実は昨日から連休でして、その代り、来週の日曜日が出勤となってしまい、「久喜プラネタリウム」で「第三日曜日」に投影されている「かいけつ！ぎもん、天文」を見る事が出来ないので、本日行くことにしました。そして、今月の番組は「カノープス ～見ると長生きできる星～」なのです。
さて、一等星が多い「冬の星座」ですが、「冬の星座」に「1等星」はいくつあるかご存知でしょうか？「1等星」は全部で8つありまして、「オリオン」の「ベテルギウス」に「リゲル」、全天で一番明るい太陽以外の恒星である「おおいぬ」の「シリウス」、「冬の大三角」の一つである「こいぬ」の「プロキオン」、「おうし」の「アルテバラン」に「ふたご」の「弟」の方である「ポルックス」。そして今回の「番組」になっている「りゅうこつ」の「カノープス」です。
それで、この「カノープス」ですが、「シリウス」に次いで「全天2番目の明るさ」で、「3番目の明るさ」である「リゲル」の2倍の明るさ。そして「カノープス」より2倍明るいのが「シリウス」なんですよ。このように「たいへん明るい星」でして「地球からの距離」は「310光年」。恒星としてはそんなに遠くは無い距離ですが、それでも明るさから考えれば遠いですね。また、大きさは「太陽の65倍」もあり、表面温度は「7,500℃」と「白色」の星なのです。
そんなに明るく目立つのに、見た事がある方は少ないのではないでしょうか？それにあまり聞いたことも無いと思います。それもそのはず、「埼玉県内」でしたら「一番高度がある「南中」でもその高さは「２°」。解りやすく言うと、手を伸ばして、「人差し指を寝かしたくらいの高さ」しか無いのですから。少しでも高い建物があればもう見えない程の高さが最大なのですからね。そのため滅多に見る事が出来ない事から「見ると長生きできる」、「縁起の良い星」と言われ、「醍醐天皇」は見た時の嬉しさから「延喜」と元号を変えてしまったほどとか。
そして、世界でも「滅多に見れない」事から様々な伝承がある星でもあるのです。「日本」では「千葉県」、「房総半島」の「南端」付近、今の「館山市」辺りにあった「布良村」では「この星は海で亡くなった漁師たちの魂が集まっており、この星が見える時は海が荒れているから漁に出ない方が良いと教えている」と言われています。また「入定星」、または「西春星」とも言われ、これは１７世紀後半に「赤い星になる」と即身仏になった「西心法師」にちなんでおり、白浜町横渚には塚もあるようですね。どちらも「カノープス」のように「海面すれすれ」にあるような星が見える時は洋上の雲を払ってしまう程の強風が吹き、海が荒れている為に漁に出るのは危険という意味があるのです。そして「紀州」、「和歌山県」や「四国」では、「みかん星」と呼ばれています。これは本来なら「白色」である「カノープス」ですが、日本では「高度が低い」ため「大気減光」で「赤く見える」事から呼ばれています。その他、「出ている時間が短い」ことから「おおちゃく星」なんて呼ばれている場所もあるようですね。「中国」では「七福神」の一人である「寿老人」をあらわしてたり、「ネパール」では大賢人の「アガスティの星」と呼ばれています。
では、肝心の「カノープス」とはと言いますとギリシャ神話の「アルゴー船」の「水先案内人」である「カノープス」からきており、現在では「とも」「らしんばん」「ほ」「りゅうこつ」と四分割されてしまった「アルゴー座」の「船体部分」、すなわち「竜骨」の先端部分に輝いているので「水先案内人」からの名前はふさわしいのでしょうね。
さらに、今から1万2千年後には「南極星」になるともいわれているのです。これは「歳差運動」からの極軸が変化する事により、1万2千年後には「カノープス」が「南極星」になるのです、ただ完全に「天の南極」にいるのではなく、「10°程」離れた場所になるそうです。ちなみに、この時の「北極星」は「こと座のベガ」になります、つまり「ベガの反対側にはカノープスがある」って事になりますね。
「カノープス」ですが、私も見た事が無いのでいつかは見てみたいものですよ。
それでは、本日の登場良人物は「プラネタリウム」な話題でしたのでこの方です。「プラネタリウムの妖精」を名乗っている「天元界 天象運行監視室 第二区域局」所属の「天象精霊」である「カスミ・アウロラ・タマノイ」さんです。「地上世界」、「弓常列島」での「カノープス」の南中高度に見ることの難しさを感じる「カスミ」なのです。
