コピーライター思考

コピーライターを目指す人のために、コピーライター思考を身につける方法を公開するブログです。

大ヒット商品「ガリガリ君」のネーミング ~逆コピー ネーミング編~

2012年08月31日 | 逆コピー
「ガリガリ君」と言えばアイスキャンディーのメガヒット商品ですね。

とてもいいネーミングです。ネーミング制作もコピーライターの仕事です。

では、ガリガリ君で逆コピーを試してみましょう。


そもそもこの商品は、何なのか?
いわゆるアイスキャンディーとどこが違うのだろう。
一般的なアイスキャンディーは、果汁などを凍らせて棒状にしたもの。
だけど、この商品は「かき氷」を棒状にしたものだ。
そこが普通のアイスキャンディーとの大きな違いであり特徴だ。

商品コンセプトは「片手で食べられるかき氷」。
子どもたちが遊びながらでも気軽にかき氷を食べてもらいたいという思いから生まれた商品なので、ネーミングはそれを反映させたものにしたい。

メインターゲットは、もちろん子ども。
暑い夏に子どもたちが外で遊んでいるときに、
「なあ、アイス食べようぜ!」と誰かが言い出したときに選んでもらえる名前にしたい。

シンプルで覚えやすい名前。
まだ言葉をたくさん知らない小さな子どもたちからも、
「暑いときにはコレ」と商品名を口にしてもらえるようなネーミング。

超シンプル、小さな子どもでも覚えられる名前、商品の特長である「かき氷」を表した名前…。

そう言えば、赤ちゃんが親しみやすいのは擬音語・擬態語だったな…。

この商品を食べるときの音は「ガリガリ」だ!

よし、「ガリガリ」でいこう。

でも、待てよ。確かに覚えやすいが、なんだか素っ気ない気もするぞ。
もっと子どもたちに親しみを持ってもらいたなぁ。

「子どもらしさ」や「かわいらしさ」みたいなものが欲しいなぁ。
擬人化してみるというのはどうだろう。
お気に入りのぬいぐるみや人形、おもちゃ、ペットなどの名前を呼ぶように、この商品を呼んでもらえれば、きっと大好きになってもらえるに違いない。

ガリガリちゃん。
ガリガリくん。
……。

いい感じだが、字面がちょっと気になるな。

「ガリガリ君」

よし! これで決定だ。



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※コピーライター思考を身につけるための学習法「逆コピー」であり、フィクションです。

デザインで商品価値を高める

2012年08月07日 | 広告・マーケティング戦略
スチームクリームは、ここ数年女性に大人気のクリームです。

商品は1種類のみ、無店舗販売という形式で大成功しています。

スチームクリームは、SC.Cosmetics(エスシーコスメティクス)株式会社が製造・販売しているとてもシンプルな内容でできた全身に使えるクリームです。

同社の商品開発や販売方法は学ぶべき点が多くあります。

ひとつは商品の良さです。
シンプルさを追求し、全身に使えることです。
個人の感想ですが、ベタつきすぎず程よくしっとりする感じがします。

一番の人気の秘密は、缶のバリエーション豊かなデザインにあります。
美しさやかわいらしさのあるデザインされた「缶」そのものが人気で、「缶好き」女性の心をがっちりとつかんでいます。
ほとんどのデザイン缶が個数限定で、次々に新しいデザインの缶を発売しています。

ホームページを見たところ、現時点で国内だけで230種類ものデザインがありました。

缶のデザインは230種類ですが、中身のクリームは1種類だけです。

1つの商品をデザインを変えることで、付加価値を高め販売しているのです。

もうひとつ同社の戦略の優れたところは、固定店舗を持たないということです。
オンラインショップと期間限定の店舗販売を行っています。
デパートの一角にワゴンを置いた、いわゆる催事販売という戦略をとっています。
固定店舗を持たないので、その分経費を抑えることができます。


人気商品・人気ビジネスには、こうした様々な知恵と工夫が凝らされていますので、マーケティングやプランニングを学ぶ格好の題材です。

みなさんも気になる商品やサービス、ビジネスモデルを見かけたら、調べてみましょう。


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コピーライターの発想を疑似体験する

2012年08月06日 | 逆コピー
「逆コピー」は、コピー大学が考案した学習法で、コピーライター思考を身につけるための学習法のひとつです。

そのコピーがどのような考えで生み出されたのかを想像し、一流のコピーライターや第一線で活躍しているコピーライターの発想法、考え方を身につけます。



あるコピーを取り上げ、そのコピーが誕生したプロセスを自分なりに想像するだけです。
自分の考えが正しいかどうかは無関係です。大切なことは、自分の頭を使って「考える」「想像する」ことです。
コピーライターの仕事は、ひたすら考えることです。


では、今回は資生堂のコーポレートメッセージを例に考えてましょう。

コーポレートメッセージとは企業姿勢や思いを明文化したものですね。


自分がそのコピーの作者だと思って(なりきって)、コピーを生み出すまでのプロセスを想像してみましょう。



企業メッセージだから、会社の姿勢、思いをひと言で表すようなコピーにする必要があるわね。資生堂は、主に女性向けの化粧品を扱ってきた企業よね。

では、何のためにやってきたのか?

それは「女性を美しくさせるため」。
それが資生堂の思い。

だけど、それだは他の化粧品メーカーも同じ。
老舗トップ企業として、どうだろう?

「女性を永遠に美しく」

女性が求める美しさを求めている。それを提供している企業。

では、女性が求めている美しさとは?

「永遠の美しさ」

「いついかなるときでも、美しくありたいという気持ち」

「一生美しくいたい」

資生堂が貫き通していることは、

「女性を一生美しく」

ということなんだ!

でも、これでは何か物足りないし、洗練されていない印象があるわね。

女性は、どんなときに化粧をするのか。
単に外出するときだけじゃないわ。それは、洋服を着る感覚と同じ。
化粧にも普段化粧と勝負化粧があるわよね。

デートのときはもちろん勝負化粧。
合コンのときも、ばっちり決めなくちゃね。
同窓会は「きれいになったね」と言われたい。
たまには、皆から注目されるくらい美しさを振りまいて歩きたいし。

女なのですもの。一生に一度くらいはスポットライトを浴びるくらいに、
誰よりも美しいと思われる瞬間だって味わいたい。

一生美しくいたい。だけど、一瞬一瞬も輝いていたい。
それが女性の望みよ。

そう。
資生堂は、そんな女性たちの気持ちに答えてきたんだわ。

「一瞬も 一生も 美しく」


こんな感じで自由に考えてみることで、コピーをつくるプロセスを疑似体験してみるのです。

みなさんも、ぜひやってみてください!