建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
労働相談は、095-801-8800まで。

「過労死をなくそう!長崎県民のつどい」開催される

2015年11月14日 08時51分38秒 | 活動報告

かけがえのない大切な人のいのちを守るために「過労死をなくそう!長崎県民のつどい」(同 実行委員会主催)が11月14日、長崎タクシー会館で開催されました。「過労死防止基本法」が昨年6月20日参議院本会議で全会一致で成立し、同年11月施工されました。今回のつどいは、法施工をうけて行われたものです。建交労長崎県本部も実行委員会に参加し、つどいの準備に関わってきました。この日も、九州支部長崎分会の組合員を中心に12名が参加しました。

 主催者を代表して中川拓実行委員長(弁護士)が、あいさつを行いました。中川弁護士は、労働弁護団になろうと思ったきっかけが、電通過労死事件の本を読んでからだったと紹介しました。来賓として長崎労働局の牧山秀士労働基準部長(写真)があいさつを行い、過労死防止法成立に「家族の会や弁護団が奮闘された」と述べました。

 第1部は、松丸正(過労死弁護団全国連絡会議代表幹事)弁護士が、「命や家族より大切な仕事ってなんですか」と題して講演を行いました。松丸弁護士は「1981年7月に急性死等労災認定連絡会」発足時から過労死事件と出会い、ベアリング工場班長(48歳)の心筋梗塞死、大手居酒屋チェーン新入社員(24歳)の急性心臓死などに取り組んできた経験からどのようにしたら過労死をなくすことができるのかを熱く語りました。松丸弁護士は過労死が生じる原因として「労働基準法の岩盤が崩れていること」「36協定が液状化していること」などの問題点を指摘し「労働時間の適正把握が必要」と述べました。

 第2部は、「息子の過労死から過労死等防止対策推進法成立へ」と題して、西垣迪世(にしがきみちよ)さんが報告しました。迪世さんの一人息子和哉さんは、富士通SSLでシステムエンジニアとして働いていましたが、37時間連続勤務を含む長時間労働で2006年1月27日、27歳の若さで死亡しました。和哉さんは、うつ病を発症し最後には薬物の過剰摂取で亡くなったのです。迪世さんは、愛する息子の死のショックから自殺も考えましたが、労災請求を行い不支給となり審査請求でも棄却されましたが、行政訴訟で過労死を認めさせました。そして、息子の死を無駄にしないようにと過労死防止法制定に向け奔走しました。

 引き続き長崎労働局の楠本秋彦監督課長が「長崎における長時間・過重労働の現状と過労死対策」について報告しました。楠本課長は「行政の重点課題として取り組んでいる」「着眼点は、(長時間労働を)①事業主が把握しているか ②法廷の割増賃金が支払われているか ③労働者の健康防止がおこなわれているか」「36協定が月80時間以上となっている事業所は局に報告を求めている」と述べました。

 参加者からの発言では、県労連の労働相談に寄せられた過労死の報告や生活保護にかかわる長崎市職員の不足問題などが報告されました。建交労の参加者からも、長時間労働の経験が報告されました。


最新の画像もっと見る