櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

櫻井郁也ダンスソロ「LAND’S END」=いよいよ週末に上演

2008-11-11 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
週末(11/14~15)、新作が幕を上げる。
70分出ハケなしのノンストップ・ソロになった。トランスパフォーマンスだ。
身体内部の音をディープリスニングしながら育てた。いよいよ舞台上で最終的なテーマが一瞬焦点を結び、消える。
「身体それ自体」というところから螺旋をえがくように、試行錯誤。やはり浮き上がってきたのは愛のこと、暮らしのこと。
宇宙、意識、呼吸、すべてそこから、すべてそこへ。生まれたものは必ず、生活を暮らす。
いかに醜悪であれ、生命圏にあって愛の十字架を背負うことになる。逃げきれない。

今日は、仕上げに向けて、稽古をスタッフに公開した。
生死の香りがあるインスタレートを、と美術家。
鋭角の陰影をと、照明家。いかに響き合うか。

構想期間が長く、苦労も多かったが手応えが出てきた。
ぬるくならぬよう、作品は本番ギリギリまで壊しては再生することを徹底させ、お客様の前で初めて完成形としたい。

ダンスをつくりながら、20年ほどシュタイナーをかじってきたのだから、そろそろスピリチュアリズムというものと実作品の重なりを露呈させて良いのではという声がある。
しかし僕自身はというと、もっと生活/暮らしに響くものをと願っている。
韓国のシャーマンダンス、イスラムのセマー、インドネシアのレゴン。いづれも神人のたわむれを思わせるが現場を訪ねたさい、生活の苦楽あってこその強さをこそ感じた。学びは杖にこそなれ、裸の魂そのものをどうにかしてくれるものではない。

淡々とした、しかし、生々しい生活の場所から出てくる喜び悲しみから「のみ」踊りをあぶり出したい、との思いがある。
一本の枯木を再生させるように、物質身体に息を響かせることができればという思いだけでいっぱいであるけれど・・・、
どうなるか。

日ごろ、クラスやWSでは、まず踊ることの楽しさと自己への信頼をこそ発見してもらう方針を貫く。それが根となり翼を育てると信じているから。

そして、ステージは。
踊りに育まれたイノチを提示する場所/時。
踊りから生まれた肉体が「天・地・人」にさらされ鎧を脱ぐ場でありたい。
供犠性、一期一会、真剣の向かい合い・・・。

トランスパフォーマンス、覚醒しつつも無意識の領域が出てくるという状態がほしい。
舞の語源は「まひ(麻痺・真霊)」であるという。
踊ることによって予定調和がゆらぎ、静かに解体して予想外の姿がカラダに宿ってゆく。

肉体の運動によって、意識が「振り」付けられ、命の入れ換えが進んでゆくという妄想へ、走る。

(写真=前回公演より)
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