書く仕事

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一所懸命

2012年01月27日 23時01分20秒 | 日記
一生懸命とも書くけど,一所懸命の方がオリジナルらしい.

ま,それはともかく.

今日が卒論の提出期限日でして,僕の研究室では,ついさっき最後の一人が提出にきました.

本当はもう一人明日訂正版を出すことになっているけど,これはナイショね.

ま,それはともかく,ここ3か月間の彼らの頑張りには,拍手を送りたい.

普段はタメ口ばかりの彼らが,ここのところずっと真剣な眼差しで論文執筆に格闘している.

真剣に何かに取り組んでいる姿や,実験がうまく行かなくて試行錯誤を繰り返して努力する姿というのは,年齢性別を問わず,美しいものです.

彼らは,これまでの人生で,おそらくこんなに苦労したことはなかったと思う.

わけの解らない論文を読まされ,わけの解らない実験をし,わけの解らない結論をまとめなければならないのです.

しかし,五里霧中,手探りで進めてきた卒論も,必死の努力を続けていると,おぼろげながら見えてくるものがあるのです.

厚い悩みの雲の間に,かすかな光の筋がすこしずつ見えてくる.
だんだん見えてくる.

その様子がそばで見ている僕にはよくわかる.

この,「だんだん見えてくる」という感覚が重要なんです.
もしかしたら,彼らにとって,これからの人生を支える土台か鉄筋になるかもしれない感覚なのです.

この「だんだん見えてくる」分野をひとつずつ増やしていくことが人生なんです.

必ずしも専門分野だけではない.

人とのコミュニケーションとか,社会や政治のしくみ,はては税金や年金や介護も,このだんだん見えてくることの繰り返しで身に付けていくものなのです.

そういう彼らは,今とても良い顔をしています.

人間,毎日は無理にしても,半年か,せめて年に一度はこういう,いい顔をしたいね.

僕自身もそうありたい.

本当にそう思う.