「誰かが足りない」宮下 奈都
2012年本屋大賞ノミネート作品
タイトルだけ見ると,ミステリー小説そのものですね.
アガサクリスティを思わせるタイトルです.
足りない誰かとは?犯人?被害者?目撃者?
と思ってしまうのは私だけ?
ところが,ミステリーではないのです.
とても寂しくて,哀しくて,やがて心にランプが灯るような暖かい物語です.
6編の全く異なるお話から成る短編集です.
ただ,どの短編も暗く悲惨な状況から始まり,最後にかすかな希望が見え,そのうち皆でレストランで食事をしようということになる.
そのレストランの名前が共通していて,「ハライ」
人は生きているだけで,大変です.
不運もあれば失敗もある.
次々にいろいろなことが降りかかってくる.
いろいろな出来事を幸・不幸だけで受け止めていては,何時までも同じことの繰り返し.
人間として進歩が無い.
不運は不運,それはそれだけの事と受け止めて,新しい次の一歩を踏み出そうという強いメッセージに溢れた小説となっています.
特に大切な人に先立たれた不幸は,もちろん本人にしかわからないつらい出来事かもしれません.
しかし,例えそうであっても,やはり人間は新しい一歩を踏み出せば,また新しい人生の1ページが開けるのですね.
「誰かが足りない」という感覚は「不幸」ではなくて,新しい「幸福」のために避けて通る事の出来ないプロローグなんです.
というお話.
じんわりと来るお話でした.
ハンカチは不要だけど,忙しい時に読んではこの小説の良さはわからないだろうな.
少し,時間の余裕のある時がいいかもしれません.
2012年本屋大賞ノミネート作品
タイトルだけ見ると,ミステリー小説そのものですね.
アガサクリスティを思わせるタイトルです.
足りない誰かとは?犯人?被害者?目撃者?
と思ってしまうのは私だけ?
ところが,ミステリーではないのです.
とても寂しくて,哀しくて,やがて心にランプが灯るような暖かい物語です.
6編の全く異なるお話から成る短編集です.
ただ,どの短編も暗く悲惨な状況から始まり,最後にかすかな希望が見え,そのうち皆でレストランで食事をしようということになる.
そのレストランの名前が共通していて,「ハライ」
人は生きているだけで,大変です.
不運もあれば失敗もある.
次々にいろいろなことが降りかかってくる.
いろいろな出来事を幸・不幸だけで受け止めていては,何時までも同じことの繰り返し.
人間として進歩が無い.
不運は不運,それはそれだけの事と受け止めて,新しい次の一歩を踏み出そうという強いメッセージに溢れた小説となっています.
特に大切な人に先立たれた不幸は,もちろん本人にしかわからないつらい出来事かもしれません.
しかし,例えそうであっても,やはり人間は新しい一歩を踏み出せば,また新しい人生の1ページが開けるのですね.
「誰かが足りない」という感覚は「不幸」ではなくて,新しい「幸福」のために避けて通る事の出来ないプロローグなんです.
というお話.
じんわりと来るお話でした.
ハンカチは不要だけど,忙しい時に読んではこの小説の良さはわからないだろうな.
少し,時間の余裕のある時がいいかもしれません.