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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

がっかりしました・・・。

2017-06-13 13:09:16 | 私の読書日記
村上春樹の「辺境・近境」という旅のエッセイを読んでいたんだけど、がっかりしたことがあって。


メキシコのインディオの住むとても貧しい村で、ある美しい8歳の少女からバックを買ったらしいんだけど、
その際、値切ったり交渉したり、妥協したりの末にやっとおちついたその4000ペソ(当時のレートでおよそ160円)を払うのに、財布に1万ペソ(およそ400円)はあったにもかかわらず、お釣りはないだろうと踏んで、細かいお金であった3500ペソで勘弁してくれないか、これしかないからと言い切って(本当に、財布にそれしかなかったなら仕方ないが)買ったらしいのだ。

“その女の子は、ものすごく哀しそうな目で、長いあいだじいいいいいいっと僕の顔を見ていた。まるでスクルージ爺さんを見るみたいに。それから何も言わずに僕の3千5百ペソを受け取ってあっちに行ってしまった。今でもその女の子の目を思い出すたびに、僕は自分がこのララインサールの村で極悪非道な行ないをしてしまったような気がする。”「辺境・近境」メキシコ大旅行より抜粋。



だいたい、貧しい村で8歳の子相手に、160円程のカバンをわざわざ値切ったり、交渉したり妥協したりしなくてもいいものではないか?
もう既に売れっ子作家だっただろうに。

そして、それだけ交渉して決まった金額を、財布に本当は1万ペソ札があったにもかかわらず、お釣りがこないだろうことを危惧して、更に無理やり値切っで支払ったのだ。

正直唖然とした。

これまで色々な旅もののエッセイを読んでいてうっすら感じていたケチなのかな??という疑問が、これで証明された。

この人は生まれつきケチなのだ。

自分が飲みたいワイン代はケチらないくせに、そんな小さな子供に、たった日本円にして240円多く払うことをためらうのだ。

と思うと、もう続きを読む気があまりしなくなった。


たしか昔、イタリアで10万円くらいの航空券代がフイになりそうになって、物凄い躍起になって取り戻そうとしていたけど、
この人は、正真正銘のスクルージ爺さんなのだ。

ここで、多くあげたところでその子のためにならないと思ったのだろうか、ほかにもメキシコで民芸品を買うのに、少々高いし、値切り禁止だったということで、買うのをやめたと書いてあったが、山ほど持っていても、まだまだ欲しくてレコードは買うのにね。


本当にがっかりした。

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