テレキャス&ストラトの部屋

RolandのGT-001とzoomMS-50GでDAW制作を楽しんでいるよ

アーム付きギターのメンテナンスって深いね

2011年10月20日 | 日記
先日、ちょっとした買い物があって仕事の帰りに楽器店に立ち寄った

学生風の若者3人がエレキギターのコーナーで何やら相談していた

「アームってチューニングが狂うらしいよ・・」

「アーム無しのギターがいいんじゃない?」

少々経験がありそうな1人が初心者の友達にアドバイスをしていたのだ


聞き耳を立てていたわけではない・・

今後の音楽制作において若者の意見は何かと参考になるのだ


どうやら、初心者の学生さんはスティーブヴァイやジョーサトリアーニのファンらしい

私は心の中で呟いた

『世代を超えて人気があるんだなぁ・・・』

『本当にカッコいいギタリストだよね・・』

その子たちに私の心の声が届いたかは分からないが・・


両氏はアイバニーズと契約しているギタリストなのだ

しかも、共にアームプレイを得意としているのだ


この流れから考えるとアイバニーズの入門モデルを購入するのが妥当だと思う

しかしながら一生懸命にアドバイスしている友人は過去の『苦い経験』を思い浮かべているようなのだ

「アーム付きだってチューニングは狂うんだよ」

「弦交換も面倒臭いし・・音程を合わせるのも一苦労なんだ」

アームに対してあまり良い印象を抱いていないようだ


正直なところ、私も彼と同様の意見を持っている

しかしながら、それを克服した後に待っている『官能的なアームプレイ』(大袈裟かな?)は魅力だと思う

文章では上手く伝わらないかもしれないが・・・

指先を使ったチョーキングやビブラートでは出せない味わいがある

私は曲調によってはコード(和音)を揺らすことも多い

過激なアームプレイをしなくても十分に存在感を感じることができるパーツなのだ


実際のところ、複数本のギターを所有する人はどんなギターを選んでいるのだろうか?

楽器好きの私は何かと楽器店に出入りする機会が多い

多い時には週に3回くらい足を運ぶこともある

買い物が無くても楽器屋さんは歓迎してくれる


楽器屋さんの店員さんたちと会話をする機会も多い

よくこのブログに登場する『お兄さん』がいるお店が一番多いのだが・・

他にも馴染みのお店が数軒ほどあるのだ


店員さんの趣味?かもしれないが『得意なジャンル』があるのが興味深い

どの楽器屋さんも一応にアコギやエレキなど、すべてのギターが揃っている

ちなみに良く登場する楽器屋さんではIbanezを一切取り扱っていないのだ


世界で一番売れているメーカーにも関わらず・・・

要するに仕入れを担当するスタッフの趣味と好みなのだ

むしろ、何でも均等に並んでいる楽器店よりも好感が持てる


・・という事で私の愛器であるIbanezは他の楽器店で購入した唯一の一本なのだ


若い店員さん(20代前半)は基本的にロック式のアームが好きなようだ

店長&副店長クラスの中年のオジサンになると『アーム無し派』が圧倒的に多い


何となく読者のみなさんも予想していたのでは?

私の場合には中年オヤジにも関わらず2対1でアーム派なのだ

まぁ、欲しいギターを購入した結果だが・・・


それでもB.C.Richの件から読んでくれている読者の皆さんはご存じだと思うが
これでもある程度はラインナップを考えて揃えているつもりなのだ

BCの後にストラトを買い足したのでは音的にあまり意味がない

結果的にレスポールというギターに到達したのだ


AriaとIbanez共にアーム付きのギターだが機構がまったく異なる

共通点は『アーム付きギター』ということだけなのだ


2本のアーム付きギターを所有して感じたのだが・・

フィーリングがまったく異なるのだ

Ariaの操作性は非常に軽い

指を軽く当てただけで音程が変化するほど柔らかく繊細なのだ


一方のIbanezは対照的に非常にタッチが重いのだ

どちらが優れているという事はないようだ

要するに使用目的と好みの問題だと思える


楽器店のお兄さんに質問してみたのだが・・

チューニングの狂い軽減という点ではロック式が圧倒的に有利なようだ

しかしながらメーカーを問わずそのフィーリングは重い傾向にあるようだ


一流のプロたちもこんな事を頭に入れて使用ギターを決めているのだと思う

プロにもアーム派とアーム無し派がいるが・・

ロック式とロック無しを併用している人は少ないように思う

つまり、音楽のスタイル(演奏のスタイル)が確立しているが故だと思える


Ariaのフィーリングに慣れていた私には後から購入したIbanezのアームが使い難かった

気になれば気になるもので・・アームの形状までAriaをコピー(加工)してしまったのだ

Ibanezのアームを数センチほどカットしたのにはもう一つの理由があるのだ


座イスに座って演奏する事が多いのだが長いままでは太ももにアームの先端が当たってしまうのだ

常にアームを使っているわけではなく、使わない時には下側に下げておくのがお約束なのだ



実はここからがちょっとした問題の始まりなのだ

Ibanezはロックナットを採用する他に独自のチューニング狂いの対策を施しているのだ

それが『ゼロポイントシステム』なのだ


何のことやら?

という読者の方も多いと思うのでもう一度ご説明させていただく

通常のアームシステムの場合ロックを問わず、バネの張力と弦の張力で中心を取っている

これはロック式のフロイドローズも同様なのだ

ある意味ではフロイドも私のAriaのナットにロックを取り付けたようなものだと理解してほしい


研究熱心なIbanezは弦の張力に関係なくブリッジが中央に戻る機構を採用しているのだ

聞いた話では特許出願の優れモノらしい・・


これにより弦の交換後にもチューニングが激的にし易くなったのだ

ライブなどで弦が切れることもあるだろう

そんな場合にも極力音程をキープしてくれるのだ

試しに実際に切れやすい1弦を外して実験してみた

何とかバランスを保っていたようだ


しかしながら、これが曲者なのだ

アームを上げるにも下げるにも強力なバネが邪魔をする

Ibanezのサイトによると好みでバネを取り外すことも可能らしいのだ

とりあえずお試しということで2本のバネを外してみた






元の状態はこんな感じなのだ



通常のアームと比較するとメカっぽいと思う


結論から先に述べよう・・

バネはそのまま付けておいた方が良さそうだ


バネを外したことによってブリッジがかなり前のめりになってしまったのだ

アーム棒の先端とボディの距離が近くなってしまった

非常にアームプレイがし難い状況になってしまったのだ

しかも、チューニングも不安定になってしまった


まったくもって良い点が一つもない

何でも試してみなくては納得できない性格なのでチャレンジは無駄ではないと思う

「このアームはこういう感じなんだなぁ・・」

と割り切ることができるのだ


悪いことばかり書き連ねてしまったが・・

良い点もいくつかあるので紹介したい

一つはバネレートの調整が非常に簡単なのだ

通常はドライバーでバネの伸び具合を調整するのだが私のギターはダイヤルが付いている



説明の為にフタを外しているが閉じてもダイヤルが顔を出している

これは非常に重宝している

新品の弦に交換した際などには微調整が必要になることが多いのだ


二つ目はバネの硬さ故にアームの戻りが速いのだ

何と表現したら良いのか・・?

安定感があるのだ

テンポの速い曲の場合などにはAriaよりもプレイし易いと感じることも多い



もちろん、ルックス的なカッコ良さも気に入っている点なのだ


とりあえずフレットが擦り減るまで使い込んでみたいと考えている

たぶん・・フレットの打ち換えはしないような気がする


結局のところ、ロック式にしてもロック無しにしても
激しいアームプレイでチューニングが狂わないギターは存在しないということなのだ

上の画像でもお分かりだと思うが・・

それ故に『ファインチューナー』なる小ネジが便宜的に取り付けられているのだ

チューニングが狂わないという前提ならば必要ないと思う



とにかくアーム付きのギターは数倍も手間と時間がかかる

チューニングが狂うならば、むしろロック無しの方が簡単だと思える

当たり前だがチューニングが狂ったらその場で修正すれば済む話なのだ


Ariaのようなトレモロタイプのアーム狂いには幾つかの原因が考えられる

ペグの精度、弦の巻き方(巻き数など)ナットの溝の状態・・

私の場合にはこの3点に的を絞って調整しているのだ


ペグに関しては信頼のブランド『ゴトー』だけの事はある

非常に滑らかで安定感がある

高いお金を出してペグの交換をする人の気持ちがわかる

まぁ、最初からゴトーのペグ付きを買えばよいのだが・・

気に入ったギターに他のブランドのペグが付いていることも多いと思うので仕方がない



何故にブランドによって精度が異なるのか?

おそらく内部のギアとオイルに秘密があると思う

楽器屋のお兄さんでも詳しくは知らないらしい


弦の巻き方は初心者にとって難関だと思う


”ただ巻けば良い!”

と信じて疑わない人が多いのも事実だ

実際に数年前の私も同様の考えをしていた

巻き数などはその時の気分というルーズな感じだった


何巻きか?これに明確な答えはない

自分のギターに合った巻き数を研究するしかない

しかしながら、基本はある

6弦側の太いゲージの巻き数を少なく、1弦側の細いゲージを少々多めに巻きつける

すべての弦の巻き数が同じということはありえない


興味深いのは楽器店によって店頭のギターの弦の巻き数に違いが見られることなのだ

プロだけにハチャメチャな事はないが・・・

各店舗、店員さんごとに微妙な癖が見られる


以前にちょっとしたメンテで副店長さんにギターを預けたことがあるのだ

仕上がったギターの弦を見ると完璧なのだ

流石に中間管理職のテクは凄いのだ


弦の巻き方だけは私も副店長さんと同等のレベルに達した感がある

非常に速いペースで弦交換をしているので練習になっているのだと思う

しかも、その都度に『テーマ』を決めている

「今回は2巻き半で巻きつけてみるぞ!」という感じなのだ


自分のギターに適切な巻き数が見つかったならば次はナットの調整なのだ

基本的に出荷の段階で完璧になっている

しかしながら、アームを使うことを前提とはしていないようだ


新品のギターの場合にはナットと弦の滑りが渋い場合が多い

強制的に溝を広くすることもできる

弦を張る前に溝に弦を擦り付けるのだ

ただし、削り過ぎは厳禁なのだ

失敗したならば、ナットの交換しか手段はない


私の場合は無理やりにアームを何度も動かすことで時間をかけて馴染ませていった

時間はかかるが失敗がない確実な方法だと考える


ナットの滑りを良くする方法として・・

”鉛筆を塗る”という古典的な方法がある

塗るとは妙な表現だが・・鉛筆の芯を塗り付けるというイメージなのだ

あの粉の感じが良いようだ


以前はホームセンターで購入した潤滑剤を使っていたのだが使用感は良いのだが持続力がなかった

数回のプレイの度に吹きつけるという感じだったのだ

ナット以外の部分をティッシュなどでマスキングしてから作業するのだ


最近、私も遅ればせながら『鉛筆デビュー』してみた

半信半疑だったのだが・・これが思いの外良いのだ

鉛筆の硬さだが私は2Bを使っている


こんな所で鉛筆を使うとは思ってもみなかった

数十年ぶりにカッターで鉛筆を削ったのだ

「子供の頃はこんな感じだったよなぁ・・」

ノスタルジックな気分に浸っていた


ちなみに最近購入したレスポールにも同様の作業を施した

「アーム付いてないんじゃない?」

と思われた方も多いと思う


アームは無いがチョーキングやビブラートに有効だと考えたのだ

これが最高なのだ(^O^)/

多少の汚れは気にしない

掃除すれば済む話なのだ


チューニングが不安定な人で『鉛筆効果』を一度お試しあれ。。


まだまだ語りたいことがあるが・・

ブログが重くなってきたのでこの辺で・・・




すでに次回作の制作に取り掛かっている

もう少々お待ちいただきたい












コメント (1)
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