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ルカ -楽園の囚われ人たち-

2005-02-28 20:46:55 | ノベル
作者:七飯宏隆 電撃文庫
2005年第11回電撃小説大賞 大賞受賞作

あらすじ:もしも世界が滅びてしまったら?
もしも、家族と信じていた人々がそうでなかったら?
もしも、自分が世界で最後の人間だったら?

その少女は、5人の家族と老犬とともに、一緒に「箱庭」で暮らしていた。
家族みんなの笑顔と優しさに囲まれ、とても幸せな日々でしたが、
しかしその幸せは偽りでした。
世界はとっくの昔に滅んでいて、家族だと思っていた5人はすでに死んでいて、
トッピーだけが唯一生きていて…。
少女は「世界でたった一人の人間」でした。(あらすじより抜粋)

ギャルゲーマー的には死ぬほどありきたりな設定。
そしてロボットとかが出てくる時点で更に新味が薄れるという…。
かといって文章の感じとか感情表現も昨日書いた金賞受賞作よりは下。
それなのにこの作品が上に来るのは多分、
全てにおいてそれなりにまとまっているから、のような気がします。
平たく言えば、本当にそれなりの作品。
将来性とか伸びしろみたいなのは、読んだ感じでは見受けられず。
それでいて、僕にとっては全く当たり前によく目にする世界観なので、
何処にも楽しさが見出せませんでした。
同じような世界観ならまだ、こっちを薦めます。

ただ、続編を書いていいなあ、という点ではこっちのが上。
昨日の「ひかりのまち」では、続編は望まないけど、
今回の「ルカ」では、僕自身は買おうとは思わないですが、
続編を出すのに違和感を感じないんですよね。

本来においてゲーム、小説などエンタメ分野で続編を出していいと僕が思うものは
1、作品自体がオムニバス形式のもの(例:キノの旅など)
2、明らかな複線を張ったまま作品が終わっているもの
3、複線は特にないが、世界観的に続きあるいは以前を描けるもの
の大きく3つに分かれると思います。
1はまあ言うまでもないですよね。作品一つ一つが続編の集まりですし。
2は、最初から連載を意識したものに多いですね。
たまに、複線流しっぱなしで打ち切られるとかありますけどw。
で、難しいのが3。
要は一言で言えば二次創作が出来る作品、になるわけですが、
ここの線引きは人それぞれだと思うんですよ。
例えば、ドラゴンボールは僕はフリーザ編までで世界観に続きはなくなった、
と思いますし北斗の拳で言えば、ラオウ倒した時点で終わりですが、
実質的には続いちゃいました。
まあ、人気作だからこそ中々終えられないというのはあるんですけどね。
それでもまあ、人によってはどちらもまだ続きが書いていける
世界観があると思う方もいることでしょう。

さて、翻ってこの2作品を見た場合、
あくまで僕の中では「ひかりのまち」に関してはもうこの作品だけで
一つの世界観は終了させるべきになってると思います。
対して「ルカ」の場合、話の展開上、
現在の時間軸と過去の時間軸に分かれているわけですが、
この過去の部分がまだまだ埋められると感じられます。
特殊な例ではありますが、以前という段階において、
まだ書く余地があるというわけですね。
まあ、どちらも読んでいただくことでしか納得させられないですがw。
そしてこう言った所で、2作品とも続編出すんでしょうけどw。

まあ、最終的に何が言いたいかというと、
今年の電撃小説大賞はどちらかといえば微妙。これでしょうかw

評価:☆4

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