日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

中学生、高校生のための自由主義講座 7 -社会が自由主義社会であるための条件-

2016年10月16日 | 日記

中学生、高校生のための自由主義講座 7

 

今日は、社会が自由主義社会であるための条件を考えます。

 

A.社会が自由主義社会であるための条件 1

 

1.すべての行政区画単位(国、都道府県、市区町村といった行政区域)ごとに、一定年齢以上の男女が一人一票に等しい権利を持つ普通選挙が行われている。(普通選挙)

 

2.政党が二つ以上ある。(政党設立の自由)

 

3.各行政区は、普通選挙で選ばれる議員によって構成される議会において、その行政区の行政の在り方と予算の使用と配分が、議員とこれもまた普通選挙で選ばれる首長によって議論され、決定さ

れ、各行政区職員によって実行される。(議会による対話と決定)

 

4.普通選挙権を持つ各行政区の住民は、その行政区の議員、首長を罷免する権利を持つ。(行政区の直接民主主義)

 

5.国は、国民一人一人の人権の不可侵と擁護を定める憲法と、憲法に基づく二院制の議会を持つ。(人権の不可侵と二院制)

 

6.国は、国会議員が選出する首相(総理大臣)、若しくは、国民が普通選挙によって直接、若しくは、間接に選出する大統領を持つ。(国家の間接、若しくは、直接民主主義)

 

7.国の行政は、日本の場合、普通選挙で選ばれた議員が構成する議会において、国の行政の在り方と予算の使用と配分が、議会議員と首相(総理大臣)、及び、首相(総理大臣)が組閣する内閣員

によって議論され、決定され、各行政単位(省庁)の職員によって実行される。 アメリカの場合、行政権は大統領にある。(国家運営の議会による対話と決定)

 

8.国家の首長(日本は首相=総理大臣、アメリカは大統領)を議会において罷免することができる。これは日本の場合、内閣不信任決議の可決、内閣信任決議の否決によって行われ、内閣は総辞職

するか、衆議院を解散して国民の信を問うという手続きを採る。アメリカでは、下院が発議し、弾劾裁判による上院の3分の2以上の議決によって罷免される。(国の最高権力者を罷免する権利の制

度上の保障)

 

9.立法、行政、司法の三権の分立。中でも司法は、公平公正でなければならず、党利党略、他国の組織の思想的影響下にあってはならず、それを排除するものでなければならない。(三権分立)

 

 

B.社会が自由主義社会であるための条件 2

 

1.Aで述べたことは、社会が自由主義社会であるための基礎条件です。しかし、これだけでは、社会はダイナミズムを獲得しません。社会はダイナミックな動態です。この社会がダイナミックな動

態となるための条件とは何でしょうか?

 

2.この講座では、ア) Aで述べた自由主義社会を作る国家の運営に誰でも参画することができる自由、イ) その動機が善であるあらゆる企業を興(おこ)す起業の自由ウ) 税の義務、 エ)

防の義務 の4点を挙げておきたいと思います。

 

3.この国と社会が善であり、ダイナミックな自由主義社会であり続けるためには、この講座を読んでくれている中学生、高校生諸君が、「よし自分も!」と大志を抱き、この国と社会をダイナミッ

クな自由主義社会であり続けさせるための勉強を始めようと意志してくれるところから始まります。これが始まりです。明治維新もこのようなところから始まりました。

 

4.起業の自由は、社会が豊かになるに不可欠のものです。今日(2016年10月16日)、NHKの日曜討論で、今年も日本から大隈良典・東工大栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞され

たことに因(ちな)み、今後も日本からノーベル賞受賞者を輩出するための課題が討論されていました。そこでは、現在、大学院の博士課程への進学者が減少傾向にあることが嘆かれていましたが、

現在の日本の企業の分野と枠は限られており、この企業分野と枠のキャパシティには限りがあり、これは当然のことと言えます。この分野と枠を広げるためにも、起業の自由が社会の精神的な風土と

なり、常識となることが必要です。そしてこれも上記の3に同じで、中学生、高校生諸君が、「よし自分も!」と大志を抱き、の国と社会をダイナミックな自由主義社会であり続けさせるための勉

強を始めようと意志してくれるところから始まるのです。そして、自由主義社会とは、このような精神があふれて居るのです。

 

5.納税の義務は、たくさん語る必要はないと思います。納税されたお金は、社会と国の現状を改善し、そして、明日へとつないでゆくための資金として使われます。

 

6.国防の義務は、自由主義社会とその国家に生きる私達が、国家と社会を護持して行くための義務の根幹です。

 

 

 

                  

                  三四郎の池

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