきりと改憲がうたわれるのは、それから50年後の2005年のことです」(全国紙政治部の自民担当記者)
 
「55年の結党当時、軽武装・経済重視の自由党が憲法改正に慎重な一方、日本民主党は自主憲法制定・再軍備に熱心と、両党の姿勢には温度差がありました。その差を突き詰めてしまうと、対立が深まり、保守合同がおぼつかなくなる。それであえて綱領には盛り込まなかったのでしょう。
つまり、憲法改正に関しては60年前から、自民党内にさまざまな論議や立場があったということです。それなのに、『党是』のひと言であたかも当時から改憲モード一色だったかのように語る首相の説明は、有権者をミスリーディングするものと批判されても仕方ありません」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫)
 
「自民党結党以来の党是」という安倍晋三の常套句が「嘘の玉で箱」に新たに加わってしまった。
 
あらためて憲法改正への動きを確認しておこう。
 
すくなくとも、「『憲法は公権力を縛るルール』という定義を理解していない方と議論しても仕方ない」という立憲民主党の枝野幸男代表の主張は正論である。 
 
 「自民改憲条文案後 憲法審議論ゼロ 急ぐ首相 与野党分断
 
     
 
     
                【東京新聞より】
 
中山太郎は「与党の慢心と野党の恐怖心 改憲議論を阻害 元衆院憲法調査会長・中山太郎氏に聞く」では、こう答えていた。
 
「目標を持つこと自体は否定しないし、総裁の発言が党内論議を加速させたのは事実。ただ、憲法改正は国会の仕事だから、これより先の議論は、国会での各党の取り組みに任せればよい。国会は期限を設けることなく熟議してほしい」
 
「幅広い合意のないまま提出や発議をしても、国民投票で承認を得ることは困難。憲法改正を真に実現したいのであれば、与野党の合意形成に粘り強く努力すべきだ」
 
その通りであろう。
 
最後に慢心自民党のHPが炎上中である。
 

どうやらパクリの可能性もある自民党のHP。

 

雉も鳴かずば撃たれまい」こんな諺が頭をよぎってしまった憲法記念日である。


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