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円高に喘ぐ製造業

2012-02-25 00:00:00 | グローバル化
 歴史的な円高は目下1ドル80円台で推移している。リーマンショックの傷も癒えたのも束の間、ユーロ危機、円高、災害により輸出企業は呻吟している。国内生産比率が70%のマツダは円高で業績が悪化。エコカー開発や新興国での生産強化のため増資、劣後ローンによる2,327億円の財務強化を発表した。為替変動だけで企業収益が影響を受け製造拠点を転々させるのは由々しき事態である。消費地に近い場所での生産などそのバランス見直しは大切である。だが進出国の経済力が上がり通貨高になれば、再度移転を余儀なくされる。
 一方、ファナックはスマートフォン製造向け工作機械の国内増産の計画を発表した。ロボット活用により稼働率を高め価格競争力を実現するという。日本ヒューレットパッカードもパソコンのメードイン東京を発表した。付加価値が高い多品種少量生産の耐久消費財などは円高であっても国内生産に優位性がある。まずはマーケットを見直し、製品のコスト構造を分析することであろう。困難はあるが市場に合う製品の選択、工程の合理化によるコスト低減、高スキル人材による加工、納期短縮などまだ道はある。この苦境を克服し次の飛躍につなげたい。

(推薦書籍)
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