書く仕事

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「最後の一球」島田荘司

2014年08月28日 22時59分04秒 | 読書
「最後の一球」島田荘司



御手洗潔シリーズのミステリー.

この「最後の一球」は一つの短編と,一つの長編という妙な組合せです.

短編の方は,ある悪徳サラ金会社に苦しめられる庶民の苦悩を描いたもの.
長編の方は,野球に人生を賭けた二人の若者の友情と葛藤を描いたもの...

と思ってしまうのです.途中までは.

しかし,,,解説はここまで.

島田荘司は「占星術殺人事件」で衝撃的なデビューを果たしてから,「ちょっと変わった」探偵ものを書く作家ということで有名でした.

保守本流の本格推理とは言いがたいが,えも言われぬ個性がある.

その個性は,ちょっと文章で説明するのは難しいなあ.

トリックは骨太です.スケールの大きさが特長ですが,人の心を描くのは非常に細やかで,そのバランス,いやアンバランス感が癖になる.

時々,何年かに1度くらいの割合で,無性に島田荘司さんが読みたくなる.