今朝、愛猫のたまが亡くなった。
来月で満19歳になる高齢猫だが、早朝6時の事だが、息が荒く少し苦しげだったが、時折みられたようなので、今日は調子が悪いと思いつつ母屋を離れた。
その約1時間半後、7時30分に父の腕の中で静かに息を引き取った。聞けば、最近はほとんど歩く事ができなくなっていたのだが、洗面所で髭をそっている最中に自力で歩いて来たそうだ。そして父の顔を見ると安心して眠りについたようだ。
猫としてはかなりの高齢だろうが、自力でトイレをしており、オムツをすることもなかった。
たまが生まれたのは1993年5月18日。叔母が亡くなった日の朝生まれた。家の物置に住み着いた野良猫である。真っ黒い子が4匹と、真っ白いがしっぽと額だけが黒いはちわれの子が「たま」である。
他の兄弟たちは大きくなっていくが、白い子は歯のかみ合わせが悪いのかうまくご飯が食べられない様子で、父はずっと食事の世話をしていたようだ。
子猫達の母親はとても人懐こい可愛い猫だったが、あまり頭の良い猫とはいえず、何を考えたのか、ある日子猫たちをつれてどこかに旅立ってしまったのだ。そこにただひとり取り残され、体も小さいままの子を家で引き取り飼う事にした。それがたまである。
その後まもなく全身が突然、痙攣(けいれん)する、「てんかん」の発作のようなものを何度がおき、正直あまり長生き出来ないとおもった。だが、成長するにつれ発作も徐々に治まり、避妊できるまでになった。
たまは父にしか懐いてくれず、私は嫌われていた。当時、家のすぐ近くに家を借り仕事場としていたので、夜しか戻らなかったため、たまにしてみれば他所の他人に見えたのだろう。生後まもない段階で母親を離れてしまったのと、面倒を見てくれるのは父だけだったので、今にしてみれば社会科期の教育に完全に失敗したのだった。
家にいる時はいつも父と一緒であり、仕事に行く時は大人しくじっと待っているとても賢く大人しい猫だった。夕方父が帰る時間が近づくと、いつも玄関近くに移動して父を待っていた。仕事から戻り車の音がすると、一生懸命で扉を爪でひっかいていたのを思い出す。
そんなたまも遂に永眠した。
大往生であり、しあわせな一生だっとおもう。
最後におつかれさま。
そして、すばらしい思い出をありがとう。