こころがかるくなる心理カウンセラーかきかわのブログ

山口市で心療カウンセリングルームを営みながら日常のエピソードをまじえて泣いたり笑ったり感情を動かすお話を掲載しています。

うつのような気分の人への周りの対応

2012-08-23 18:36:53 | 日記
いわゆる、うつのような気分になりやすい人ってどんなタイプだと思われますか?


従来の典型的なタイプは、真面目で几帳面で責任感が強くて自分を責めるタイプ・・・そんな感じだと捉えられていました。


現代型では過保護育ち、苦労知らず、知性教養が高い、プライドが高い、依存的、我儘、マイペース、自己への愛着、

他人に対する配慮が難しいなど他人を責めるタイプも増えてきています。


したがって、対応方法も様々です。

“ これまで頑張り過ぎなのだから、休めばいいんだよ。”

では、後者の現代型のタイプの場合は、

“ 仕事はしなくていいのだ。好きなことをすればいい。”

になり、完全に休むと元に戻ることが困難な場合もあります。


現代型では、仕事の時は元気がないのに、プライベートの時間ではやたら元気になることもあり、周りから我儘と批判され、

孤立してしまうこともあります。


何もかも、“ 病気 ” として腫れ物にさわるように接するということではなく、周りの人は、言うべきところは

きちんと伝えて、その人の言動に振り回されないことが大切です。


その人の仕事のことなど具体的なことについて注意をしても、人格を否定することを言わないこと。

これは、もっとも基本的なことです。


「 あなたときたら、いつもいつも・・・前もそうだったじゃない。あなたはルーズだから。」


「 いつも私の言うことには逆らうわよね。」


「 遅れてきたらダメだって言っただろう。何度言ったらわかるんだ。」


腹が立つのももっともなことです。


少なくとも私たち世代より上の人は、自分より上の世代の先輩からこんなお小言は当たり前のように聞いていて、

もっとキツイことを言われても耐えてきているので、ちょっと注意をすることで、家から一歩出られなくなるほど落ち込むことなどあり得ないと思っています。


しかしながら大人の皆さま、周りを冷静に見渡してみてください。

すぐ近いところには、おられないとしても、叱られることになれていない、傷つきやすい人は現代では非常に多いです。


そして、次世代を担うのは自分より若い世代であり、育むのは大人のつとめです。


では、先ほどの言葉をどのように言い換えるとよいでしょう?


まず、冷静になって何か言う前に深呼吸をして頭の整理をしましょう。


あなたときたら・・・いつもいつも??

本当にいつもでしょうか?

目の前にいる相手は何一つ誉める点がないのでしょうか?

何度言ったらわかるんだ?

前にこの人を注意した時はこの人は理解していたのでしょうか?

言うことと伝えること、伝わることは異なります。

子供に教えるがごとく、なぜ、遅れてはいけないのか・・・何が問題であるのかを理解させることが重要です。


「 約束の時間を9時としていれば、会社のルールとしては5分前に到着していてほしい。これは、君のプライベートでは

なく仕事のルールとして捉えてほしい。」

「 以前に君に同じようなことで注意をしたことがあった。それは覚えているかな。重要なこととして捉えられていないと

すれば、まずは、時間を守ることは最重要事項として守ってもらいたい。」

「 繰り返し、遅刻をするようだが、これは、会社にとっては、とても困ることだ。このまま放置することはできない。

このことについてどうすれば良いのか君の意見を聞きたいのだが・・・。」



そんなことをイチイチ考えていたら、上司の私のほうが、病気になるわ

とご立腹かもしれませんが、指導とは目的に向かって教え導くことです。

上記の言葉は、実際にコーチングで用いる台詞ですが、正解はありません。なぜならば、相手は生身の人であり、

ケースバイケースだからです。


けなされることが苦手で、おだてられるのが好きなタイプの人もいれば、回りくどいことを言われることは嫌いで

結論から言ってほしいタイプもあり、とにかく優しく接してほしい人もいれば、慎重に根拠になる理由を示してほしい

タイプの人もいます。


いずれにせよ、キレて怒鳴ってみても、目的に向かっていなければ、指導になっていないということです。


社会問題にもなりつつある、若年層の引きこもり、出社拒否は、メンタルに関するプロがフォローするだけでは

なかなか癒すところには至りません。社会全体の問題として、各人が捉えて周りの人を孤立させない。

誰一人繋いだその手を離さない。見離さない意識が大切です。


カウンセリングでは、必ずしもうつのような状態に陥っている本人だけが対象ではありません。

本人が問題と捉えていなくて、周りが気づき困っているのであれば、周りの人の対応を変えることで間接的に

状況を改善できることもあります。


ナーバスな問題であり、世代間格差のある性格の違い。人間関係のストレスは大変だと思います。

大変だからこそ、フォローする側の人々のフォローも重要なのです。


つながりが最も大切です。

人は支え合って生きられるから・・・


山口県山口市宮野の自宅で営む小さな心療カウンセリングルーム

かきかわ統合医療相談室
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