マールディアの鐘前
クロノの座った台座に書かれた碑文
「王国暦 1000年 マールディアの鐘 われらが平和の祈りよ 鳴りわたれ とこしえに……」
ルッカ「けれど、マールの鐘が鳴り響くことは、もうないわ。永遠に……」
（間）
ミゲル「気にすることはない。エコーにすぎないよ、遠く失われた者達の……。ただの幻だよ。
ようこそ、滅びの塔……タイム・クラッシュ爆心地に！
久しぶりだね、セルジュ君。……と言っても、君はおぼえてないかもしれないな。
それも無理ない。君はまだ、ほんの小さな子供だったからなあ。
私はミゲル。君の父さんの友人さ。
外の時間で言うと、もう１４年にもなるのか、あの嵐の夜から……。
（画面が鐘の更に上へと移動し、夕陽がほとんどメインに映し出され、
そこで画面が夜のクロノポリスに切り替わる。
入口に立つセルジュを背負ったワヅキと、その後方に立つミゲル）
（回想終了。画面、マールディアの鐘の前へ戻る。
正面を向いていたミゲル、再び片足を開いて軽く俯く）
ミゲル「そう、あの１４年前の嵐の夜から、私はずっと、ここにいる……。
もっとも、当時はここも、こんなじゃなかったが……。
１０年前に、ある事件がもとで、死海化してしまったんだよ。
知ってるかい？この世で、死ほど平等で、無慈悲なものはない。
あらゆる生き物は年をとり、やがては死ぬ……。
どんな偉大な生命だろうと、どんなちっぽけな生命だろうと、ね。
それに生きているということは、同時に、ゆるやかに死につつある、ということでもある。
（後ろを振り返る。手は下げている。夕陽を見ているような角度）
しかし、ここにはそれがない。
ここでは何一つ年をとらないし、くち果てて倒れるものもない。
（上半身を抱えるように両手を胸の前に持ち上げ、そのままそれを広げ上を向いて胸をそらせる）
限りなく静かで、美しい。夢でしか見られないような、理想的な世界だろう？
それはここが、どこにも、いつにも、属さない場所、時間…… 殺された未来だからだよ！
歴史は、選択と分岐で成り立っている。
自分で選びとったものが、新たな世界をつくり、新たな未来を生み出して行く。
だが、何かを選びとるということは、
同時に選ばれなかった他の未来を殺してしまう、ということでもあるんだよ。
過去が変えられたために、存在することを許されなくなった未来……。
生まれる前に、すでに殺されてしまったひとつの未来が、
ここに、この死海に凝縮されているんだよ。
運命さ。私たちはみな、運命に導かれているのだ。
運命は、すべてを知り、すべてを支配する。誰も、運命から逃れられはしない……。
君たちがここへ来ることも、さだめられていたのだよ。もうずっと遠い昔から、ね。
（ミゲル、前を向く。重心を後ろにかけて、肩から力強く片手をこちらに差し出す。）
君たちも、この世界とひとつになりたくはないか？
（頭を抱え込むように手を胸の前で握り締め、それを横へと広げ手のひらまで開き、
少し上体をそらせる。胸をそらし、天を仰ぐように上方を見ている）
永遠の一部になりたいとは思わないか？どうだね、セルジュ君？
もう、ひとり孤独に縛られてあがくこともなければ、
見えない明日におびえて震えることもなくなるのだよ。
どうだね？
・・・・・・・・
「そうか……。結局、傷つけあうしかないのか……。
君たちは、次元の揺らぎを復活させたいのだろう？
私を倒し、ここを解放すれば、揺らぎは元に戻るよ。
仕方あるまい……。出会うこともあれば、戦うこともあるだろう。
遠慮はいらないよ。死にたくなければ、本気でかかってきなさい。
すべては運命の導きのままに……！
（ヤマネコ達、構える。戦闘突入）
（戦闘終了後）
（鐘の台座の前の階段にもたれかかり倒れたミゲル。その横にヤマネコ、ひざまずいている）
ミゲル「さらばだ、セルジュ君。人の未来を、つかみとれ！炎に選ばれし者よ……。
（間）
ミゲル「レナよ…… 幸せな明日を生きろ……
（ミゲルの体から力が抜け、首や足がかたりと落ちて動かなくなる。
ミゲルの姿、透明になり消えていく。ルッカ、マールが消える。
最後にクロノも消える。画面は上方へ。壊れた鐘と廃墟の連なり、そして夕陽）
Chrono Cross 運命に囚われし者たち / cover by WATARU
ミゲル (Migel / Miguel)
レナの父であり、ワヅキの親友。
１０年前にセルジュが瀕死の重傷になったとき、
ワヅキとセルジュ共々マブーレに向かい、時の狭間に捕らえられてしまった。
そのまま、時の進まない世界でセルジュたちがやって来るのを待っていた。
ANOTHER WORLDには登場しない
（アルティマニアの記述では、フェイトに消された可能性があると表記）。
見た目はただのおじさんだが、戦うとかなり強い。気を抜くと全滅のおそれすらある。
クロノの座った台座に書かれた碑文
「王国暦 1000年 マールディアの鐘 われらが平和の祈りよ 鳴りわたれ とこしえに……」
ルッカ「けれど、マールの鐘が鳴り響くことは、もうないわ。永遠に……」
（間）
ミゲル「気にすることはない。エコーにすぎないよ、遠く失われた者達の……。ただの幻だよ。
ようこそ、滅びの塔……タイム・クラッシュ爆心地に！
久しぶりだね、セルジュ君。……と言っても、君はおぼえてないかもしれないな。
それも無理ない。君はまだ、ほんの小さな子供だったからなあ。
私はミゲル。君の父さんの友人さ。
外の時間で言うと、もう１４年にもなるのか、あの嵐の夜から……。
（画面が鐘の更に上へと移動し、夕陽がほとんどメインに映し出され、
そこで画面が夜のクロノポリスに切り替わる。
入口に立つセルジュを背負ったワヅキと、その後方に立つミゲル）
（回想終了。画面、マールディアの鐘の前へ戻る。
正面を向いていたミゲル、再び片足を開いて軽く俯く）
ミゲル「そう、あの１４年前の嵐の夜から、私はずっと、ここにいる……。
もっとも、当時はここも、こんなじゃなかったが……。
１０年前に、ある事件がもとで、死海化してしまったんだよ。
知ってるかい？この世で、死ほど平等で、無慈悲なものはない。
あらゆる生き物は年をとり、やがては死ぬ……。
どんな偉大な生命だろうと、どんなちっぽけな生命だろうと、ね。
それに生きているということは、同時に、ゆるやかに死につつある、ということでもある。
（後ろを振り返る。手は下げている。夕陽を見ているような角度）
しかし、ここにはそれがない。
ここでは何一つ年をとらないし、くち果てて倒れるものもない。
（上半身を抱えるように両手を胸の前に持ち上げ、そのままそれを広げ上を向いて胸をそらせる）
限りなく静かで、美しい。夢でしか見られないような、理想的な世界だろう？
それはここが、どこにも、いつにも、属さない場所、時間…… 殺された未来だからだよ！
歴史は、選択と分岐で成り立っている。
自分で選びとったものが、新たな世界をつくり、新たな未来を生み出して行く。
だが、何かを選びとるということは、
同時に選ばれなかった他の未来を殺してしまう、ということでもあるんだよ。
過去が変えられたために、存在することを許されなくなった未来……。
生まれる前に、すでに殺されてしまったひとつの未来が、
ここに、この死海に凝縮されているんだよ。
運命さ。私たちはみな、運命に導かれているのだ。
運命は、すべてを知り、すべてを支配する。誰も、運命から逃れられはしない……。
君たちがここへ来ることも、さだめられていたのだよ。もうずっと遠い昔から、ね。
（ミゲル、前を向く。重心を後ろにかけて、肩から力強く片手をこちらに差し出す。）
君たちも、この世界とひとつになりたくはないか？
（頭を抱え込むように手を胸の前で握り締め、それを横へと広げ手のひらまで開き、
少し上体をそらせる。胸をそらし、天を仰ぐように上方を見ている）
永遠の一部になりたいとは思わないか？どうだね、セルジュ君？
もう、ひとり孤独に縛られてあがくこともなければ、
見えない明日におびえて震えることもなくなるのだよ。
どうだね？
・・・・・・・・
「そうか……。結局、傷つけあうしかないのか……。
君たちは、次元の揺らぎを復活させたいのだろう？
私を倒し、ここを解放すれば、揺らぎは元に戻るよ。
仕方あるまい……。出会うこともあれば、戦うこともあるだろう。
遠慮はいらないよ。死にたくなければ、本気でかかってきなさい。
すべては運命の導きのままに……！
（ヤマネコ達、構える。戦闘突入）
（戦闘終了後）
（鐘の台座の前の階段にもたれかかり倒れたミゲル。その横にヤマネコ、ひざまずいている）
ミゲル「さらばだ、セルジュ君。人の未来を、つかみとれ！炎に選ばれし者よ……。
（間）
ミゲル「レナよ…… 幸せな明日を生きろ……
（ミゲルの体から力が抜け、首や足がかたりと落ちて動かなくなる。
ミゲルの姿、透明になり消えていく。ルッカ、マールが消える。
最後にクロノも消える。画面は上方へ。壊れた鐘と廃墟の連なり、そして夕陽）
Chrono Cross 運命に囚われし者たち / cover by WATARU
ミゲル (Migel / Miguel)
レナの父であり、ワヅキの親友。
１０年前にセルジュが瀕死の重傷になったとき、
ワヅキとセルジュ共々マブーレに向かい、時の狭間に捕らえられてしまった。
そのまま、時の進まない世界でセルジュたちがやって来るのを待っていた。
ANOTHER WORLDには登場しない
（アルティマニアの記述では、フェイトに消された可能性があると表記）。
見た目はただのおじさんだが、戦うとかなり強い。気を抜くと全滅のおそれすらある。
