新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

不都合なことはないものにしたい歴史修正主義集団の安倍政権

2019年11月08日 12時05分15秒 | 安倍晋三

8月25日の日米首脳会談で、トランプ大統領から米国産トウモロコシを押し付けられ、それに対して安倍晋三は「害虫対策の観点から(日本企業が)購入を必要としている。緊急に購入しなければならないと民間が判断している」と言っていたことが、実は真っ赤な嘘だったことが明らかになっている。

米国産トウモロコシ、日本企業買い手なし 『緊急購入』実現せず



「トランプを激怒させることになる米産トウモロコシ輸入ゼロ」ということになれば面白いかもしれないが最後は税金で買わされるという最悪のことになる可能性が大きいようだ。  

さて、テレビの刑事ドラマなどでは、冒頭から「殺人事件」が発生し、死体の周りには鑑識課の担当者たりが詳細に証拠物を探している、というシーンをよく見かける。

用意周到な計画的な殺人事件などは、犯人の指紋はもちろん、加害者の形跡を一切残さず、時には被害者の身元を確認する物も一切ないという場合もある。

それでも被害者の顔写真を基に丹念に身元を調べれば犯人との接点が徐々に明らかになってきて、最後は犯人に辿りつく、といった予定調和のストーリが用意されている。

基本は「勧善懲悪」なので犯人は決して逃げ切ることはない。

ドラマの中では様々なタイプの刑事が登場したり、時には警察組織に属さない「名探偵」が些細なヒントから犯人を突き止めるということもしばしばある。

これらは、全て「物証」というものが存在するので、事件の真相に辿りつくのであるが、もちろん実際の殺人事件などはしばしば迷宮入りになることも少なくはない。     

少々、前置きが長くなったが現在の日本の政治の世界では、さまざまな閣僚を始め議員連中(ほとんどは自民党だが)の不適切な発言や問題発言が、政府の公式文書である国会議事録から削除されているという由々しき事態が1年ほど前に問題になった。 

当時の東京新聞の豊田洋一・論説委員が「議事録は削除するな!」というタイトルでこんなコラムを書いていた。

国会の議事録から、発言を削除する事態が相次いでいる。渡辺美樹自民党参院議員は過労死遺族の前で「週休7日が幸せなのか」、和田政宗同党参院議員は「森友学園」をめぐる文書改ざん問題で、太田充財務省理財局長に「安倍政権を陥れるために意図的に答弁しているのではないか」と述べた。とても適切とは言えず、議事録からの削除が決まった。
 不適切発言を消し去りたい気持ちは分からなくはないが、発言した事実も重い。与野党一致とはいえ、簡単に削除していいのか。
 思い出すのは一月に亡くなった野中広務元自民党幹事長の発言だ。米軍用地を強制使用するための特別措置法改正にあたり「再び国会の審議が大政翼賛会のような形にならないよう若い皆さんにお願いしたい」などと述べたが、不規則発言として削除された。
 さかのぼれば、後に首相を務めた中曽根康弘氏が日ソ共同宣言の賛成討論で「涙をのんで賛成する」などと述べたことに野党側が反発し、演説全文が削除された例がある。
 昨今の議員とは同列には論じられないが、いずれも日本政治史における貴重な発言だ。議事録に残っていないのは残念でならない。
 そこで提案。国会での発言は不適切でも削除せず、その部分と理由を追記して残すことにしたらどうか。議事録から削除できず、歴史の検証にさらされると自覚すれば、不適切発言も減ると思うのだが。 (豊田洋一)


基になった東京新聞記事はWeb上では削除されていたが、残っていた記事もあった。 

<議員「失言」削除でいいの? 事実ゆがめる/圧力になる場合も 議事録、専門家ら懸念>
 2018年4月4日05時00分 朝日新聞DIGITAL
 批判を受けたら議事録削除? 最近、国会でそんなケースが相次いでいる。だが、議事録は、発言した政治家の資質や発言のきっかけになった政治的背景を知るための材料で、史料としての価値がある。そもそも、一度出た言葉は簡単には取り消せないもの。削除は安易すぎないか。
 「民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めており、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているんじゃないか」。森友学園の土地取引をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題が取り上げられた3月19日の参院予算委員会。自民党の和田政宗氏は、財務省の太田充理財局長に問うた。
 しかし、自民党内でも批判が広がり、翌20日の予算委理事会で、和田氏本人の同意を得て議事録からの削除が決まった。麻生太郎財務相まで「その種のレベルの低い質問はいかがなものか。軽蔑はします」と述べた。
 13日の参院予算委中央公聴会では、自民の渡辺美樹氏が、過労死した人の遺族に「国会の議論を聞いておりますと、働くことが悪いことであるような、そんな議論に聞こえてくる。できれば週休7日が人間にとって幸せなのかと、そのように聞こえてくる」などと発言。遺族らが発言の撤回と謝罪を求め、議事録から削除される予定だ。
 衆参両院の規則では、削除を含む「訂正」は「字句に限る」とされ、発言の趣旨を変更することができないと定められている。だが、実際は「失言」に近い発言が取り消されるケースもある。国会法や規則では、議長や委員長が議会の品位を傷つけたと判断すれば、その議員の発言を取り消すこともできる。
 議員にとって国会での発言は重いはずだが、批判されたからといって、簡単に削除していいのか。武蔵勝宏・同志社大教授(立法学)は「和田氏や渡辺氏の発言が、言い間違いや錯誤に基づく発言だったといえるのか疑問だ。国会での発言に議員は責任を負うべきで、今回のような発言の訂正を安易に認めるのは事実をゆがめる。どんな問題発言でも、記録に残すべきだ」と指摘する。有権者にとっては選挙で候補者を選ぶ際の参考にもなるが、発言が削除されては判断もできない。
 発言の削除や修正の要求は、議員への「圧力」になる場合もある。社民党の福島瑞穂氏は2015年4月の参院予算委で、当時の安全保障関連法案を「戦争法案」と呼び、自民党理事が修正を要求した。結局、理事会の協議で「発言通りとする」と決まったが、「政府・与党が気にくわない発言だから削除だということになれば、国会は成り立たない」(松野頼久・維新の党幹事長=当時)との批判も出た。
■痕跡残らず、検証困難に
 仮に削除したり、修正したりする場合でも、方法が問題だ。(1)削除した部分を太線に置き換える方法と、(2)字句そのものを削除したり、書き換えたりする方法――の二通りある。
 (1)の場合、削除された箇所はわかる。しかし、内容を知るには、衆参両院がネットで公開している動画などで確認するしかない。衆院文部科学委で昨年11月、日本維新の会の足立康史氏が特定の議員を「犯罪者」と名指しした発言は、太線に置き換えられた。
 だが、和田氏の発言は、理事会での協議の結果、修正の痕跡が残らない(2)の形で削除される予定で、議事録を見ても、どの発言が削除されたかがわからない。
 公文書管理に詳しい下重(しもじゅう)直樹・学習院大准教授は「公文書管理の観点から、(元の発言を)訂正したこともわからない状態になることは問題だ」と指摘。「削除や訂正の判断は、その時々の政治の論理に左右されがちだ。どんな発言が、なぜ訂正されたのかの過程もきちんと公開し、その判断の是非も含めて国民が検証できるようにする必要がある」と話す。
■議事録から削除された最近の国会議員の主な発言(一部は予定)
 ◇17年11月15日 足立康史衆院議員(日本維新の会) 衆院文部科学委
 加計学園の問題について、他党の議員3人の名前を挙げ、獣医師会から献金をもらって国会質問しているとして「犯罪者」などと表現
 →太線に置き換え
 ◇18年2月28日 福田昭夫衆院議員(無所属の会) 衆院本会議
 森友学園について「安倍総理のお友達が理事長を務めていた」
 →削除
3月13日 渡辺美樹参院議員(自民) 参院予算委中央公聴会
 過労死の遺族に、「国会の議論を聞いていますと、働くことが悪いことであるかのような議論に聞こえてきます。お話を聞いていますと、週休7日が人間にとって幸せなのかと聞こえてきます」
 →一部を削除
 ◇3月19日 和田政宗参院議員(自民) 参院予算委
 財務省の太田充理財局長に「民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めており、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのか」
 →一部を削除

話しは少しさかのぼるが、こんな「笑えない」場面が国会で繰り広げられていたことがあった。



もっとも安倍晋三のこの発言は単なる「失言」ではなく、知識不足でもなく本音に近い発言だった。

しかし、さすがに内閣の総理大臣の発言としては余りにも不適切であるということから、衆院国会議事録で「行政府の長」に修正されていたが、「『立法府の長』発言を削除 安倍首相、反省なく議事録で」と赤旗で批判されていた。

しかし、最近は国会議員の発言の削除行為が一般人にまで及んでいた。

<政府への異論 議事録削除 社会保障検討会議>
 2019年11月8日 朝刊 東京新聞
 政府が9月に開いた全世代型社会保障検討会議の初会合を巡り、有識者メンバーとして政府方針と異なる意見を述べた中西宏明経団連会長の発言の一部が、公表された議事録に記載されていないことが7日分かった。政府が見直しを検討している「在職老齢年金制度」に言及した部分で、複数の会議関係者が「削除された発言がある」と明らかにした。異論を表面化させない意図が働いた可能性がある。
 社会保障に関わる幅広い検討を行い将来にわたる制度改革を決める重要会議で、議論の透明性を担保するはずの議事録の削除があったことに、専門家からは「政策決定過程の信頼性を損ないかねない」との批判も出ている。
 問題の議事録は、安倍晋三首相が議長を務めた9月20日の会合で、閣僚や有識者ら出席者の発言を記録したもので、10月4日に首相官邸のホームページに公開された。
 会合では、一定以上の収入がある働く高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度を巡り、高齢者の働く意欲を損なっているとして政府が検討している制度見直しを議論。複数の関係者によると、中西氏は「経営者から見ると(働く高齢者の)意欲を減退させることはない」などと発言し政府方針に異論を唱えた。
 しかし議事録からはこの発言が消され「(制度見直しで年金財政が悪化するなど)財源の問題もあるので、慎重に検討した方がいい」とする部分だけが掲載された。
 中西氏は取材に対し、削除された内容を会議の場で発言したのは事実とした上で、議事録の記載は「政府側の判断だ」と述べた。一方、会議の事務局の担当者は「所定の手続きを踏んでおり、適切に処理したと考えている」とコメントした。
 公文書問題に詳しい東京大の牧原出(いづる)教授(政治学)は「発言内容をできる限り記録に残すのが公文書の原則だ。異論をないことにしてしまう安倍政権の体質が出ている」と指摘した。


「所定の手続きを踏んでおり、適切に処理した」ということは、発言者の同意を得て、発言部分が「不適切」だったので削除したということなのか?

日本の内閣府に設置されている「重要政策に関する会議」の1つである「諮問会議」などは、政府の政策に合わせるように関係官僚の事務方が筋書きを作成して結論に導いている。

たとえ予定調和の会議でも、結論に至る過程で出された発言は、とりわけ「反対意見」などは正確に残しておくことが民主主義の正しいプロセスであるはずである。

導入延期になった「英語民間試験」でも非公開の会合ということで議事録を隠していたりしたが、森友学園疑惑で顕著になった安倍政権のこうした公文書の隠蔽や改竄という行為は、まさに都合の悪いことはなかったことにするという歴史修正主義そのものなのであろう、とオジサンは思う。

 


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