初夏になると小学生が水筒をぶら下げて登校していることに気づいた。
夏場は暑いから授業中の水分補給用だと思っていた。
それが晩秋になっても続いている。
どうも、1年中水筒を持参しているようです。
小学生を持つ近所の人に聞いたら...小学校の水が不味いそうです。
水道水の基準には問題ないらしい。
数十年前に東京の水は不味くて飲めない。
確かに不味かった記憶がある。
どうも、小学校の老朽化が問題となっている。
高度経済成長化で団塊の世代の子供達、所謂、第2次ベービーブ-ムで誕生した。
その子供達が小学校に入学するにあたって小学校の開校が盛んだった。
それが、今、50年強を迎えて老朽化が進んでいる。
災害立国日本、大地震の経験から学校の耐震補強工事はかなり進んだ。
少子化の影響で1学年あたりクラス数は減り、教室の空き部屋の増えている。
やっぱり、使わないと痛むのは早い。
今、小学校に配管されている水道管の老朽化により...水が不味いとなっている。
当時の水道管は鉄製(亜鉛メッキ鋼管)のため、劣化すると錆びが出てしまう。
勿論、日々使っているので見た目(水の色)では分からない。
水の不味さが分かってしまう人間の味覚、臭覚は凄い。
これは学校だけでなく、多くのマンション、オフィスビルにも言えることです。
そもそも、建設時に耐久年数を超過して利用することを想定していない。
耐久年数を経過したら、スクラップアンドビルドの考えだった。
当然、水道管等は交換することができない構造で建築されている。
時代は変わり、経済成長が低成長の中、保守しながらできるだけ利用する考えが主流になってきた。
これは、現在の政治にも言えること...将来を見据えていない。
子や孫の世代へ全て...先送りしている。
社会保障、少子高齢化、一極集中、過疎化、地球温暖化、原発、産業構造、雇用維持等々。
数十年前から分かっていたことを...対策せずに、今さえよければと言う考えで先送りしたつけが回って来た。
首都圏の水は高度浄水処理され、大変、美味しくなっている。
しかし、供給する水道管の劣化で美味しい水が飲みない。
大人として...今の子供達に申し訳ないと思う。
※スクラップアンドビルドとは老朽化したり陳腐化したりして物理的
または機能的に古くなった設備を廃棄し、高能率の新鋭設備に置き換えること。