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「みんなの秘密」林真理子

2013年07月10日 14時04分15秒 | 読書
「みんなの秘密」林真理子



去年読んだ「下流の宴」以来の林真理子さん

誰にでも秘密がある、というのは使い古された表現だろうが、この短編小説集を読むと、秘密という言葉が、生き生きと踊り出して来る気がするから不思議だ。

林真理子さんの描く秘密は、もちろん男女の間の秘密が主体だが、それは、男女の機微というより、男女の「エゴ」がむき出しになったものだ。
だからこそ面白い。

短編小説集だが、第1話の主人公の不倫相手が第2話の主役となり、第2話の別の相手役が第3話の主役となるというように、順々に登場人物が入れ替わっていく手法をとっている。
こういうテクニックを用いることで「誰もが秘密をもっている」感が増強される効果があることは間違いない。

それにしても林真理子さんの小説はとにかく面白い。

「この面白さは何だ?」って思えるほど面白い。

人間のエゴを文章化することが天才的に上手いのだと思う。

もう一つ驚くのは、女性である林さんが、なぜこんなに男性の心理と「生理」がわかるのか?
特に男性の下半身の機能とそれに纏わる心理状態の描写は、とても女性が書いたものとは思えないくらいリアルである。

「男性の生理と心理」を学びたい女性にとって、大変良い参考書になるだろう。

人類、皆、秘密持ち!



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