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「カラマーゾフの妹」高野史緒

2016年02月21日 14時54分21秒 | 読書
「カラマーゾフの妹」高野史緒




パロディでもオマージュでもない。
「続編」です

「カラマーゾフの兄弟」を「前作」と言い切るところがすごい。

作中に再三出てくる「前任者」という言葉。
もちろん、世界の大文豪ドストエフスキーのことだが、高野史緒さんは、
前任者で済ましている。

挑戦的野心作と言えるだけでなく、「前作」での構成上おかしな点や不合理な点にすべて明快な解決を与えている。
よっぽど、「前作」を読み込んでからこの小説を書いたに違いない。

また、ロシアが数学や科学技術に対して貢献した種々の発明が盛り込まれ、帝政ロシアからの近代化を図ろうと苦闘するロシアの動きも見え、近代史の一つの切り口としても興味深い。

いやはや大変な小説を知ってしまった。

これもまた、江戸川乱歩賞受賞作。

私には、直木賞、芥川賞よりずっとヒット率が高い賞です。


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