書く仕事

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「由布院心中事件」西村京太郎

2007年03月03日 18時30分58秒 | 読書

久々の西村京太郎さんです。
今回は、十津川警部と直子さんの共通の友人であるクラークさんという外国人を、無実の罪から救うために夫婦で奮闘するお話です
この方の文章の特徴は、とにかく、贅肉がないことですね。
贅肉というと、他の作家の方に失礼ですが、よく言えば哲学とか思い入れとか人生観とか、いわゆる文学的な表現というんでしょうか、それらが完璧に排除された直球一本勝負の文章ですよね。
うまく言えませんが、文学的な表現って、別の言い方をすると、事実以外のことを表現することですよね。
つまり事件の背景とか、人物の心象とかを微に入り細に入り述べることで、ある観念を伝えることでしょう。
でも、西村さんの文章は、誰かが何かをしたとか、誰かがこう思ったというような単なる客観的事実の連続なんです。
しかしですよ、それらが、実は文章の裏側から何かを訴えかけてくるんですね。
虚飾を廃した表現と言うのでしょうか?
これが、長年にわたって根強いファンを確保している理由なんだと思います。
ところで、時々気になるのは、十津川警部と妻の直子さんの関係なんですが、仲が良いようで、ちょっと冷めたところもあり、かなり微妙ですね。
ドラマでは、十津川直子を演じた女優さんとして、
かたせ梨乃 TBS「月曜ドラマスペシャル・十津川警部シリーズ」
浅野ゆう子 テレビ朝日「土曜ワイド劇場・西村京太郎トラベルミステリー」
萬田久子 フジテレビ「金曜エンタテイメント・十津川警部夫人の旅情殺人推理」
といった具合で、そうそうたる女優さん方ですね。
直子さんは大物なんだ。
十津川さんとの甘い関係なんてのは読者や視聴者は望んでいないのかな?
いや、ドラマを見てないので何とも言えませんが。
もうちょっと、銭形平次とお静さんみたいな関係を期待してしまうのは、私がロマンチストのせい?

電車の行先表示

2007年03月03日 09時31分03秒 | 日記

昨日、就職先の企業開拓のため福岡県の二日市と久留米に行ってきました。
久留米で久大線のホームを見ると、とても懐かしい感じのする電車が停まっていました。
側面の行先表示が電光掲示盤ではなくて、金属の板なんですね。
思わず携帯で写真を撮ってしまいました。
どうやって、行先を変えるのかなあ?と思っていたら、駅員さんが、板をサッと裏がえしたのですよ。
それで大分行きに変わるというわけです。
私は鉄道ファンではないですが、この懐かしさには癒される気がします。
電車なんて単なる機械と言えばそれまでですが、たとえ機械でも、人間の気持ちに触れる何かが宿ることもあるんだなあと思ったしだいです。
そういえば、今、久しぶりに西村京太郎さんの小説を読んでいるんです。
「由布院心中事件」です。
偶然なんですが、有名な「由布院の森号」は久大線を走っているんですね。
西村さんと言えば旅情ミステリーですが、西村さんの小説に鉄道は欠かせないですね。
やはり、鉄道には、旅情も含めて、私達の心に訴える何かがあるんだと思います。