久しぶりの雨

多少気温が上がったのか、寒さではなく自然に目が覚めた。
腰痛もかなり薄くなっている。
しかし、心持ちはあまり良くない朝だった。

何があったというより、
今朝の雨模様のように、ただどんよりしていた。
古い器械仕掛け人形のように、
カタカタと歯車が噛み合って朝が過ぎて行った。

意識の焦点は目の前の今にはなく、
いつもの電車の発車時刻へ向けられていた。
先を急ぐ人々の表情を見て、
私もこの種類の表情をしているのかと思った。

自分好みに近い女性を見つけることで、
少し隙間を作って風を通した。
激しく乱高下していないので、
とりあえずは良し、とした。