風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

バッハ・コレギウム・ジャパン 第157回定期演奏会 @東京オペラシティ(9月17日)

2023-09-23 15:15:06 | クラシック音楽




シューベルト:交響曲第7番「未完成」
シューベルト:ミサ曲第5番

このチラシ↑、ちょっと怖い笑
鈴木雅明さん曰く「目がこわい!とか言った人もいますが、これがシューベルトの新しいイメージだ!強烈な色の対比は、長3度転調のショック」とのこと。
実際に演奏を聴いて、新しいシューベルトのイメージ、わかった気がしました。

コロナの後遺症で体調ボロボロのなか出かけたけれど、行ってよかった。
シューベルトをオリジナル楽器で演奏するとこうなるのかと。
モダンオケがピリオド奏法で演奏するのとは、全然違う。
体験しなければわからないことって、ありますね。

古楽器の演奏会って「作曲家の等身大の姿」を感じることが多いですが、今回も25歳のシューベルトを感じたというか。未完成もミサ曲も、その素朴で親密な音にシューベルトの時代にシューベルトの時代のオケが目の前で演奏しているような錯覚を覚えました。
そして、シューベルトって実は感情豊かで劇的な面のある人だよね、と改めて思い出させられた。
デモーニッシュと形容されることもあるシューベルトだけど、今回はドラマティックな面を強く感じました。ベートーヴェンを聴いているように感じることもしばしば。

鈴木さんの劇的だけど下品にならない音楽作り、今回も素晴らしかった。ドラマティックかつ調和のとれた美。
ミサ曲では、はっとさせられる響きを随所で感じました。
キリスト教(というか一神教)アレルギー気味な私なので、モダンオケのような響きであまり壮大に演奏されると抵抗感を感じてしまったかもしれないので、こういう響きだとミサ曲でも自分の音楽として感じられる。

モダン楽器による演奏に比べてあちらの世界にトリップ状態になるような怖いような美しさは後退するものの、別のトリップ状態になるような美しさがある。
音がとても人間的なんですよね。
楽器の音が均一でない(雑味がある)からだろうか。
古楽器オーボエなどの独特の音色。
劇的な、でも人間的に美しい音楽。

『グローリア』の追い込み、素晴らしかった。もはやミサ曲じゃないみたい笑
『サンクトゥス』でも、はっとする美しさが聴こえてきました。

そして『アニュス・デイ』。
ドラマティックに演奏されてきたこのミサ曲の最後の最後、「dona nobis pacem(平和を与えたまえ)」の上品な音の閉じ方、沁みたなぁ。。。

歌も、特に合唱の皆さん、素晴らしかったです。

来年1月のドイツレクイエムも楽しみ















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