この日は成田を経由して千葉へ向かった。
かつての門前町は、祇園祭の真っ只中。
買ったばかりのハンチングで紫外線を何とか凌ぎつつ、祭に沸く人々を横目にひたすら歩いて駅に何とか辿り着く。
祭は良い。ハレとケ。その境界がくっきりとすればするほど、ハレの舞台は盛り上がる。
成田ならばそれほど僕も疎外感を感じずに済むような気がする。何だかしみじみと昔のことを思い出していた。
とはいえ、既にこの時点で散々歩いたせいでぐったりと疲れがのしかかっていたのも事実。
気合を入れるため、成田駅のトイレでジェフのレプリカキットに着替えて蘇我を目指した。
Fと合流して観た試合は、大分戦に勝ったチームの良い流れを維持したまま、うまくゲームに入っていけたのではないか、という印象。
非 常に良いというわけではないが、少なくともボールはしっかり保持できている。相変わらずゴールキックは巻への一択だが、工藤や谷澤がパスやドリブルで絡 み、坂本が攻守に良いフォローを見せて、巻が何とかポストをこなし、深井が突っ込むという、今のジェフの攻撃のいいところはしっかり出ていた。
特に、谷澤のセンタリングから工藤が合わせようとした場面は決定的だった。もうちょっと浩平の背が高ければ…と、思わずないものねだりをしてしまう。
対する神戸は、ミスも多く、ジェフの出足が早いのでなかなかうまくつなげない印象。
とはいえそれでもシュートだけはしっかり打ってくる。大久保のループシュートなど冷や汗ものだった。
しかしその流れの中で、フィニッシュになかなか持ち込めないジェフがカウンターを食らう。
数的には優位だったシチュエーション。しかし青木良太とボスナーの間を縦パスで抜かれて、パク・カンジョにしっかり決められてしまう。
この局面、良太にためらいが見られたのが原因の一つではないか。シュートコースをふさごうとするのもいいが、あそこは当たりに行ってほしかった。
以後、後半立ち上がりに渡って神戸のカウンターを食らう事になるのだが、失点直後もハーフタイムも僕は妙に落ち着いていた。
立ち上がりから“流れ”を感じたのだ。今日は少なくとも負けはしないだろう、と。それは妙に確信めいていた。
正直に言えば、今年フクアリで観た2試合はいずれも最悪の、絶望的な内容だったから、そのせいで随分とマシに見えた…というわけではないはずだ、多分…。
ミラーはいまいち流れに乗り切れなかった今季初先発の佐伯に変えて、益山を投入。
前節の積極的なプレーに確かな成長を感じていただけに、この交代には期待が募った。
事実、彼の投入で流れが変わる。益山は、溌剌とした動きで右サイドをえぐり、チャンスを生み出す。
そしてその益山のパスから、左サイド近くにいた谷澤がワントラップしてボレー。
ボールは相手DFに当たってコースを変えながら、ゴールマウスに吸い込まれた。
ああ、(個人的には)国立でのFC東京戦以来久しぶりに生で味わうゴールの興奮…長かった。
これがサッカーだ。やっぱりこれを味わいたくて試合に観に来ているんだよ。
ここからフクアリにスイッチが入った。
しんどい試合をしている時はなかなか盛り上がらないこのスタジアムだが、ひとたびジェフのゴールが生まれれば、それによって着火し、熱が伝播し、燃え上がり、歓声に包まれる“劇場”と化す。
それは去年の最終戦を例に出すまでもなかろう。サポーターの感情に素直なスタジアムなのである。
ジェフはここからチャンスを作り続けた。
ピンチもその数だけあったような気もするが、深井のランや益山のチャレンジ、谷澤のテクニックに最後まで逆転を信じる事が出来た。
しかし、試合はこのまま終了。
シュートの少なさ、もう一点を奪えなかった不満も残ったが、とりあえず負けなかっただけ良しとしなければならないか…という妙な安堵感があったのも確かで、それは多くの人がそう思ったのではないかと思う。
でなければ、僕もFとわざわざアウェイ側からの順路でフクアリに向かうようなことはしなかっただろう。
身近なフクアリでも、まだまだ周りは知らないことが多い、という事を知ることが出来たのは悪くない。
この試合で前半戦は終了。
多くいた怪我人も徐々に戻ってきており、新戦力のネット・バイアーノ、そして噂の段階だが柏の太田の加入など、戦力は整ってきている。
この日のドローが価値ある勝ち点1となるように、次の広島戦もアウェーでの勝利を期待している。
かつての門前町は、祇園祭の真っ只中。
買ったばかりのハンチングで紫外線を何とか凌ぎつつ、祭に沸く人々を横目にひたすら歩いて駅に何とか辿り着く。
祭は良い。ハレとケ。その境界がくっきりとすればするほど、ハレの舞台は盛り上がる。
成田ならばそれほど僕も疎外感を感じずに済むような気がする。何だかしみじみと昔のことを思い出していた。
とはいえ、既にこの時点で散々歩いたせいでぐったりと疲れがのしかかっていたのも事実。
気合を入れるため、成田駅のトイレでジェフのレプリカキットに着替えて蘇我を目指した。
Fと合流して観た試合は、大分戦に勝ったチームの良い流れを維持したまま、うまくゲームに入っていけたのではないか、という印象。
非 常に良いというわけではないが、少なくともボールはしっかり保持できている。相変わらずゴールキックは巻への一択だが、工藤や谷澤がパスやドリブルで絡 み、坂本が攻守に良いフォローを見せて、巻が何とかポストをこなし、深井が突っ込むという、今のジェフの攻撃のいいところはしっかり出ていた。
特に、谷澤のセンタリングから工藤が合わせようとした場面は決定的だった。もうちょっと浩平の背が高ければ…と、思わずないものねだりをしてしまう。
対する神戸は、ミスも多く、ジェフの出足が早いのでなかなかうまくつなげない印象。
とはいえそれでもシュートだけはしっかり打ってくる。大久保のループシュートなど冷や汗ものだった。
しかしその流れの中で、フィニッシュになかなか持ち込めないジェフがカウンターを食らう。
数的には優位だったシチュエーション。しかし青木良太とボスナーの間を縦パスで抜かれて、パク・カンジョにしっかり決められてしまう。
この局面、良太にためらいが見られたのが原因の一つではないか。シュートコースをふさごうとするのもいいが、あそこは当たりに行ってほしかった。
以後、後半立ち上がりに渡って神戸のカウンターを食らう事になるのだが、失点直後もハーフタイムも僕は妙に落ち着いていた。
立ち上がりから“流れ”を感じたのだ。今日は少なくとも負けはしないだろう、と。それは妙に確信めいていた。
正直に言えば、今年フクアリで観た2試合はいずれも最悪の、絶望的な内容だったから、そのせいで随分とマシに見えた…というわけではないはずだ、多分…。
ミラーはいまいち流れに乗り切れなかった今季初先発の佐伯に変えて、益山を投入。
前節の積極的なプレーに確かな成長を感じていただけに、この交代には期待が募った。
事実、彼の投入で流れが変わる。益山は、溌剌とした動きで右サイドをえぐり、チャンスを生み出す。
そしてその益山のパスから、左サイド近くにいた谷澤がワントラップしてボレー。
ボールは相手DFに当たってコースを変えながら、ゴールマウスに吸い込まれた。
ああ、(個人的には)国立でのFC東京戦以来久しぶりに生で味わうゴールの興奮…長かった。
これがサッカーだ。やっぱりこれを味わいたくて試合に観に来ているんだよ。
ここからフクアリにスイッチが入った。
しんどい試合をしている時はなかなか盛り上がらないこのスタジアムだが、ひとたびジェフのゴールが生まれれば、それによって着火し、熱が伝播し、燃え上がり、歓声に包まれる“劇場”と化す。
それは去年の最終戦を例に出すまでもなかろう。サポーターの感情に素直なスタジアムなのである。
ジェフはここからチャンスを作り続けた。
ピンチもその数だけあったような気もするが、深井のランや益山のチャレンジ、谷澤のテクニックに最後まで逆転を信じる事が出来た。
しかし、試合はこのまま終了。
シュートの少なさ、もう一点を奪えなかった不満も残ったが、とりあえず負けなかっただけ良しとしなければならないか…という妙な安堵感があったのも確かで、それは多くの人がそう思ったのではないかと思う。
でなければ、僕もFとわざわざアウェイ側からの順路でフクアリに向かうようなことはしなかっただろう。
身近なフクアリでも、まだまだ周りは知らないことが多い、という事を知ることが出来たのは悪くない。
この試合で前半戦は終了。
多くいた怪我人も徐々に戻ってきており、新戦力のネット・バイアーノ、そして噂の段階だが柏の太田の加入など、戦力は整ってきている。
この日のドローが価値ある勝ち点1となるように、次の広島戦もアウェーでの勝利を期待している。