書く仕事

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函館出張3日目・最終日

2011年09月09日 23時37分18秒 | 日記
今日は最終日.
いろいろな分野のセッションは夕方までやっているのだけれど,明日,熊本で仕事があるので,午後の便で帰りました.

ただ,今回のシンポジウムの目玉として,ASIMOで有名な,本田技術研究所の広瀬主席研究員の特別講演があり,これだけは聞かなくちゃと,飛行機の時間を気にしながら,ぎりぎりまで聴講しました.

なかなか面白い講演でしたね.

技術的な内容というより,いろいろなエピソードとか,社長とのやりとりとか,「ここだけの話」的な内容もあり,結構聴衆から受けていました.

お話の中で,私がう~むと,なるほどと思ったことをひとつ.

当時(20年位前),二足歩行はとても難しいといわれていた時代,世界中の研究者が二足歩行を必死で研究していた頃の話です.

二足っていうくらいだから,多くの研究者は腰から下の「足」だけロボットを作り,いかにして倒れないようにするかを研究していたのです.
広瀬さんらも当時そうしていた.

しかし,どうやってもうまくいかない.

平面だと歩けても少しでも道に凸凹があると倒れてしまう.

自動制御といって,体の向きや位置をセンサーで検出して,倒れないようにしてもダメだったんですって.

そんな状態のまま悩んでいたある日,テレビでオリンピックの体操を見ていると,鉄棒からフィニッシュで着地した選手が,両腕をぐるぐると回して,バランスが崩れるのを防ぎ,減点されないようにしたのですね.
これを見て気が付いた.

今までは,体が倒れようとしたら,倒れる方向に足を一歩踏み出して倒れないように制御していた.
しかし,体操の選手は足を踏み出すことなく,上半身をうまく使うことで,倒れること自体を未然に防ぐことができる.

「これだ!」と思ったわけ.

腰から下のロボットでは体操の選手みたいにはバランスを取れない.

早速広瀬さんは上半身を作った.そして上半身に「重り」を組み込みモーターで制御して重心を制御する仕組みを組み入れて,見事ASIMOの最初のバージョンを作ったのでした.

歩くということから考えたら,足だけ研究すれば良いと思うじゃないですか?

そうじゃない,上半身でバランスをとることで初めて人間的な歩きが実現できるということですね.

何でも,近視眼的に目先のことだけ追いかけては本物の技術は生まれないんだなあと,改めて納得したしだい.

その感動を胸に空港に直行しました.





写真は,函館空港.記念に1枚撮りました.

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