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東芝〝虎の子〟半導体分社で解体に現実味 事業切り売りで屋台骨なく 原発どうなる?

2017-01-26 | 経済

米原子力発電事業で巨額損失を計上する東芝が解体的な出直しを迫られている。

〝虎の子〟の半導体事業の分社に加え、それとは別に上場子会社の売却などの検討にも入っている。

平成29年3月期の債務超過回避に向けた資金の捻出は待ったなしで、支援を仰ぐ銀行に身を切る姿勢を示す狙いもあるが、元凶の原発事業を存続させるために、将来の成長事業でも売れるものから切り売りするという危うい道を歩み始めている。

東芝は財務力を示す株主資本が平成27年(2015年)3月末に1兆円以上あったが、不正会計問題で昨年(2016年)9月末には3632億円に目減りした。

さらに米原発事業で最大7000億円規模の損失が生じる可能性となり、すべての資産を売っても借金を返せない債務超過の懸念が出てきた。

だが、資本増強の手段は限られる。

東京証券取引所から投資家に注意を促す「特設注意市場銘柄」に指定され、公募増資のような市場で資金を調達することは困難だからだ。

頼りの銀行も表向きは全面支援を表明しているが、内実は融資の不良債権化を強く懸念しており、「当然、自助努力があって、その後に金融支援がある」(大手銀幹部)と事業売却などのリストラ策を強く求めている。

そこでひねり出したのが、半導体事業の切り売りという〝最後のカード〟だ。

東芝は不正会計問題発覚後に、約1万4000人のリストラや将来有望な医療機器子会社などの売却に踏み切り、大規模な資金を捻出できるカードがほかにない。

経営再建の柱に据える半導体にも手をつけざるを得なかった。

金融機関によると、東芝の半導体事業は「市場規模が2兆円」との見方で評価は高い。

主力製品「フラッシュメモリー」はスマートフォンの記憶媒体などに使われ、世界シェアはサムスン電子に次いで第2位。

スマホの大容量化で需要が急増し、今後もデータセンター向けなどでも成長が見込まれる。

東芝は半導体事業を分社化し、新会社の株式の2~3割にあたる出資を受け入れ、数千億円規模の資金を調達する。

新会社の株式の過半を握り、引き続き東芝の稼ぎ頭としたい考えだ。

新会社への出資は入札で決定する予定で、企業では提携するハードディスク駆動装置(HDD)大手の米ウエスタンデジタル(WD)が出資を申し出たほか、キヤノンなどの取引先も応札を検討。

外資では中国のハイテク大手、紫光集団や欧米の投資ファンドなども名乗りを上げる。

また、半導体事業の切り売りとは別に、店舗向け販売管理(POS)システム大手の東芝テックなど上場子会社などの株式を売却する検討作業に入っている。

テレビ事業の縮小など構造改革の一部先送りなども行い、合計で3000億円規模の資金を捻出する。

東芝の幹部は「資金を積み重ねるため、あらゆる対策を講じる」と語る。

だが、一連のリストラ策で巨額の損失を穴埋めし、足元の財務危機をしのげたとしても、東芝の将来は見通しにくくなる。

売れる事業から切り売りしていくことで、巨艦企業の「解体」が進行し、将来の成長を期待できる事業が見いだしにくくなっているからだ。

利益の大半をたたき出す半導体事業は、分社化後も新会社を連結対象とする方針だが、関与が薄まり、東芝の収益は減りかねない。

フラッシュメモリーはサムスン電子などとしのぎを削る中、競争力の維持には年数千億円規模の投資を進める必要がある。

実は分社化は財務危機になる前から、調達した資金を投資に回すための構想としてあったが、損失の穴埋めに回されれば、競争力もおぼつかなくなる。

一方、半導体と並ぶ事業の柱に据えられた原発事業についても、今回の巨額損失でリスクの高さが浮き彫りになった。

国内では原発の新設が見込めないため、海外で42年度までに40基近くを新規受注する計画を掲げていたが、巨額損失の要因となった建設コスト高騰などで、事業の見直しは避けられない。

「むしろ原発事業を切り離すべきだ」と早稲田大学大学院の長内厚教授は語る。

不採算事業を整理し、健全な部門を残すのが経営再建の定石だが、東芝では正反対のことが行われており、本末転倒との意見だ。

実際、東芝内には原子力事業も分社化し、経営の自立と事業再編をしやすくする案も浮上するが、現実はパートナー探しが難しく、立て直しの道筋は見えていない。

長内早大院教授は「経営陣には国策である原発事業を持つ東芝を国が潰さないという甘えがある」と厳しく指摘する。

いずれにせよ、巨額損失で半導体と原子力を柱とする再生のシナリオは崩れた。

現在策定を急いでいる再建策では両事業以外に、鉄道やビル設備などの社会インフラ事業などで今後の東芝の新たな柱にするための成長戦略をつくれるか、また原発事業の抜本的な立て直しの道筋を示せるかなどが焦点になる。

甘えを捨てて改革に取り組まない限り、東芝解体のシナリオは現実味を帯びてくる。

(経済本部 万福博之)

産経 2017.1.25

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かなり厳しい状況が垣間見えますが、3月末までの資金繰りは何とかなるのではないか。

それ以後となりますと見通しが中々立てにくいようですが、シャープはC格に落ちてからホンハイに買収されましたから、やはりC格落ちが一つの企業としての限界を象徴しているのではないか。

タカタの社債も半額になっています。

タカタ債が30円台、法的整理でのデフォルト懸念-回収率低水準も ブルームバーグ

エアバッグ問題からの再建を目指すタカタに法的整理の可能性が浮上し、その社債価格が急落している。

法的整理になれば社債もデフォルト(債務不履行)となり、回収率は低くなることが予想されている。

19日付の日本経済新聞はタカタに法的整理案が浮上と報道。

ブルームバーグデータによると、タカタ債価格(21年償還)は報道前日の62.8円(額面100円)から、23日までに31.1円となり約50.5%下落した。

タカタが法的整理入りとなれば残存額が合計300億円の同社債もデフォルトとなる。

「国内社債のデフォルト事例での回収率は平均で10%台」

タカタに関してはリコール費用の負担額といった「回収率を推定していく根拠が出ていない」ため予想は難しいと語った。

社債投資家の間で法的整理の可能性が高まったという見方が広まっていると話し、「法的整理となった場合、社債保有者の回収率は極めて低くなる」と語った。

世界の自動車メーカーは、タカタ製エアバッグが原因で自動車のリコールを行っており、総額で1兆円規模に上るとみられる費用を一時的に負担をしている。

一方、タカタの自己資本は9月末時点で1216億円。

この負担については責任の度合いによってタカタにあらためて請求する姿勢を崩しておらず、被害者からの損害賠償訴訟なども含め、偶発債務のリスクを抱えている。

ホンダやフォルクスワーゲンと言ったタカタ製エアバッグを使用している自動車会社は、1兆円にものぼるリコール費用を、タカタに代わって一時的に負担しています。

これをタカタに請求した場合、支払えません。

自己資本は1216億円しかないからです。

東芝も再び巨額損失を出しますと、タカタと似たような状況に陥ります。

上場廃止となりますと東芝株は紙切れとなり、投資家は大損します。

方々に影響を及ぼしていくでしょう。

原発事業は国策ですから最後には税金投入で救済されると踏んでいるのかもしれません。

東芝は今年か来年が正念場となるのでしょう。

自動車会社も、トランプ大統領によって厳しい立場に立たされそうです。

フォードやGMにはツイッターで「感謝」していたトランプ氏ですが、トヨタについては5年で100億ドルアメリカに投資すると表明しても、トランプ氏は「無視」しました。

ここら辺の態度で今後、トランプ大統領が日本に対してどういった対応をとってくるのか、大体予想がつきます。

家電・自動車と日本経済の本丸に逆風が吹いています。

Abe Has a Trump Problem: How to Get Japan to Buy U.S. Cars ブルームバーグ

安倍首相は困難なトランプ問題を抱えている。

不可能とも言える日本の自動車市場で、どうアメリカ車を日本人に購入させるのか。

トランプ大統領は、その不可能な日本市場においてエキサイティングな取引を宣言している。

もし安倍総理が日本人にアメリカ車を購入させることができなければ、恐らくアメリカ国内で日本車に対して、何らかのリアクションを起こすことになります。

無傷というわけにはいかないでしょう。

日本でアメ車が走り回っているという見たこともない光景を見るのも、またおもしろいかもしれませんけどね。

 

 

 

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