寒い季節がやってまいります。
道路はツルツル、特に横断歩道なんて歩けたものではありません。
裏底に滑り対策をして冬も快適に歩きましょう。
まず最初に。
こういうこういう登山靴の底みたいなタイプ


冬道に効きそうでしょ。
合成ゴム製なんですが、ぜんぜん冬道には効きません。
寒くなってマイナスの気温になったらすぐカチカチになって滑るんです。
岩場に食いついたりするには最適なんでしょうが、ツルツル路面ではぜんぜんダメです。
これからお話する冬底用ゴムは、すべて、マイナスになっても硬化しづらい柔らかい素材でできています。
形状も大事なんでしょうが、素材がなにより重要だと思います。
ただし、柔らかいゆえ、アスファルトの上では減りやすいんです。
雪の上だけ歩いていただければ長持ちします。
・・・・とはいえ、今は冬でも街なんかアスファルト出てますし、悩ましいんですが・・・。
夏用、冬用、ときっちり靴を分けていただくのが理想です。
まずは一般的なお話。
どのお店でもよく使われる材料が以下です。
こちら通称「六角」

定番中の定番。ボクの親方は「亀」と呼んでいた。
こちらYの字がたくさんあるので、通称「Y板」

こちらはピラミッドがたくさん並んでいるので、通称「ピラ(大)」

これらが一番ポピュラーで、お値段ももっともお安くあがる材料です。
ボクは六角が好きで、自分の靴に貼るときはよく六角を使ってます。
なので、通常「Y板」「ピラ」は置いてません。
そちらがよければご用意できます。
これらの材料で前とヒールを加工しますと、女性で1足3000円前後、紳士で1足4000円前後でしょうか。
大きさ(足のサイズではなく裏面の面積)によって変わります。
こういうものも冬用なんですがが、

ボクはゴツくて嫌いで、使っていません。
また「六角」によく似た材料でセラミックが配合された「MO板」というのもありますが、

これも硬すぎてボクは好きじゃないので使っていません。
こういうのも(主にお年寄りに)に人気があります。

国産材料。

こうなってくると、ちょっとお値段あがって5~6000円とかかな。
こちらはここ数年で勢力を増してるGF

「ハイドロストッパーGF」というのが正式名称らしい

最近、標準でこれをつける業者も多いようで、これ希望される方多いんですがちょっとお高いです。
紳士で6000円前後、婦人で4000円前後かな。
目に見えないガラス繊維が剣山のように配列されてるそうです。
薄くなってきても次々ガラス繊維が出てくるので、最後、減ってペラペラになっても効きます、というのがウリ。
メーカーサイト
そしてこちらスパイクピン

氷にはすごく効きますが、店舗内のPタイルやバスのステップみたいなとこですべります。
なのでオススメしてないんですが、お年寄りは大好きです。
犬の散歩とか、そういうのにどうでしょう。
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さて。
ここからややお高いお話になります。
日常的によく履くお靴であれば、上記でいいと思うんです。
が、足を組んだりしたら意外に裏って見えるもんです。
やはりデキる男女は底まで気をつかっていただきたい。
こちら、ビブラムのファィヤー&アイスのアイス

もともと北欧の軍隊用に開発されたらしいです。
ボクもこれで冬歩いています。
マイナス20度までゴムが硬化せず、粘りがきく。
このタイプはヒールだけ交換できますので、メンテも効率的です。
一番人気。
11000円ほどかな。
アウトソールをはがして貼っただけの場合、ミッドソールの白い線が1本残ります

全部黒くしたければミッドソールも黒に交換

こちらビブラム・チェリーボムのシート

微妙な凹凸がついていて、冬道に最適。4mmなので厚めです。
素材はICETREK/アイストレック。
メーカーによると「-20℃でも硬化しない性質であるため、冬靴用のソールとして開発されましたが、元より柔軟な材質で通年用としてご使用いただけます。卓越した耐久性を持ち、柔らかいものは削れやすいというこれまでの常識を覆すVIBRAMならではの機能です。」とのこと。
ですが、やはり柔らかいので夏に履くにはおすすめできないかも。
こちらビブラム#5341と#2341


ラプターソールといいます。
軟質ゴムで、こちらも冬歩けます
ヒール用のシートもあります(うちには常備してないですが)。

raptor=猛禽類で、鋭い爪をイメージしてるらしいです。
こんなのも冬用

#S447(CH002F) BOURDER ICEといいます。
素材はアイストレック。

こちらCH009F

素材はアイストレック6mmなので厚め。
こちらはビブラム・プルリボール・アイストレックといいます

素材はアイストレック。
4mmなのでチェリーボムっぽい感じ。
恥ずかしながらまだ扱ったことないんです。
すいません。
そしてこちらが3年くらい前に彗星のごとくあらわれた、ビブラムARCTIC GRIP(アークティック・グリップ)

シロクマの肉球を研究して作られたそうです。
カタログによれば
「シロクマの肉球をモデルにしたという細かい突起付きのラグ(凸部)が乾いた状態・ある程度溶けて濡れた状態・いずれの氷の上でも摩擦力を得ることができます。
また中央部のラグは感温変色型の特殊素材が埋め込まれ、周囲が氷点下になると青く変色して凍結の危険性を知らせる機能を搭載しています。」
とあります」
ちなみにARCTIC=北極です
現状うちでは一番高いかな。
この青いところが秘密。

ふちの黒い部分もアイストレック素材で低温でもかたくならないゴムです。
あと、白いところが寒くなると青くなる、というギミックつき。
「気温が下がってきたぞ、滑るから気をつけろよ」というサインだそうです。
人気あります。
ビブラム動画ココ
ビブラム動画ココ
現在、メレル コロンビアスポーツ、マドラス、UGG、ウルバリン、ダナー等が正式採用しています。
最近は意外な靴についていることも多く、もしかしたら、今後冬底はこのアークテックグリップが天下とるのかもしれないとも思っています。
いろいろ種類があります。
CRISTY ARCTIC GRIP Art.S1319


WINTER FASHION Art.S1269


BRUSH TAP&HEEL Art.S1219

ARCTIC GRIP S1231

ARCTIC GRIP CH2135

ARCTIC GRIP S1244



12000円くらいだと思ってください。
サイズ展開が少ない、靴の幅によっては中途半端な場所で削らなければならない、ややお高い、など、作業する側としては悩ましい部分もあるんですが、ぜひご相談ください。
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あくまでボクの考えですが、
普段履くような、仕事用や近所歩きの靴は安い材料のでいいんじゃないかと思います。
当然ですが張りたての新しい時が一番よく効きますので、安い材料をマメに交換する、というのもひとつの方法です。
自慢の靴にはぜひいいの張りましょう。
高い材料は良い機能(マイナス数十度までゴムが硬くならない、とか)がついていますし、デザインもよく、満足度が高いです。
取り寄せになる材料もありますが、まずはお気軽にご相談ください。
おまちしております。
靴修理クラップ
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