風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

夏目漱石 2番目の下宿先 @ロンドン

2008-05-05 01:23:30 | 倫敦うるるん滞在記

始めて下宿をしたのは北の高台である。赤煉瓦の小じんまりした二階建が気に入ったので、割合に高い一週二磅(ポンド)宿料を払って、裏の部屋を一間借り受けた。その時表を専領しているK氏は目下蘇格蘭(スコットランド)巡遊中でくは帰らないのだと主婦の説明があった。

(夏目漱石 『永久小品』「下宿」より)


漱石2番目の下宿先 正面


家の前の景色。

私が今住んでいる家から徒歩5分くらいのところに、漱石のロンドンでの2番目の下宿先が今でも残っています。
上記短編では「始めて」と書いていますが、正確には2番目の下宿先のようです。
漱石はこの家に1900年11月12日から12月下旬まで滞在しており、『永久小品』の中の「下宿」「過去の匂い」のなかでこの家について触れています。

倫敦漱石記念館のホームページで見て「ふーん、うちの前の通りと同じ名前だなー」とおもっていたら、ほんとうにうちのすぐ近くだった。
今も誰かが住んでいるので外観を見ることしかできませんが、周囲の建物も恐らく漱石がいた頃とあまり変わっていないんだろうなぁ、と感じられる風景が広がっています。
ブループラークもついていないので、今の住人は100年前に日本の大文豪が住んでいた家だとはきっと知らないのだろうなぁ。
100年前に漱石が住んでいた場所のすぐ近くに、100年後の今自分が住んでるとおもうと、日本から遠く離れたロンドンであるだけに嬉しいものです^^

しかし、レントが1週間2ポンドですかー。今の約50分の1ですね。
2ポンドというと、今の時代ではマクドナルドのバーガー1個のお値段です(£1.99)。
ちなみに日本円になおすと400円(・・・)。

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