**はやりっち**

いろんな色があるように
いろんな花があるように
いろんな話もあるのです。

【レビュー】「思いわずらうことなく愉しく生きよ」

2010年09月24日 | 【レビュー】本

本を読んでいると、
時々登場人物に感情移入しすぎて、
「もぐりこんで」しまうことがありませんか

この作品は、ワタシがうっかり
「もぐって」しまい、
非常にコワイ思いをした小説です


「思いわずらうことなく愉しく生きよ」
(江國香織/著 光文社文庫)

幸せな結婚をしたはずの長女、
キャリアの道を行く次女、
自由きままに人生を楽しむ三女、
3人の姉妹それぞれを描いた物語です。

ワタシがもぐりこんでしまったのは
境遇は違うはずなのですが、
やはり、長女の物語でした。
みづあさぎ、長女なものですから…。

以下ネタバレです

長女の麻子さんは結婚7年目で
優しい旦那さんに立派な一軒家
と外からは、何不自由ない
幸せな家庭を築いていると思われていました。

また、自分でもそう思っていました。

でも、麻子さんは家庭内暴力
今でいうところのDVを受けていたのです。

DVを受けてて
何で「幸せ」って自分でも思えるの
と思うあなたは、ぜひ読んでみてください。

このDVを受けている側の
心理描写が
さすが江国さんって感じで
もうぐいぐい引き込まれてしまうのです

おかげで、読んでいる間中
痛くて、痛くて、つらかったです
最後に救いがなかったら、
読後に立ち直るのに
かなり時間が必要だったと思います。

ワタシにはそういう経験がないし、
もし、そうなっても、
自分は絶対反撃するわよ
なんて思っていたのですが…。

読んでいる最中はそんな気力が
ガシガシそがれていって、
もう本当に怖かったです

でも、再度書きますが
物語の終わりには救いがあります。
読み終わった後には、
生まれ変わった気持ちになれます

なので、ワタシも安心して
おすすめできちゃいます。
ぜひ手にとってご覧になってください


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