【 売れる営業 】実務営業コンサルタント 島田安浩 アクト株式会社代表

「営業紙芝居×顧客LTV最大化」実践講座 
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「初めての契約!」

2007年10月10日 11時30分14秒 | Weblog
◆伝説の営業マン“島田安浩”が明かす、売れる道程!

No2)『初めての契約!』

その日も、仕事をしないTさんと現場に行った。そしていつものように、モーニングを食べ、くだらないスキーの話を聞かされ、昼飯もそこで食べて13時になってやっと解放された。

そして、1件目に小さな工場に飛び込んだ。

社長と奥さんが二人でやっている工場だった。何をされている工場か覚えていないが、奥さんは赤ん坊を子守りしながら、仕事をされていた。

使っていた電話機は、NTTのプッシュ式のホームテレホンをレンタルされていた。

・・・その後、どのように話して、なぜ契約が取れたのか覚えていないが、『初めて契約が決まった!』

入社して初めての契約だった。

事前に同行してもらって先輩が契約するところを見たこともなかったので、本当に初めて契約するのを見た現場が、この契約だった。

しかも、自分一人で取れた単独オーダーだったので、本当に「嬉しかった!」
でも、どうすればいいのか分からなかった。

電話を借りて、会社に電話して、業務のK課長代理に聞きながら契約書を書いた。

リース契約書、受注伝票、設置図面。会社のゴム印を借りて作成し、記入して、記名・捺印をもらった。

契約書を作成するだけで、30分以上の時間がかかったように記憶している。

やっと、契約書が出来た時に、K課長代理が「オーダー発表する?」って聞いてくれた。

『オーダー発表!』この言葉は、憧れで夢にまで見た言葉だった。

当時、俺が務めていたS社では契約が取れると、会社に電話して『オーダー発表』をする仕組みになっていた。「何という会社で何を何台契約してもらいました」と云う報告を業務部にする。そうすると、支店に帰ると、支店のホワイトボードにもオーダーが記載されている。そして、翌日の朝礼の時に、みんなの前でオーダー発表をしてみんなに拍手してもらえるそんな仕組みだった。

俺は、入社してからず~と拍手する側で、オーダー発表をしたことはもちろんなかった。しかも、S社では『3ポカ制度』と言う恐ろしいものがあった。

それは何かと言うと、契約が取れないことを「ポカる」と言う言い方をして、3ポカとは3日間契約が取れないことを意味する。そして、3ポカ制度とは、2日間契約が取れないと3日目の朝から始まる『魔の儀式!』だった。

そう、本当に嫌だった!

朝礼の時に、「3ポカやるぞ~」と支店長が声をかけ、2日間以上ポカが続いた人間が前に出る。

ポカの少ない順に並ぶのである。

そして、みんなの前で大きな声で「3ポカするな!3ポカするのは男じゃない、3ポカするのは人間じゃない、完全オーダーやるぞ!」と一歩ずつ前に進みながら、右手で拳を作ってパンチをする動作をしながら叫ぶのである。そして、みんなが聞いていて気合が入っていると判断すると拍手して席に戻っていいのであるが、みんなが拍手しないと、何度も何度もやらされるのである。

俺は、先週1週間ポカっていて、今週もず~とポカっていたので今日で「10ポカリーチ」だった。(当然土曜も働いていたので、・・)

朝、朝礼の時に「10ポカするな!10ポカするのは男じゃない、10ポカするのは人間じゃない、完全オーダーやるぞ!」と何度もやらされて出て来たので、『オーダー発表』と言う響きは心地よく、夢のようだった。

『オーダー発表します!でも、何を言えばいいんですか?』「会社名と型番と台数だよ」

『○○工業株式会社で、N208が2台です。』

「オーダー発表します!東京支店第3課、島田、ファーストオーダー!N208、2台オーダーおめでとう!!」とK課長代理が大きな声で電話の向こう側で叫んでいるのが聞こえ、周りでたくさんの人が「おめでとう!」と言いながら拍手しているのが聞こえてきた!

感動だった!『これが、オーダー発表か!』非常に嬉しくて、非常に興奮した。

興奮覚めやらぬなか、社長と奥さんに握手をして、赤ちゃんの頭を撫ぜてその会社を後にしたことを今も鮮明に覚えている。

「やった!契約が取れた。」

嬉しさと、ホッとした感じだった。

その後、営業したのか遊んでいたのか覚えていないが、翌朝の朝礼は覚えている。

当時、ファーストオーダーを取った社員への「おめでとう!」は少し度が過ぎていたように思うが、でも嬉しい痛さだった。それは何かと言うと、みんなで「おめでとう!」と言いながら背中に手形を付けていくのである。

つまり、背中を、平手打ちするのだが、支店の社員が30名もいるので、もう、凄まじいことになるのである。

オーダー発表で前に出て、「N208が2台決まりました!」と言うと、みんなが駆け寄ってきて、背中を捲り上げて、「おめでとう!」と言いながら、手の平で熱い1発をペシィ!ペシィ!っとやっていくので、痛いやら嬉しいやらで大変だった!

この契約が、俺の営業人生の始まりで、本当に嬉しい経験になった。

ただ、そのまま順調に売れるようには成れなかった。・・・




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