
動く。蠢く。うごく。ウゴク。
囚われたくないのだ。
動けば動くほど、その動きを動く意味も、動く動機も、
すべてが動きそのものに飲み込まれて消えてゆく。
そして、さまざまな音や声が、きこえてくる感覚だけが、身体のなかを満たしてゆく。
そんなふうに感じることが、たしかにある。
それは、さまざまな音や声をつうじて、他者が、あるいは異なる命が、
身体に染み込んで、内側から無数の言葉をつたえてくるようでもある。
沈黙が訪れる、と思うのは、そんなときだったりする。
沈黙と空虚はちがうのだなあ、と、思ったりもする。
沈黙が訪れたとき、あるいは、
沈黙のなかに入ってゆこうとすればするほど、なのかもしれないけれど、
微細な何かの存在が、私たちと環境を深く満たしていることを、感じる。
私たちは、それらと測り合うように、あるいは、
それらと接しながら、息をしているのでは、と、感じる。
感じながら、動く。動いて、もっと動く。
ともかく、ひたすらに、と思う。
櫻井郁也2018春
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ダンス公演情報(櫻井郁也ダンスソロ最新作)
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