書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「女ともだち」真梨幸子

2014年02月27日 13時40分33秒 | 読書
「女ともだち」真梨幸子




女の敵は女,というのは誰が言ったんだっけ?
良くも悪くも,圧倒的に悪い方が多いのだけど,すごい(コワイ)女の人がわんさか登場します.
どの女性も,コワイと同時に哀しい過去を背負っている.

主人公は,女性ルポライター「楢本野江」
時々企画ものの取材記事を書いているが,まだ署名入りの記事は書いたことがない.
30台も半ばを過ぎ,そろそろ一旗上げたいと,特ダネルポを探し回っている.

そんな時,ある高層マンションに住む2人のキャリアウーマンが,ほぼ同時刻にそれぞれの部屋で殺されるという事件が起きる.

野江はこれに飛びついた.....

というところから,話が始まるのだけど.

ストーリーは結構複雑で,ちょっと懲りすぎな気もする.

あと,偶然が重なったことで初めて成立する事件になってしまい,IQの高い犯人がスキのないアリバイを用意したり,密室を構成したりという意味での,ミステリの王道を行く小説ではない.

ただ,裏表紙の評にある,「女たちの心の闇」だの「ドロドロ濃度200%」だのという捉え方は違うと思う.
女性だから怖いということではなくて,後ろ向きの(ネガティブあるいは自己破滅型)思考に陥りやすい人を描くときに,女性というキャンパスを使って描いたような気がする.
もし,真犯人を男に設定してしまえば,そういう前提でいくらでもストーリーは作れるよねという気がする.

つまり,この作者は,「あえて」女性を使ったのじゃないかな.
そんな気がしてならない.

ストーリーは面白いです.
どんどん読めるし,どんでん返しも面白い.

別の題材でミステリーを書かせてみたい作家だと思う.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿