すまいる通信

「すまいる」は我が社の命名に含ませたテーゼ。そして、日々の暮らしのヒントそして随想を配信していければと思います。

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「脳を鍛える」

2007-03-27 12:12:14 | Weblog


 この書は、評論家「立花 隆」氏が、かつて東大駒場の教室で特別講義を実施したときのものを、収録し出版したものです。今の隆盛を見せている脳に関する書として、先駆けを成しているように思えるもので、内容的には超一級のものです。サブタイトルで示しているように「人間の現在」を、鋭くえぐっており、まさに人間の「知」の探求の書です。
 彼は指摘します、現在の知的探求の場での文化科学と自然科学との絶望的な乖離の程を。そして、現在の理科教育のレベルは19世紀以前のものと指摘し、とくに自然科学分野の貧困ぶりを言い、現代物理学の展開をわかり易く解いています。実存哲学からスタートし、宇宙論、生命論など、多彩な論理の展開をなしており、強烈な知的刺激でいっぱいです。
 現在の大学は、教養主義の没落と言われる如く、原理論を離れ、政策論重視に変わっていると聞きますが、現代の行き詰まりを象徴しているようにも思えます。こういった時代閉塞感を拭い去るためにも、この書は重要性を増しているようにも思えます。立花氏が行なった講義はまだまだ未公開のものがあるとか、これはその一端で、これからの続編の発刊が待ち望まれるところです。

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「スタートライン民法総論」

2007-03-18 11:17:54 | Weblog


 この度、池田真朗慶大教授が、今や民法入門書の定番となった「スタートライン債権法」の姉妹編として「スタートライン民法総論」を著しました。早速読んでみましたが、前著に劣らない名著といえるものです。民法総則でなく、総論となっているところが特徴で、難解といわれる民法学の入り口をわかり易く解いています。
 前著は、発刊から10年、その斬新な民法債権法の展開は、4版を数えることに益々輝きを増しています。民法を制するものは、司法試験を制す。債権総論を制するものは、民法を制するといわれていますが、債権法というものは、難解なものです。池田教授は、従来の債権法の論旨の進め方を大胆に転換し、具体的な各論から入り、抽象的な総論をわかり易く著しています。しかも、一定の水準を保ちながらも、無味乾燥といわれる民法の入門書の欠陥を補っています。この総論も、前著に劣らない分かり易さで論旨を展開し、見事な好著となっていいます。
 名著といわれるものは、一種独特の感動を呼び起こすものですが、その核心には著者の暖かい心が、感じ取られるものです。民事法の基本といわれる民法は、巨大なる山となって、我々のまえに聳え立っていますが、激しい現代の変化の流れに伴い、改正を強いられています。この変化の時代にこそ、権利としての「市民法」の理解が必要な時でが、この名著は期待に応えてくれるものです。
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